2018年03月28日

JR札沼線問題【月形町H30予算詳細/その4+一般質問】

詳細はこれで最後です。

赤字によるバス転換が提案されているJR札沼線。「JR北海道の赤字が拡大、早急に判断を迫られる → 夏にも結論」という緊張感ある報道を連日のように目にする。が、月形町議会では「月形までは鉄路が残り、JRを利用して観光客がやってきて街中に賑わいが戻ってくる」という、楽観した空気が漂っていて本当に驚いた。

一般質問で楠議員が「石狩月形駅をまちづくりの核に位置付け、2次交通の起点に」との提案し、金子議員が総括質疑で「まちづくりの中心をどこにするのか」と問うた。
町長は「月形駅は交通の要であり、JR存続と関係なくまちづくりの核」「月形駅から皆楽公園まで賑わいを繋いでいきたい」「駅前から国道に出る道は道道なので、道の予算で整備できる」と答えた。

果たして、石狩月形駅は月形町の(賑わいの)中心なのか?
JRが廃止になってもなお、交通の拠点にしていくのか?

私は、違うと思う。

町民の生活導線を観察すると、中心は役場前だ。
町内唯一のスーパー「Aコープ」があり、金融機関(JA、札信、道銀、郵便局)も、2つの歯科も100m圏内。美味しいと評判のパン屋「萌木」ではお茶を飲むこともできる。月形高校と中学校へは役場脇の道を入る。夕方ともなれば子ども達が役場1階の町民サロン前でくつろぎながらスクールバスを待つ。町内を循環し住民混乗ができるスクールバスは町立病院は経由するが月形駅前は素通りなのだ。 

町内で歩いている人を見かけようと思ったら、役場前が一番。だから、街頭演説の1番のスポットは役場前。選挙のときに誰もがこぞって場所取りをするではないか。

今、JR札沼線があるから交通の起点は石狩月形駅だが、町民の利便性を考えれば起点を役場に替えるべきだ。

役場には広い駐車場があるから、町内各地から集まってパーク&ライドがすぐにでもできる。町民サロンという待合所もある(少し改修すれば土日も利用できる)。つまり、町民は生活パターンを変えずにすむし、余計な税金を使わなくてもいい。町民にとって都合がいい。

さらに、観光客を出迎えるにもちょうど良い。終着点の役場前は「月形樺戸博物館(明治の北海道開削の歴史を展示)」で、降りたその場が観光地。目を引くこと間違いなし。歴史をたどる散策の道も博物館を起点にしている。

JR札沼線存続運動を展開するために、町民の暮らしを犠牲にしないで欲しい。

予算には「地域公共交通網形成計画策定業務 530万円」が盛り込まれている。ほとんどはコンサルタントへの委託料。町民アンケートを実施し、副町長が会長の法定協議会で「これからの月形町内の地域交通のあり方」を話し合う。どうか、町民の暮らしの実態にしっかり目を向けて議論してください。

そういえば浦臼町議会を傍聴した際、ある議員の一般質問で「JRから提示された(JRがバス転換したあとの)北海道医療大学駅の改修後のイメージ写真」というのがあった。JRからは既にそんな提示までされていたのかと驚いた。当然月形町にも同様の提示はなされているはず。なのに「月形までは存続」という町長の方針で、町民には一切何も知らされていない。

本当はどこまで話が進んでいるの?
夢みたいな将来像を語ってる場合なのか?

2018年03月27日

職員住宅を商工会が建設【月形町H30年度予算詳細 /その3】

厳しいことだけじゃなく、私が好感を持った話題も報告しましょう。

この件は大釜議員の一般質問で知りました。関連予算は小さいのですが、これが課題解決の先駆けになると感じたので。

月形町の職員数は67人(一般行政職64人+医療職3人/平成30年4月1日予定数)。職員には専用住宅があるものの不足していて町営住宅に住んでいる人も多いです(もちろん持ち家の人もいる)。町営住宅はほぼ満室のため町外から町内事業所に通わなければならない人もいて、町民が町営住宅に住めるよう町は職員住宅を準備すべきという意見が以前から一部に出ていました。

■今回提案されたのは、
・月形商工会が町有地に、1棟6戸(独身向け)の役場職員住宅を建てる。
・町は20年間全室を借り上げ、管理は商工会が行う。
 (町は職員から規定の住居費を別途徴収。差額は職員福利厚生として町が支出)
・20年後に商工会は建物を町に移管する。
というもの。
※一般質問や予算審議では詳細がわからなかったので、独自に調査して事業の中身を記載しています。

■月形商工会にとってのメリットは、
1)商工会員の町内業者に仕事を作れる。
2)住宅建設のための土地を用意しなくてもいい。
3)町の「民間賃貸住宅建設補助」から1戸あたり60万円×6=360万円の補助を受けられる。
4)賃貸料1戸45,000円/月×6戸が20年間にわたって保障されるので、安定した収入源になり建設費も捻出できる。

■町にとってのメリットは、
1)直接建物を建てると過剰仕様で高額になりがちだが、民間が建設した建物を借り上げることで相対的にコストを抑えられる。
2)管理は商工会が行うので、管理経費がかからない。
3)町内産業を活性化できる。

似たような手法はすでにあちこちの自治体で展開されているものの月形町では初めての事例です。この手法が上手くいけば町内各種事業所の社宅建設のモデルにもなるので、経過を見守りたいと思います。

なお、一般質問で町長は「詳細は予算可決後に決めていく」と答弁していて「何も決まってないのに予算計上しているの?」と驚いたのですが、実際はほぼ固まっているようでした。
本会議は事業のPRの場でもあるのだから、もっと情報を公開して欲しいと思います。

2018年03月23日

月形町立病院の経営【月形町H30年度予算詳細/その2】

月形町予算の話題に戻ってきました。今日は町立病院の話し。
※写真は2012年7月に撮影

月形町立病院の経営が厳しい話しは何度となくしてきました。

1年程前に整形外科の常勤医であった副院長が退職し、常勤医は内科の院長だけに。診療科目と救急診療はそのままに、派遣医をやりくりしながらしのいでいたものの「患者の数がめっきり減ったね」と心配する声が大きくなり・・・。町長は経営形態の見直しを昨年秋までに行うとしたものの遅れに遅れて、結局、何も手をつけないで「現状を維持する」と言ったような言わないような雰囲気に。

そうこうしているうちに、もう何十年も院長を務めてきた唯一の常勤医師がこの3月末で退職することに(定年を2年延長して働いていただいた)。しかし、その後任医師がなかなか決まらず、常勤医師がいなくなる事態も想定されたのが、この3月定例会が始まる頃の状況です。

町長の平成30年度執行方針で何か方向性が打ちだされるのかと思っていたら、「現体制の維持と円滑な運営に努めてまいります。また、引き続き経営体制の見直しを進め、さらなる経営の効率化や医療提供体制の確保について検討してまいります。」と、例年と同じトーンの文言が並んでいるだけ。

はて? 
結局、病院はどうなるんだろう?
医師の確保はできたのだろうか?

予算審査で明らかにされるだろうと聴き耳を立てていたら・・・

信じられないことに、私が最も聴きたかった病院経営に対する赤字補填の部分が読み飛ばされ、それに対して議員の誰一人も指摘することなく進み、さらに驚いたのは、何1つの質疑もなく町立病院の予算審査が終了したのです!!! そして、最後の総括質疑でも(笹木議員が若干触れた程度で)真正面から問い質す議員はいませんでした。

新しい医師は? 病院の赤字は? これからの病院経営は?

議会でのやり取りは、議員が納得することだけが目的ではありません。公の場で議論することで課題や問題点を町民と共有することができ、ともに考え答えを導き出す「合意形成」の一助になるのです。たとえ事前に全員協議会で説明したり、説明を受けていたとしても、広く広報される本会議や予算特別委員会の場で情報をオープンにすることは必要です。それが全くなかったことに(町長にも議員にも)心底ガッカリしました。
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そんな状況だったので、私が独自に調べました。

■町立病院の経営
平成30年度国民健康保険月形町立病院事業予算の事業収支は総額6億1128万9千円。そのうち一般会計からの繰出総額は2億6570万円。ここには特別交付金や約束で繰出すもの(←これらをまとめて「ルール分」と呼ぶ)を含みますが、赤字補填も入っています。
・一般会計からの赤字補填額 1億4123万3千円

ちなみに、予算段階での赤字補填額は
 平成29年度 1億1460万円(これに年度末に3818万円追加)
 平成28年度   7667万円(これに年度末に2737万円追加)

毎年度、患者数が見込みより少ないことから追加補填が必要になっています。
平成30年度予算の基礎数値をチェックしたところ、患者数の見込みが今年度予算時とほぼ同じで甘い見積であることから、「(病院体勢の)現状維持」では、更なる赤字補填が必要になると予想されます。

病院全体の予算が6億円の中で、1億5千万円が赤字補填とは!
一般会計35億円の中で、病院の赤字補填に1億5千万円を出すなんて!

こんなにも赤字になっていることを町民は全く知りません。キチンとした数字を知らせていないからです。でも、その負担を負っているのは町民です。現状維持でで本当に良いのか、問う必要があります。

現状の病院体制を維持するために、
・どこまでも青天井で赤字補填をするのか? 
・何か歯止めとなる基準を設けないのか? 
・経営改善のために、取捨選択することはないのか? ・・・

議員に質して欲しいことがいっぱいありましたし、町長に答えて欲しいこともいっぱいありました。それなのに、何1つの質疑がないなんて!!! この予算を提出したのは町長で、承認したのは議会議員なのですよ。その重大性を認識して欲しいです。

■常勤医師の確保
定例会では何も語られませんでしたが、3月16日発表(17日朝刊に掲載)された人事異動で、4月1日付けで医師が赴任するとの記載がありました。常勤医師の不在は防げたようです。
ですが、それなら、もっとキチンと、堂々と、正式な場で発表があればいいのにと思いました。町民の想いが届いていない印象です。

2018年03月21日

2時間あれば【月形日赤奉仕団ボランティア/月形緑苑・バイキング昼食】

先週の水曜日(3月14日)、連日の月形町議会傍聴の最中、日赤奉仕団のボランティア活動がありました。町内にある介護老人保健施設・月形緑苑(リョクエン)で「バイキング昼食」のお手伝いです。先輩でご近所のチーちゃんと一緒に行ってきました。

「バイキング昼食」は利用者のみなさんがとても楽しみにする特別メニュー。普段は配膳された状態で食事を始めるのが、この日は自分で選ぶところからスタートするんです。施設では月に2回程行われているそうですが、日赤奉仕団では3ヶ月に1回、2人1組でお手伝いに行っています。

この日のバイキングメニューは、巻き寿司5種と甘酒。他に小鉢とデザート。

調理師さんが「好きなものを選んでください。どれにしますか?」と声をかけると、パッと瞳に光が差し、活力がみなぎって来るのを感じます。最終的に「全部!」という人がほとんどなのですが「自分が選ぶ」という行為そのものに意味があるのを強く感じました。

与えられるのではなく、選び取ることの喜び!
いくつになっても重要な活力の源なんですね。

さて、ボランティアで参加した私は、選んだお寿司にお醤油をかける役。減塩を意識した食事なので、丁寧にチョットずつかけることが重要なんですよね。「お醤油かけますね〜」と一声かけると、みなさんも一言返してくれて、心が触れ合うようで楽しかったです。
チーちゃんは甘酒をよそって手渡す係。ここでもまた一言。

職員さんも私たちも全員マスクをしているから、意思の疎通をするために声は大きくハッキリと、そして目を真っ直ぐに見て気持ちを込めて・・・
そっか! 「バイキング昼食」は、選ぶことだけじゃなくて会話と心のつながりが増えるから楽しみなのね♪

お手伝いしながら調理師さんにも色々教えていただきました。
のり巻きの海苔は、網タイツみたいなスリットが全面に入っているんですって! 
高齢者のみなさんが食事を楽しめるような工夫された食材が色々あるんですって!! 
知らなかったな〜。 勉強になりました。

ボランティアを終えたあとは私たちも食事をいただきました。ご馳走様でした。

家を出てから終わりまで約2時間。ほんのちょっとの時間で出来るボランティがあります。

傍聴で解ること【一般質問の傍聴/浦臼町議会】

今回は隣町の議会の話し。

昨日(3月20日)、お隣の浦臼町(車で北に20分)議会の一般質問があったので傍聴してきた。
浦臼町は人口1,900人ほどで、明治32年に月形から分村してできた町だが、北海道の地域割りでは別(月形は南空知、浦臼は中空知)になるので交流は少ない。ただ、最近はJR札沼線沿線として一緒に協議しているので以前よりは身近かな。

浦臼町議会は議員9(うち女性1)。唯一の女性議員、折坂議員とはほぼ同じ時期に議員になったこともあり、ともに高めあう仲。折坂議員は町内で仲間との勉強会を続け、様々なことに問題意識を持って一般質問をしているので、ずっと傍聴したいと思っていた。

当日は6人の議員が一般質問に立ち、午前10時〜午後3時半まで、昼休憩(約1時間)と短いトイレ休憩が少し入る程度で一気に進められた(一般質問のあとに本会議が予定され、最終議決をして閉会する流れだからビチビチになるのは当然)。ここの議会も圧縮感があって効率的に運営されていた。そして傍聴者の数も多い。1日通しで聴く人もいれば、都合の良い時間だけちょこっと聞きに来る人もいたりして・・・総勢10人。そのうち半数は女性。なかなか。

【浦臼町議会の一般質問】
・最初は一括方式、再質問からは1項目ずつ。1項目再々質問まで。
・対面(質問席が議席の中央に設置される)
・質問時間は、(答弁も含め)1人最大1時間。
・資料は、定例会で使う全てが一綴りになった資料が全体に1部(閲覧のみ)+質問者と項目を記載したA3両面チラシ(事前に町内に新聞折り込みで配布してあり、当日配布はナシ)
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【傍聴】で気づいたこと

■傍聴者は皆、新聞折り込みされた一般質問のチラシを手に集まってくる。というのも、傍聴者への資料は、定例会の全てが一綴りになった閲覧用が1部あるのみで他にはない。一般質問の順番や要旨を知るにはチラシが無くてはならない状況だから。(私は事前にもらっていたので手元にあったが、もし町外の人や新聞をとっていない人がふらっと来たら訳がわからないだろうな〜。ここは改善の余地ありと思う。)

■閲覧用の資料には議案や通告書、予算書や追加資料等も全てあるので、ベテラン傍聴者は順番に読み込んでいる。こんなに読まれてるなら、何部かあってもいいようにも感じた。

■傍聴者の中には、議員の仲間だけでなく、傍聴が趣味で20年来通っている人など、関心が高い上に議員と親しい人も多い。気軽に会話を交わしている様子が「身近」な印象を与える。

■傍聴席用に前方天井にスピーカーが設置され、とても音響が良かった。耳の遠い高齢者の方も聴き取れているよう。また、傍聴席が議席より数メートル高い位置にあるので、議場全体を見渡せて臨場感があった。傍聴に来たくなる要素だと思う。
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さて、今朝の北海道新聞(空知版)に、昨日の浦臼町議会で激しく議論された「ジビエの解体処理施設」について掲載されていたが、昨日の議論の様子とは全く違った印象の記事になっている。

一般質問で2人の議員が、現場の実態をもとに事業の詳細を問い質したのに対して、町側の答弁は曖昧な部分が多く、外野の私でさえも「この程度しか中身が決まっていない事業を承認させるのか?」と町側の強引な進め方に疑問を持った。
一般質問後の新年度予算の議決では、この施設の部分で反対討論2本(賛成討論2本)があった上で原案可決になったとのこと。

そんな雰囲気を微塵も感じさせない、この記事! 

傍聴席に記者はいなかったので、町側からの事前情報で全てを書いた記事のように見える。でもその違いが解るのは私が傍聴していたから。実際には、全くこれからのスタートで、指摘された様々な課題を解決していく必要がある。これじゃあ議会で課題をあぶり出し、まちのために努力している議員が可愛そうだ。

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