2011年01月28日

全員協議会(2011.1.28)コンプライアンス条例、他

1月28日(金)午前、主にコンプライアンス条例について協議するために全員協議会が開かれました。

週初め、議長と副議長が1月14日に協議し完成させた「議会としての修正案」を持って、町長に申し入れを行いました。それを参考に、町側が条例を正式修正。この日、議会に対して町長が概要を説明する運びとなりました。今回提示されたものが最終条例案で、この審議は3月の定例会で行われます。

以下、全員協議会の報告です。
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1.町側からの協議・報告事項

■月形町職員の公正な職務の執行の確保に関する条例(案)について

○新旧対照表により改正点を説明
・条例名は適正と考え、変更なし【議会から「月形町法令遵守の推進に関する条例」と変更提案】
・第2条(定義)、第2項に「通報対象事実」を追加

・第3条(職員の基本的心構え)は地方自治法第30条に明記されていることの強調であり、
 第4条(職員の責務)はその後にある、それぞれの立場での責務(管理職、町長、町民)に対応
 するものなので、統合しない。【議会から、簡潔にするため集約してはと提案】
・第4条の文中「法令遵守の姿勢のもと」→「常に法令を遵守するとともに」に変更

・第8条(法令遵守委員会の設置)「公益通報の内容について調査及び報告書を行わせる」を削除。
 法令遵守委員会を必要に応じて拡大開催できるようにした。
・第9条(公益通報)は匿名も可能になるよう修正。町長の公表の義務(通報件数のみ)も追加。

■月形町財政推計について
・平成22年〜平成28年まで(未来を考える委員会に提示予定)

■美唄との一般廃棄物処理について(現状報告)

○1月28日の北海道新聞報道「美唄市長、先送り正式表明 岩見沢、月形と連携検討へ」を受けて
・1月31日(月)に美唄市副市長が来町し、報告を受ける。その議会に報告予定。
・記事中「月形町も一定の理解」とあるのは、補助申請を遅らせるという部分。
・記事には一部誤解もある。「月形町は既に生ごみを堆肥化している」は間違い
・衛生センター地域住民への説明は、副市長からの正式説明のあとに、区長と話し合いを持ち、
 必要があれば行う。

2.議員間協議および連絡事項

■統一地方選挙について
・告示 4月19日、 投票 4月24日

■議員年金について
・平成23年6月1日で廃止
・議員年金基金が同時期枯渇することから、廃止後の年金支給のための財源を自治体が負担する
  平成22年度までの自治体負担分       平成23年度以降
   全道平均: 430万円      →    2,300万円
   月形町 : 336万6千円    →    1,820万4千円 
・この負担増分については、国から普通交付金で補填される見込     

■地方自治法改正の情報(成立は国会審議の後。未定)
・臨時会の開催権限 → 議長にも付与
・有権者40万人以上の自治体で、リコール条件の緩和
・住民投票制度の改正 → 結果に拘束力、予算規模を超す公共事業にも適用
・専決処分 → 否決の場合は、再度議会に提出
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コンプライアンス条例の議論はひとまず終了しました。「法令遵守」の観点からは新たな一歩となる条例になったのではないかと思います。
ただ「切手事件の検証」はどうするのか? やはりこの条例では対応できないと思うのですが・・・
あとは本会議で。

美唄市とのゴミ処理については非常に微妙な状況になってきました。正式な発表はないのですが、岩見沢市の動向も視野に入れなければならないようです。
もし岩見沢市がこの協議に入ってくるなると、事業規模が全く変わるため処理方法の再検討が必要ですし、ゴミに対する住民意識も検討項目に入れる必要があるでしょう。
いずれにしても、月形町のゴミ処理は何を重要視して決定しするのか(建設コストか、環境か、将来的負担か、近隣自治体との協調か)、確固たる方針が必要に思います。

議員年金に関しては、頭の痛い問題です。議員年金財政が一気に悪化したのは、市町村合併と定数削減による現職議員数の減少=払込人口の減少です。こういうところにも合併の影響が出てくるとは。

2011年01月27日

全員協議会(2011.1.14)

1月14日に開催された平成23年第1回臨時会に伴う全員協議会での協議内容を報告していなかったので、ここに記します。

※ 右の写真は、Aコープつきがた(農協)で手に入れたバラです。連日ー10℃以下になる今日この頃、こんな鮮やかで立派なバラを見かけて幸せな気分になりました。みなさんにもお裾分け♪
生産者や流通業者は凍らないように細心の注意を払ったことでしょう。ありがとうございます。
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1.町側からの協議・報告事項

■平成22年度ワクチン3種補助事業について
・子宮頸がんワクチンとヒブワクチンについて、平成22年度から
 町単独で補助(補助同額を商品券で交付)を行った。
 (小児向け肺炎球菌ワクチンは未実施)

・平成23年度分は3種(子宮頸がん、ヒブ、肺炎球菌)のワクチンに対し、国による国庫補助が決定
  対象は(平成23年4月1日現在の学年及び年齢)
   子宮頸がんワクチン:中学1年 〜 高校1年
   ヒブワクチン   : 0歳 〜 5歳
   肺炎球菌ワクチン : 0歳 〜 4歳

・制度変更により、一部の幼児や生徒に補助を受けられない不利益が生じるので、その部分だけ
 町単独の補助(商品券による交付)を行う。
  対象は 子宮頸がんワクチン:平成23年度高校2年生で、3回の接種が完了してない生徒
      肺炎球菌ワクチン :平成22年3月31日までに5歳になる、4歳児

■地域活性化交付金について
・平成22年10月8日に閣議決定。12月24日までに空知総合振興局に計画提出。

・対象事業と交付額(算定額)・・・3月に補正予算提出、全額繰越明許の予定
 ○きめ細やかな交付金(緊急経済対策、地域活性のニーズ)    6,913万4千円
  ・皆楽公園関係(保全計画策定、バリアフリー化、補修、車両更新)
  ・みのり工房の製品保管庫新設
  ・昭栄排水機場の改修、町道改良(円山1号線)、円山展望台整備
  ・緊急通報装置(独居等高齢者宅に設置されている機器)の更新
  ・給食センター空調設置
  ・月形中学校黒板取替、月形中学校校長住宅新築(現教頭宅を立替)
 ○住民に光をそそぐ交付金(消費者・DV・自殺予防等の弱者対策、他) 1,043万6千円
  ・樺戸博物館展示改修
  ・図書館改修
  ・命のバトン配布(全戸)
  ・自殺予防対策(個別相談用パーテーション設置)

■美唄との一般廃棄物処理について(現状報告)・・・1月12日の北海道新聞の報道を受けて

○月形町の状況
11月26日の説明と何ら変わっていない状況。
・12月定例会の補正予算「一般廃棄物処理計画見直しのための委託料」は、現在執行を保留
・現在担当レベルで申し入れている状況。トップの正式な話しはない
・衛生センター(最終処分場)周辺地域のみなさんには多少の方向性が見えた中で説明したい。
 (今はしない ← 早急にできる範囲で状況を説明する必要があるのではないかとの質問あり) 

○美唄市の状況
・高温高圧処理を議会に説明している最中。議会の理解を得る努力をしている。
・現在はデータ収集を行っていて、1月下旬に市議会に報告

○全体の状況
・基本的に、美唄市と月形町で高温高圧処理を進めるスタンスは変わっていない。
・今後進捗状況を頻繁に議会に説明していく

2.議会内討論
■コンプライアンス条例(案)の修正について
 → 別項で報告

3.その他
■第1回定例会の日程(案)
・・・昨年同様、執行方針と行政全般に対して一般質問を行う
 2月25日(金)  議会運営委員会
 2月28日(月)  議案配布
 3月 3日(木)  定例会第1日・本会議(議案審議、町政執行方針、教育執行方針)
 [3月 4日(日)〜13日(日)本会議休会]
 3月 7日(月)  一般質問〆切
 3月 8日(火)  議会運営委員会、全員協議会
 3月14日(月)  本会議第2日・一般質問
 3月15日(火)〜17日(木)  平成23年度予算特別委員会
 3月18日(金)  本会議第3日・予算特別委員会報告、意見案等
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今年もまた景気対策等に対応する臨時交付金が配分されることになりました。短期的に見れば地域にお金が回ることになるので、喜ばしい(?)と言えるかもしれません。しかし、あまりに唐突すぎる(早急すぎる)計画書の提出に、本当に必要な事業かどうかの吟味ができません。

この交付金分が当初予算時にキチンと組み込まれていれば、もっと有効な活用ができるのに。甚だ残念です。うちの町と同じ状況がきっと全国の自治体でも起きていることでしょう。

とは言え、普段から「もしお金があったら○○したい」と考えていれば、例え少しのお金であっても有効に使えるでしょう。ただ、新たな発想を得たり夢や目標を持つには、多少の余裕と充分な準備が(町側に)なければ。

自治体側にその余裕はあるの? 少なくとも月形町にはないように感じます。

2011年01月26日

きたひとネットフォーラム2011

kitahito2011b.jpg1月24日と25日、北海道大学・学術交流会館を会場に、きたひとネット(北海道女性農業者ネットワーク)の フォーラム2011 & 研修会 が開催されました。

kitahito2011a.jpgこの「きたひとネット」とは、全道各地で直売所、加工品作り、農業経営、指導農業士等の活動を通して、地域農業と食を育んでいる女性農業者達の集まりです。また、会の趣旨に賛同した一般の方や行政関係者(多くは農業改良普及所員)等の参加もあり、全部で161人が登録しています。当日は報道も含め150人近くが一堂に会しました。

当日のプログラムは以下の通り
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【第1日】
1.第3回定期総会
2.農政報告
(1)農産漁村における男女共同参画の状況
 ○女性の農業委員 ○女性のJA組合員 ○経営参画 ○家族協定
(2)APEC報告・・・女性リーダーズネットワーク(WLN)の
 「女性と経済活動」部門 参加報告(遠軽町・岡田ミナ子さん)

3.パネルディスカッション 
 テーマ「世代・人・地域をつなぐ」〜次世代のためにわたしがすべきこと〜
 ○パネリスト:津島  朗さん(畑作・音更町)指導農業士、手ぶら農業体験
        安丸 千加さん(メロン他・上富良野町)女性農業後継者
        内山 裕史さん(アスパラ・美唄市)こせがれネットワーク
        大庭ひとみさん(酪農・広尾町)体験型民泊
 ○コーディネーター:麻田 信二さん(果樹・長沼町)元副知事、酪農学園理事長
              
4.おやつの紹介・・・女性農業者が手がけている加工品を「おやつ」として配布

5.ひとこと言わせて!・・・会場からの意見発表
 ○千葉 澄子さん(酪農・標茶町)指導農業士。男女経営参画、数字の読める女性に!
 ○溝口めぐみさん(米他・深川市)地域活気作り・・・婚活料理講習会
 ○中村由美子さん(酪農・千歳市)共同経営=情報の共有と分担、決定権

【第2日】kitahito2011e.jpg5.研修会
 ・・・人間関係作り・コミュニケーショントレーニング
   『怖れを手放す』
   家族や地域・仲間たちと
      よりよい関係を作るために
   講師:瀬川真弓さん
     (アティテューデナルヒーリング北海道)
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どの場面でも「自らの考えを自分の言葉で語る女性農業者」の姿があり、歯に衣着せぬ語りは迫力満点。共感を得る部分、示唆に富む部分なども多く、会場全体が一体感に包まれて満足感たっぷりのフォーラムとなりました。

以下に、私が心に留めておきたいと書き留めた内容を記します。

■農業分野における男女共同参画の現状(都府県に比べ、北海道は極端に少ない。遅れている。)
・農業委員会のある道内173自治体のうち、130自治体が女性農業委員0人(女性委員は2.5%)
・道内110のJAうち、103が女性理事0人(女性理事は0.5%)
・家族協定を結んでいる農家は全体の1割程度

■パネルディスカッションより
・男性は、会社を辞めて実家に戻って農家を始めても「後継者」
 女性は、農業大学校を出て、農業がやりたくて実家の農業をしても「お手伝いさん」の扱い
・農政や農家の中で、女性の役割(位置づけ)は今も低い。制度改革も必要。
・道内農業従事者は2万人。うち半数以上が女性。

・民泊や農業体験など、消費者と接することが大切。都市と農村を「つなぐ」
・ネットワークを「つないで」農業が儲かる、楽しいを発信したい。
・農家は親子の仲が悪いことが多く、親の知識や経験がつながらない。「つなぐ」努力
・農家の意識が変わることで未来は明るくなる。未来に「つながる」

■ひとこと言わせて! から
・男女経営参画とは共に歩むこと。夫婦二人で経営計画を立てること。
・農業は一生勉強。経営も時代も日々動いている。
・「農家と農業」の違いを明確に。家を背負うのではなく、業をしよう。

■研修会「怖れを手放す」=コーチング から
・思考は現実化する。
・自分が自分を扱うようにしか、人に扱われない。
・相手は鏡
・「今」「自分の心」「ありのまま」が大事
・自分が与えたものと同じものしか自分に返ってこない。

・コーチングは前に進みたい人にのみ機能する。
・コーチングとは、1)聴くこと 
         2)質問をする(行動を変えてきっかけを見つける)
         3)認める
・人は同じ話を聞いても受け止め方は人それぞれ。思い込みによって変わる。
・相手の思考はコントロールできない。違って当たり前。
・どうしてできなかったんだろう?(×)  どうすればできるんだろう?(○)
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フォーラムが始まってすぐは男女共同参画やAPECなど堅い話題が多く、その後のパネルディスカッションや意見発表は実体験に基づく身近な話題や目標が語られ、合間のおやつ(加工品)紹介では農業の楽しさを生き生きと伝えていました。話題も雰囲気もあまりに幅があり、この会の目指すところはどこなのか、参加者の求めるものに合致しているのか、最初は戸惑いました。

しかし、時間とともに参加者同士で仲間意識が芽生えてくると、不思議とこの混沌とした内容や雰囲気が心地よくなってきました。きっと「農業」の持っている奥深さや魅力と同じなのでしょう。それに私も含めた参加者は「農業が好き」だから理解できるのかも。

設立総会以来2度目の参加でしたが、前回よりスケールもグレードもアップして、素晴らしいフォーラムだったと思います。
企画・運営・発表者・参加者のみなさん、どうもありがとうございました。


私は、女性農業者の人生は選択肢が豊富だとずっと前から感じています。子育て、地域との関わり、嫁姑など世代間の関わり、そして仕事(農作業から経営まで、時には加工など)があります。これらの中から何に力を入れるのか、それぞれの考えで選択できます。ちょっと決断し頑張れば、バラエティーに富んだ中から選ぶことができるのです。

「女性を決定権のある場に」という話しの中で引き合いに出されるのは農業委員やJA組合員ですが、「議員」もぜひ選択肢に入れてください。これだけ幅広く活動している女性農業者ですから、普段の生活で感じたこと、考えたことを活かせる場だと思います。
(もちろん農業者に限らす全ての女性の選択肢に「議員」を入れておいて欲しいと思っています。)


今回たくさんの人がそれぞれの視点で話しをされました。その誰もが、自分の言葉で自分自身のことを語っていたのです。自信にあふれたその人の言葉は、真っ直ぐに私の心に入ってきてプラスの力を与え、新たな種をまいてくれたようです。

2011年01月21日

北海道中小企業家同友会南空知支部 2011年新年交礼会

昨晩(1月20日)岩見沢市ホテルサンプラザにて開催された「一般財団法人北海道中小企業家同友会南空知支部 2011年新春講演&新年交礼会」に参加してきました。初めて中小企業家同友会に参加させていただいたのは2010年の新年交礼会、ちょうど1年が経ったことになります。

今年の新春講演の講師は、福岡県にある(資)若竹屋酒造場 14代目社長の林田浩暢氏。
社会経験を積んで自社に入社したときには債務超過の状況。会社を守るためには経常利益を出し、資金を調達しなければならない事態に。そこで、現場の実態を詳細に把握した上で様々な分析と実践を重ね、負債を減らしている現在進行形のお話です。

講演内容は経験談だけではなく、その裏にある経営改善の具体的手法や理論が熱く語られ、経営者として何をなすべきかが伝わってきました。また老舗の後継者であることによる家族の問題にも触れ、親近感と共感が湧きました。身につまされた会員の方もいたかもしれません。

林田さんが自ら学び、考え、行動した結果導いた一つ一つの言葉は、まるで魂を持ったように力強く私に入り込んできました。全てが正直であり、ブレる隙などない現実から生まれた言葉だからこその勢いなのだと思います。

以下に、私が記憶に留めておきたいと思った講演内容の一部を記します。
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『創業元禄12年、若竹屋は先祖より預かりしものにあらず・・・!
  〜挑戦!・・・「10年連続赤字・債務超過」からの脱出!〜

 講師:(資)若竹屋酒造場 14代目社長    林田浩暢氏


■入社時(約20年前)の酒業界の状況
・酒販店は免許制だったために、経営に革新のない状態。
 そこに量販店が進出してきた。
・酒販店の衰退にあわせ、蔵元(酒造業)である若竹屋の収益も落ちた。
・「買う気がない人に買わせる技術が営業」と営業セミナー等で教えられるも、商品は動かない。
・資本の違いにより、大手メーカーや量販店の攻勢に負ける。酒販店・酒造業とも追い込まれる。

■若竹屋の実情を知る(約15年前
・既に債務超過の状態。新規借り入れもできない=運転資金を自前で捻出しなければならない。
・利益が出ないのではなく、利益を出さない構造になっていた
・現場(製造、販売、管理)はマンネリ化、意識の低下が顕著

■会社存続に向けた取り組みの始まり
・細かい仕切書を全て見直し実態を把握、綿密な利益計画書(経営計画書)を作った。
 → 初年度僅かに黒字、翌年は黒字幅が大きく伸びる → 更なる経営改善(分析と行動)
・返済に必要な原資の確保が会社存続の絶対条件 = 経常利益の確保 → 下から作る計画

■下から作る計画=必要な経常利益を算出し、そこから固定費や変動費、売り上げを検討していく
・経常利益:返済の原資、将来展望【会社のビジョン】
・固定費 :会社内部の改善で賄えるもの【自助努力】
・変動費(製造原価など):対外的な交渉が必要。お願い。5カ年計画や見通しを語り理解を求める
             【他社との関係性。ビジョンの共有】
・売上げ :お客様が決めること。商品、顧客、地域、流通、営業など様々な要素の影響の結果
◎経営計画書には「会社にかかわるそれぞれのストーリー」が、数字という形を取って現れてくる

■経営改善で見えてきたもの
・企業理念は重要。しかし後継者にとって理念を創出するのは難しい。
 (創業者はやりたいことがあって起業した=理念がある。引き継いだ者との立場の違い)
・まずは「経営計画書(利益計画書)」。実施していくうちに理念や方針が見えてきた。
・理念が浸透していない会社は利益が出ない。
・理念や方針を浸透させたいなら、利益を出すことが最速の方法。

■経営者のやるべきこと
◎経営資源(人・物・金+情報・技術・他)をどこに投入すれば良いのかの決断
         = 会社の強みを活かすところに資源を投入すること
◎何かを削る決断 = 経営資源を捻出すること

■分析手法の活用
◎様々な分析法は決断の根拠、支援になる
◎分析過程・結果を共有することで社内の一体感が醸成 → 理念の浸透、経営方針の確立
・SWOT分析:強みと弱み(内部環境)、ピンチとチャンス(外部環境)を分析
・ABC分析 :何を削るかの指針
・移動年計 :分析対象(商品、顧客等)の状態の把握。変化の理由を分析することで活用。
・ポートフォリオ分析(またはPPM分析):2つの要素(若竹屋の場合は粗利率と売上高)を軸に
       分析対象のゾーン分け。ライフサイクルに当てはまる。資源投資先決定に活用。
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非常に明解で論理的かつ実践的なお話は、大変良質な経営セミナーでした。林田さんが精魂込めて発した言葉(エネルギー)を生きた資源としていかに活かすかが、参加者(経営者)の手腕や器量のような気がします。

これを(予算以外の)自治体経営に応用すると・・・
[経常利益:住民から信頼][固定費:職員のやる気・倫理・行動][変動費:経済状況、社会情勢、国や道からの予算配分、制度変更][売上げ:住民のニーズへの対応・・・]
求めるものも扱うものも数字に換算できないので、ちょっと考えたくらいでは答の出せるものではありませんね。

しかし行政改革の手法としてSWOT分析やABC分析、ポートフォリオ分析は活用できそうです(相当の発想と視点の転換は必要ですが)。またそれらを試行錯誤し検討する中で、行政内の理念も高まり浸透することでしょう。

講師の林田さんも債務超過というピンチに向き合い立ち向かったからこそ、社内の一体感や活力、関係業者や顧客との信頼関係、家族への理解などの結果がついてきたのだと思います。

ピンチはチャンス!  私は当事者です。自ら飛び込んで答えを導き、実践!

2011年01月20日

『空知シーニックバイウェイの可能性』勉強会

1月19日午後、岩見沢市で開かれた『空知シーニックバイウェイの可能性』と題した勉強会に参加してきました。

「シーニックバイウェイ」とは聞き慣れない言葉ですよね!

シーニックバイウェイとは、Scenic(景観のよい)Byway(脇道、寄り道)という造語です。道路(車での移動)からの視点による景観・自然・文化・などを題材にした観光ルートそのものを指したり、ルート上にある地域がそれぞれの魅力を掘り起こす地域活性化の取り組みを指します。

今回の勉強会は「空知フード&ワインロード計画」協議会・ケータリング部会が主催です。この団体は国土交通省の「建設業と地域の元気回復助成事業」からスタートした団体で、空知建設業協会の若手の会が中心とのこと。異業種や地域連携を深めて空知を元気にしようと、シーニックバイウェイの可能性も探っている雰囲気でした。

なので、空知全体から集まった参加者約50名の多くは建設業関係者ですが、他にまちづくり関係の団体、農業や行政関係者なども含まれていました。

以下に勉強会で印象に残った部分を記します。
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空知のヒト、モノ、アイデアを繋いで、新たな空知を創ろう! 空知シーニックバイウェイの可能性

『シーニックバイウェイ北海道の全道的取り組み
            〜着地型観光とシーニックバイウェイ北海道〜』
     一般財団法人シーニックバイウェイ支援センター    原 文宏氏

■現状
シーニックバイウェイ北海道は平成17年からスタート。
・平成22年末現在、9つの指定ルートと3つの候補ルートがあり
 (右の写真:北海道のよりみちドライブ情報[Byway]より)
 約350団体が活動している
・全国組織「日本風景街道」との連携
 (観光資源販売の拡大を目指して)

■シーニックバイウェイには3つの連携要素が必要
 例)大雪・富良野ルート(美瑛・富良野)・・・・・・・・・農業(地域)、農村景観、観光
 例)東オホーツクシーニックバイウェイ(知床)・・・自然遺産、環境保全、観光

■着地型観光のポイント
・着地型観光とは・・・現地集合、現地解散が基本。
           地域がプロデュース。体験・交流・学習が目的になることが多い。
           ボランティアやNPOなども含む、地域住民による企画や「おもてなし」
・きめ細やかで、多様な観光スタイル = マスツーリズムのビジネスモデルでは儲からない
・ニッチ(隙間)、ストーリー性、体験・交流 がキーワード

■着地型観光を進めるための具体策
・潜在的資源の開発(魅力再発見。資源の掘り起こし)
・地産他消(地域で穫れたモノを、他の地域や人に消費してもらう)
・地域住民との交流の場の提供
・まちづくり、地域づくりとしての視点
・環境や自然への配慮
・客観的なデータ収集(開発の基本。重要)

■着地型観光の具体例
・除雪ボランティアツアー:都会の若者が(参加料を払って)田舎で高齢者の除雪ボランティア。
             その後、地元食材を使った食事を地域の人と食し、温泉入浴や
             アートイベントへの立ち寄りなどを含んだバスツアー。
・国道よごさん(453)キャンペーン:洞爺湖の周りのゴミ拾いバスツアー(有料)。
             清掃後にカーボンオフセットとして植樹を実施。
・シーニックワイナリーツアー:浦臼のワイナリーで
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『シーニックバイウェイ活動事例〈支笏洞爺ニセコルート〉』
      えにわシーニックプロジェクト      久保 純一氏

■えにわシーニックプロジェクト
・恵庭市内での地域の魅力掘り起こしてビジネス(ツアー化)まで繋げる
・実質的に企画や活動をしているのは15〜20名
・イベント毎に、市内の高校や大学のボランティアや他の市民団体、観光協会や行政とも連携

■恵庭市の魅力(ガーデニング、渓谷、自然)→ 事業化(以下の3つ)
◎ガーデニングマップ制作
 ・オープンガーデンをしている個人宅(個人名)が掲載されたマップの作成
 ・好評だったが、トラブルもあった(間違いや苦情、他)
 ・改善しながら制作 → 現在は環境協会と行政が資金支援して制作されている

◎ガーデニングツアー(大型バス1台45名で巡る。課題は多いが解決しながら進めている)
 ・人が集まらない → 札幌をターゲットにして解決。手身近だけではムリ
 ・一度に全員が食事を取れる店がない → 2軒に分けて対応。今は大型施設あり
 ・市内ガーデニングイベントとタイアップ
   → 失敗(ガーデナーさんが自宅にいない。イベント参加者が減る)
 ・住宅街に大型バスが乗り入れることによる問題
   → バスを小さくする・・・参加費収入が減り赤字
     大型バスは駐車場に置き、グループで分散ツアー・・・ガイドの人数必要
 ・利益がない → 今も悩むところ

◎紅葉ツアー
 ・渓谷近くの広い場所を利用してスタッフが料理を作り、みんなで一緒に食べる
 ・屋外や大人数での食事は、特に年配の人に喜ばれる
 ・新聞記事による広報・広告活動は強力。メディアの活用重要。
 ・45人の大型バスに対し、スタッフ50名ほど。現状ではとても商品にならない。

■活動のポイント
・食べることは喜び・・・食事のないツアーは魅力半減
・お土産が買えることもバスツアーの魅力
・シーニックは定義がない分、やりたいことが何でもできた
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数年前にもシーニックバイウェイの勉強会に参加したことがあったのですが、その頃より具体的事例が報告され、シーニックバイウェイが目指しているものが少し理解でき、裾野の広がりも感じました。

シーニックバイウェイの要素としての着地型観光が紹介されましたが、着地型観光といえばグリーンツーリズム。空知管内でも既に「そらちDEい〜ね」という組織があり精力的に活動していますし、月形町もその一員として広がりを見せています。
またフットパスも「歩く人の視点」ですが、シーニックバイウェイと同じコンセプトで活動しているように感じます。こちらも道内の様々な地域で進行しています。

シーニックバイウェイ、グリーンツーリズム、フットパス・・・いずれも地域の資源を地域の人が認識し、活用してこそ成り立つもの。その動きは各地で細かな点として始められています。それらが有機的に繋がる(有用に連携する)には、今以上に組織の壁(組織の成り立ち=担当官庁、業界)を超えなければならないでしょう。

しかし発想を転換すると・・・地域の魅力を再発見しさえすれば、様々な手法や媒体を使って広める下準備はできていると言えます。シーニックバイウェイ、グリーンツーリズム、フットパスも、そのツールなのではないでしょうか。

まずは地域資源の掘り起こしが何よりも先決ですね。月形の魅力を掘り起こしましょう。

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