2008年02月01日

気象台調査官が語る「南極の今、北海道の未来」

ほくでん環境講演会 気象台調査官が語る「南極の今、北海道の未来」(主催:北海道電力 2008.1.31 札幌)に行ってきました。講師は札幌管区気象台調査官の岸隆幸氏で、南極越冬隊として第33次隊('91〜'93)、第39次隊(’97〜'99)に参加された経験を交えての内容でした。

南極のお話の中、私が興味をひかれたのは

○南極では雪は雲から降ってくるわけではない。ダイヤモンドダストが降り積もっていく。

○地球の過去状態は南極の氷床に取り込まれた大気を分析することによってわかる。成分分析で二酸化炭素の濃度変化、酸素の同位体分析で気温の変動。

○雪上車の排気ガスがそのまま雲になり、いつまでもそこに存在しているのが見える。
(日本では排気ガスは空気と溶け込み、すぐに見えなくなってしまう。車を乗ることで排気ガスを作り出しているという事実が実感としてないが、南極では目に見える形で存在を認識する。)

○オゾンホールが極地にできるメカニズム
(南極周辺は気流が同心円状なので冷え始めるとどんどん冷える→極低温状態になると極成層圏雲が発生し塩素が貯まる→オゾンが分解される→オゾンホール)
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最後に岸さんから伝えられた言葉

『南極は、無(限られた人と物)から無限が生まれるところ』
限られたモノしかない状況で、人は工夫し知恵を出し合って目標を達成してきた

『自然が無垢だから理解できることがある』
色々なモノ、便利なモノがあふれていると気づけなくなってしまうし、理解もしにくい

『快適な生活はどこまで必要なのか』
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私は南極には行ったことがありません(もちろんです)。ただ、山登りが好きで家族でテント泊などをします。
自分達の背負える分の食糧や道具しかない中で、いかに快適に長期間過ごせるか、知恵と工夫のしどころです。そして毎回色々なことを気付かされます。
岸さんのお話に、多いに共感できました。

私達が何かを『気付く』ためには日常と違う世界を体験することが有効なのかもしれません。
その発想から、地球を愛する会@月形は『キャンドルナイト』を実施してきたのですが、一歩進めてみてはどうかと思います。
1日限定で『50年前へ、タイムスリップ』つまり昭和35年ころ。電化製品も車もほとんどない時代を想定し、その日だけはそれを使わない生活をしてみる。
1日だけなら何とかできそう? 
町ぐるみでできたら、きっと新しい視点と行動力を手に入れられると思います。

2008年01月26日

月形・新規就農者の会

今日は1年に1度の「月形・新規就農者の会」がありました。

と言っても仰々しいものではなく、月形町の新規就農者が集まって色んな話をしようというものです。会場のセッティングも内容もその時の幹事さんにお任せで、今回は近くの会館に女性陣だけが集まっての茶話会形式となりました。現在月形町にいる新規就農者は10組、うち8人の奥さんの出席でした。

子育てと仕事の両立、子供の教育、夫との仕事の分担、作目、作業手順、地域の情報・・・。

普段別の場面でいっしょに活動している人もいれば、この会の時しか会わない人もいて、話題がなかったらどうしようと心配していたものの、話しを始めると次から次へと話題が広がり、2時間半はあっという間でした。

私が月形に来てからすでに14年、新規就農では一番の先輩です。他の人の話を聴きながら、懐かしさと最初の頃の情熱を思い出していました。色んな事があったけど通る道は同じなのかな、なんて。
結局新規就農者って、夫婦二人で決断し、問題を解決していくしかないんだなあと。

それから私たち月形の新規就農者の誇りは、今まで離農した人がいないこと。こうした仲間もそうですが、地域の方達が私たちを受け入れ助けてくれるお陰だねと、そんな話しで解散になりました。
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現在月形町では来年度の新規就農者(2組)を募集しています。詳しくは月形町のHPへ。

2008年01月24日

サケの仔魚(しぎょ)

月形町役場の玄関に2つの水槽が置いてあるのをご存じですか?
そこには「サケの仔魚(しぎょ=お腹にオレンジ色の卵黄部分を抱えている状態の魚)」が沢山います。
 
風除湿に置かれていた頃は寒さにじっと耐え、時折動く程度でしたが、玄関内に移動され水温が上がるやいなや元気に泳ぎ回り、身体もぐっと大きくなっています。
※ある情報では、今日、また風除湿に戻されたそうです。

私が最初に気がついたのは12月の終わり。
パッと見に「オレンジ色の物体」が水槽のそこに並んでいる感じでした。

そして1月の初旬。オレンジ色が半分になり黒い尻尾が目立つようになり、
一見、オタマジャクシのようでした。

そして2,3日前。
一つの水槽の仔魚はほとんど魚の形となり、スイスイと水槽の中を泳いでいるではありませんか!!
えさを食べ始めたのか? 稚魚と呼んでもいいくらいです。
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このサケは、恵庭市の道立ふ化場から「発眼卵(卵の中に目が見える状態)」をもらい受けました。役場だけでなく町内の小学校や保育園でも育てています。
役場庁舎内で育てているものは水温調節が難しく、生育適温の8℃(水温)を維持するために場所をあちこち変え、育ちすぎないように調整しているそうです。ちなみに、私が風除室で見たときは水温1℃、玄関内で見たときは10℃。担当者のご苦労がうかがえます。

それから水槽の水は、町内知来乙の名水を使っているとのことです。とても美味しい湧き水ですが雪深いところにあり、これまた担当者のご苦労が想像できます。月形の水のおいしさをしっかり記憶に留めて、戻ってきてくれたら・・・嬉しいですね。

ちなみにサケは放流後海に下り、2〜8年後に戻ってくるそうです。もし2年後に戻ってきたら、その年(2010年)は月形町の開町130年!! 素敵なロマンですね〜。
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今回もらい受けたこのサケは、千歳川を上って恵庭市のふ化場で捕獲されたもので、月形を流れる須部都川と同じ石狩川水系で採取されました。自然保護の関係から同じ水系のものを放流するようにしていて(遺伝子が混じり合わないように)、岩見沢市や旭川市でも同じふ化場で採取された卵を育て、放流しています。みんな兄弟なんですね。

それから、須部都川の奥までサケが戻るには河川改修(魚道の整備)などの課題が残っています。

たかがサケ、されどサケ。

サケにかかわることで、環境や地域、生物(遺伝子)、建築土木など様々に興味が広がり、まさしく「生きた教材」だと思いました。

2007年12月25日

月形観光協会クリスマスイベント

「12月25日(火)役場前駐車場にてクリスマスイベントを開催します。」
こんな新聞折り込みが入ったのは先週のこと。
そして今日の午後3時半、その時となりました。

このクリスマスイベントは月形観光協会の主催で、今年初めて催されたものです。

前もって配布された折り込みチラシには『各家庭で製作したアイスキャンドルをご提供していただくと、小学生以下のお子様にはサンタからクリスマスプレゼントが当たります!』という案内と、裏面にその作り方が書いてありました。


15:30 〜 アイスキャンドル設置開始
15:40 〜 アイスキャンドル、スノーキャンドル点灯
15:50 〜 かぼちゃスープの無料配布
16:00 〜 イルミネーション点灯式、クリスマスプレゼント配布


会場脇では観光協会の方が炭をおこし、月形産のかぼちゃで作った缶入り「かぼちゃスープ(試作品)」を温めて配布してくれました。炭の暖かさは冷えた身体をホッさせ、かぼちゃスープはお腹も心も満たしてくれる濃厚な味で美味しかったです。
観光協会の方々のお心遣い、ありがとうございます。とっても有り難かったです。

今回のイベントの認知度が低かったせいか参加者の数はまばらでしたが、素敵な灯りのモニュメントが出来上がりました。アイスキャンドルやスノーキャンドルは融けて崩れるまでの限定品ですが、メタセコイヤの木に取り付けられたイルミネーションはしばらくの間、冬の夜空に彩りを添える予定です。
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「まちづくり」という観点で言えば、こういう手作りの新しいイベントが企画・実行されたことだけでも朗報です。特に今回の企画では「各家庭で作ったアイスキャンドルを持ち寄って、大きなものをつくる」という参加協力型の発想が素晴らしいと思いました。

冬至のキャンドルナイトもそうですが、小さいながらも様々な「まちづくり」の芽が月形町内で出てきています。これを育てるためには「町民の参加」が欠かせません。どうやれば参加してもらえるのか、内容や方法、時間や時期、場所など検討する必要があります。が、何よりも
『参加しないより、見るだけより、一緒に作り上げる方が楽しいよ』
というメッセージを発信して、「行動する町民」が増えることが一番だと思います。
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蛇足ですが、イルミネーションに使われている電球は黄色が豆球(白熱球タイプ)、青がLED(発光ダイオード)です。ゆくゆくは全部LEDになるでしょう。

2007年12月24日

2007冬至 キャンドルナイトin月形

12月22日冬至。キャンドルをモチーフに環境を考えるイベント「キャンドルナイトin月形」が、月形町知来乙小跡地の「ちらいおつ遊び塾」にて開催されました。

私も所属する「地球を愛する会@月形」にとって、このイベントの開催は今年の夏至に次いで2回目ですが、今回は空知支庁の「移動エコラウンジ」と一緒に、ちらいおつ遊び塾の協力も得られたので、企画から当日に至るまで大人数でじっくりと取り組むことができました。大人数になったとはいえ、「一人ひとりがイベントを作り上げる」「一緒に楽しむ」という精神はそのままで、手作りの温かいイベントになったと思います。
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さて当日は、15:00〜 第一部「スノーランタンとミツロウキャンドル作り」を、空知支庁の移動エコラウンジの方々が指導してくださいました。

スノーランタンはバケツと一升瓶さえあれば誰でも簡単にすぐにできるので、次から次へ作り続け、あっという間に会場の周り一杯になりました。日が落ちてくるとランタンからこぼれる灯りが道のようで、とても素敵な光景でした。みんなで一緒に作ったからこそアッという間に出来たと思うと、喜びもひとしおです。

ミツロウキャンドルは、溶かしたミツロウ(滝川市の養蜂家から入手・地産地消)にロウソク芯を浸けては出し、浸けては出して作ります。根気のいる作業ですが、手を動かす度にロウソクが育っていくのはとっても楽しく、大人も童心に返ってはしゃいでいました。キャンドルは直径2cmくらいの雫型になったところで完成です。
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dai2bu.jpg18:00〜 第二部は「キャンドルナイト」です。元体育館の会場にロウソクの灯りが映えるなか、フルートとピアノの演奏(岩見沢市の中学生による)で幕が開きました。優しい調べとともに、大きな「かまくら」のような不思議な空間の出現です。
耳に残る「ユポイ ヤイヤ エーヤ」の歌と手遊び、環境クイズ、全員で合唱した「大きな歌」。時間とともに会場内が一体化していくのを感じます。
この後、第一部で製作したミツロウキャンドルに火を移しながら、環境について一言話す自己紹介。ゆったりと流れる時間の中で、日ごろの生活を見つめるちょっとした「きっかけ」になりました。
そして「静粛の時間」。リラックスした体勢で目を閉じ、五感をとぎ澄まし、自由に思考をめぐらす時間。途中に朗読(「世界が100人の村だったら」「ハチドリの一滴」)もあり、最後はユーフォニュームの静かな音で目覚めました。

最後に恒例の「手形押し」。大きな白い布に、キャンドルナイトの度に色を変えて手形を押していきます。今回は黄色。いつかこの白い布が色とりどりの手形でいっぱいになり、「記念の旗」が完成するのが楽しみです。
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大きなイベントをやり終えて、満足感と心の安らぎを感じます。

仲間がいたからできたこと、
一緒にいたから感じられたこと、
限られた灯りや音しかなかったから見つけられたこと、
「キャンドルナイトin月形」から、沢山の恵みをいただきました。

こういう豊かでゆっくりとした時間がいつまでも持てますよう。
世界が平和で、穏やかな暮らしができますよう。

祈るだけでなく、行動していきたいと思います。

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