2019年10月29日

続報3 浸水米の搬出【台風19号被害】

昨日(10月28日)午前、「バイオマスレジン南魚沼」のみなさんが新潟県魚沼市から実家の栃木県鹿沼市まで、大型トラックで浸水米を引き取りに来られました。新潟県と栃木県は遠いと思っていたのですが高速道路使用で2時間程とのこと。案外近くて驚きました。
 
それから、新潟県の地元テレビクルーや地元新聞記者なども同行していて賑やかだったそう。「バイオマスレジン南魚沼」さんは注目のベンチャー企業ですし、災害時の広域支援や資源循環の新しい形として話題性と可能性を見いだしたのだと思います。報道によって認知が進み、経済活動の一つとして確立できたら・・・多くの人がWinWinになれるでしょう。この動きに期待しています。
 

写真はその時の様子を弟が撮影したもの。
■1枚目:「バイオマスレジン南魚沼」の社員さんが、使える米をフレコンに詰めているところ。社員6人と大型トラックで来てくれた。
■2枚目:手前に写っているのが「お米のプラスチック」を使用した「自治体指定ごみ袋」
■3枚目:浸水米はカビが生えて、ところどころ塊になっている。一部進行している部分(中央部の緑色)は胞子の拡散が始まっている。
 
発災から2週間経過して、浸水米の一部にはカビが生えて変色していたり、積み重なった中央部は発酵してかなりの熱をもったりと変化していたとのこと。当初の引き取り予定から1週間遅れた影響が出ているようです。生ものである“米”を資源化するにはスピードが大切だと改めて感じました。
 
作業を開始した「バイオマスレジン南魚沼」のみなさんは浸水米の使えそうな部分を漉くってフレコンに詰めていきました。約3時間の作業で4トン程を詰め終え、正午近くに帰られたとのことです。
 

と、ここで数字の訂正。
当初「倉庫には3トンの米があった」と書きましたが、実は21トンもの米があったそう! もうビックリです。そのうち2/3は被害がなく食用米として販売できたそう。浸水米となったもののうち4〜5トンは「お米のプラスチック」として再利用(無償提供)、そして残り(3〜4トン)は泥やカビなどとの分離が難しいので廃棄(堆肥化)となりました。
 
弟が「経済的な損失は確かに痛いけれど、それ以上に辛いのは、せっかく作った米が何にもならずに廃棄されること。俺の仕事がなんだったのかな〜と思った」と。普段から明るくて前向きで物事を割り切って考えられる弟は、父とは反対の性格です。その弟も父と同様、農業を愛してる根っからの農家なんだなあと。この精神的ダメージを回復するには相当の時間がかかると感じました。

2019年10月27日

愛知県飛島村の小中一貫教育、飛島学園【月形町議会視察研修】

10月25日(金)午前に、愛知県飛島村で「小中一貫教育」について学んできました。
 
飛島村は人口こそ4,800人と小さな自治体ですが、財政力指数が2.15!(ちなみに月形町は0.16)その違いは歴然とあるのですが、子ども達の教育に対する考え方や取り組みはとても参考になるものでした。
 
飛島村が小中一貫教育を検討し始めたのは平成15年のこと。東海地震の対策強化、町長の政策と相まって、小中学校の在り方が検討されました。(当時は平成大合併の最中。合併をしない決断をしたこととも関係している。また、伊勢湾台風で人口の1/30が死亡した歴史も関係)

小中9年間ほとんど同じ仲間との生活・環境から来る課題を解決するには小中一貫教育を取り入れた学校体制づくりが必要だとなり、
1)平成18年4月〜 既存の学校を用いた施設分離型の小中一貫教育校
2)平成22年4月〜 校舎新設で施設一体型小中一貫教育校・飛島学園
3)令和2年4月〜 更なる発展として義務教育学校・飛島学園になる予定
 
1)→2)の段階で「求める教育を行うにはどのような校舎が必要か」を12回の関係者ワークショップで詰めていき、その内容は逐一通信にして村民に周知していったとのこと。教育行政側が主体になって小中一貫教育を進めるものの、村民との情報共有と相互理解に重点を置いているところは、様々な「先進地」に共通しているところでした。これらは、今、全国各地で展開されているコミュニティスクールとは別の手法ですが、地域との繋がりを保ちつつ子ども達を中心にした教育を展開する実践だと感じました。
 
2)の段階では施設は1つで有るものの、法律の関係で小学校と中学校という区分が存在、校長も2人いる形。それをより一体化することを村長は文科省に働きかけ、6年越しでようやく、3)の段階(1〜9年生という概念の)義務教育学校になるとこのと。
理想に向けて努力を重ねる現場と行政の姿がありました。
 

今回「飛島学園」の現地視察もあり、工夫を凝らし理想を形にした校舎も見せていただきました。木をふんだんに使い、ゆとりのある後者は気持ちが良いでしょう。財政が厳しい月形町で同じものはできませんが、この校舎にこめられた思想は汲み取ることができます。とても参考になりました。

■写真1枚目:飛島村の小中一貫教育について久野村長から説明を受けた。村長の右手は伊藤議長、左手は田宮教育長。

■写真2枚目:移動しながら説明を受けている様子。オープン教室の端が広い廊下になっている。木がふんだんに使われて明るい。

■写真3枚目:中庭は「上履きのまま」遊べるように、デッキやタイルを使って教室と同じ高さに。短い休み時間でも外で遊べる工夫。遊びを大事にしていることに共感した。

■写真4枚目:1階から2階に階段でつながる「メディアセンター(一般的には、図書館+パソコン室)」。階段状のオープンスペースにすることで初等部から高等部まで自然な交流が図れる。学校司書1人配置。
 
当日は台風21号に触発された低気圧の影響で、愛知県は大雨が降り続く最中、飛島村役場や村議会、飛島学園のみなさんにはとても丁寧に対応して頂きました。ありがとうございました。

2019年10月23日

奈良県上牧町のまちづくり基本条例【月形町議会視察研修】

今朝5時前に北海道月形町を出発して、月形町議会一行は空路関西へ。午後1時半から奈良県上牧(かんまき)町で「まちづくり基本条例」について学ばせていただきました。

上牧町は、平成22年に「まちづくりの基本原則は、情報共有と参画協働」と定め、町民と議会と行政が策定委員会を作って議論を始めました。この時の委員は25人、うち一般公募が14人! その構成にも驚きましたが、3年間で73回の会議を行って徹底的に議論を重ねて「まちづくり基本条例」の基礎を作ったということにも驚きです。言葉の定義を明確にすることや意思統一の方法を議論するなど、真剣さと熱量の高さに圧倒されました。

その後、人数を12人(一般公募5人)に絞った制定委員会を立ち上げ、13回の議論とパブリックコメントやシンポジウムなども開催して、平成26年に「まちづくり基本条例」を完成させました。

現在は、まちづくり基本条例が機能しているか、「説明責任と適切な評価」にも力を入れていて、PDCAサイクルを活用して見える化し、町報で公開することで町民との情報共有に努めていました。その質と量はスゴイの一言。また、資料で頂いた「上牧町まちづくり基本条例・逐条解説」も素晴らしい! そのエネルギーと努力にも驚かされました。

その原動力はどこから来ているのか…
実は、上牧町は平成20年頃に財政健全化団体に指定されるほど財政がひっ迫していたそう。その現実と危機感が町民を動かし、そのことをまちづくり基本条例の前文に書き込んで戒めとしています。その潔さと覚悟にも感動しました。

人の想いは社会を変える!
技術的なこともありますが、やり抜くことの大切さを教わりました。

上牧町の議会や行政のみなさんには、とても丁寧に視察対応していただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
熱が伝わって燃えてきました! 私もこの地で頑張らねば!!

2019年10月18日

続報2・浸水米 行き先決定!【台風19号被害】

おかげさまで、浸水米の行き先が決まりました。
「バイオマスレジン南魚沼」に引き取っていただき「お米のプラスチック」に活用されます!
 
みなさんに色々な形で助けていただいたおかげです。
ありがとうございました。
みなさんの温かな気持ちと行動に感謝しています。
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今朝、いただいた情報をもとに「バイオマスレジン南魚沼」に連絡を取り、状況を説明しました。米の状態、運搬コストや輸送状況なども含めて確認し、最後は実家の弟と先方が直接やり取りして話がまとまりました。
 
先方から数日中にトラックが来て、浸水米の上部の乾いている米(全体の7〜8割)を無料で回収してくれるとのことです。
なお、床近くで今も湿っている部分は泥が混じっているので使えないとのこと。その部分は自前で堆肥化することになりました。
 
弟に話しを聴いたら、当初の米の量は3トンどころではなかったよう。今となっては細かな数字を聴いてもしょうがないので、これらの米がそれぞれに行き先をみつけられ、活用されることを喜びたいと思います。
 
発災から6日目、家族には疲れも出てきていますが、毎日物事が着実に進んでいるので大いに励まされているよう。たくさんの方に助けられている毎日は愛にあふれ、感謝しかありません。ありがとうございます。
 
※ 写真は現在の倉庫の様子。浸水した米袋は破れやすくなっていて、持ち上げると米がこぼれてしまうそう。このままの状態で迎えが来るのを待っています。当初のような乱雑さがなくなって落ち着いた雰囲気になりました。

2019年10月17日

続報・浸水米【台風19号被害】

1つ前の投稿に、たくさんのシェアとコメントとアイデアをありがとうございました。
状況が進展していますので、先程より詳しい状況をお知らせします。
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今日、倉庫に入れるようになったあとのこと。
 
米袋(玄米)は1袋30kg。荷崩れを起こしているので素人では運び出すのも至難の業。そこにプロ集団(民間の米取引業者)が心配して駆けつけてきてくれたそう。米の状態を見極め、水に浸からなかった米を救出してくれました。
 
床近くにあった米は、米袋の中も泥水が入っていて、しっとりと吸水していて即廃棄状態。その上に乗っていた米は袋に多少の汚れは有るものの、中身はサラサラとしていて問題なさそうに見えるけれど・・・ 一度水に浸かった米はカビるので食用にはできない。(浸水した可能性も含めて)廃棄の対象に。
 
そんなこんなで救済できた米は全体の1/3。
倉庫に残ったのは2トンの米。
 
農業法人経営者である弟2人で協議。2トンの米は何かに活用できれば使ってもらいたいけれど、そうでなければ廃棄することに。(廃棄=堆肥場に運んで堆肥化。もしくは、米のまま田んぼに撒いて自然肥料化)
 
もう廃棄することも覚悟したので、これ以上ここに手間をかけないと決定。つまり、米がカビるだろうけれど他の作業が終わるまでこのまま放置するということ。まずは今すべき作業を優先。機械や車の修理、田んぼに入ったゴミの片付け、○○の刈り取り、麦蒔き・・・ 並行して自宅の片付け。
 
秋は農作業の最盛期で本来は仕事が目白押し。そこに被害の片付けも加わったのでやるべきことはたくさん。でも、できないことも大量にあるので、諦めることもたくさん。とにかく経営者として優先順位をつけて、少しでも損害を減らし稼げる策を講じています。
 
みなさんから寄せられたアイデアの中で「株式会社バイオマスレジン南魚沼」は水没米も活用してくれるとのことなので、早速明日連絡を取ってみます。

みなさんからのアイデアや励まし、とても嬉しかったです。
ありがとうございました。

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