2007年10月15日

月形学園施設見学会

10月13日(土)の午前、「月形学園施設見学会」に行ってきました。この見学会は年1回、施設を一般に一部開放するもので、今年で4回目です。

月形学園は短期(概ね5ヶ月)入所の少年院で、昭和48年に設置されました。月形学園という名称と、オープンな施設の雰囲気(敷地を仕切る柵はほとんど目立たない)に、月形に移り住んですぐの頃はここが少年院だと気付きませんでした。それくらい月形ではごく自然に馴染んでいる施設です。

学園内では少年の作品展示(貼り絵、習字、木彫など)や、学習・生活の様子を示したパネル等があり、また施設内の案内も行われ、それぞれの場面で職員の方の丁寧な説明がありました。

月形学園には概ね14歳〜20歳未満の男子が入院しています。入院した少年達はプログラム(短期生活訓練過程、短期教科教育課程)に従って約5ヶ月間の教育を受けますが、そのプログラムの中に地域の人が先生となっている授業(珠算、習字、木彫、講話)がありました。また更正婦人会(地域のボランティア団体)の皆さんが様々な行事で子供達と関わり、家庭的な雰囲気を提供しているということです。

施設内を見学させていただいて、窓の鉄格子が思いのほか気にならず、明るい雰囲気になっているのに驚きました。それは窓と鉄格子の間に空間が取ってあること、鉄格子の模様が工夫されていること、部屋に光がふんだんに取り入れられ明るいことなどが関係していると思われます。外から見るのと内部では違うものだなあと改めて感じました。
それから寮生活では刑務所と違って、束縛感がありませんでした。夜間、寮の入り口は施錠されるものの各部屋の錠はなく、トイレも自由に行けるそうです。ただ寮の周りを終夜監視しているので、ルールに則った生活態度が必要です。自由ではあるけれど自律の求められる生活は普通の子供でも難しいものです。かなり厳しい訓練ではないかと思いました。

見学会の最後にアンケートがありました。「見学を終えて、月形学園の印象は?」の問に、たくさんの選択肢からイメージに合うものを選ぶのですが、私は「明るい」「きれい」の様な、良いイメージの言葉を選びました。
一方、一緒に行った息子(小5)は「怖い」「暗い」「厳しい」という言葉を選んでいました。
同じものを見、説明を聞いたのに、こうも印象が違うのには驚きました。子供にとってはいくらゆるい束縛といえども、自由を奪われることがかなりのストレスになるのだと再認識させられました。

今回の見学で、少年院のような特別な施設であっても、地域の協力や力が重要で、かけがえのないものなのだと感じました。月形には刑務所もあり、様々な境遇の人々が人生のひとときを「月形」で過ごしています。地域が関わることで「月形での生活」に少しでも潤いを感じてくれたら・・・そんなことを考えました。


どうか月形学園を出院した子供達が普通の生活ができますように。そして願わくは幸福な人生が送れますように。

2007年10月07日

第14回 友朋祭

本日、町内にある障がい者施設「札親会 つきがた友朋の丘」のお祭りがありました。
友朋の丘は市街地近くにあるので、数ある施設のお祭りの中で町内からの参加者が多いところです。子供から年配の方まで、多くのお客さんでにぎわっていました。

出店では、同施設で生産されている「友朋のゆめたまご」を使った新作「ゆめたまごプリン」や、同じく生産している椎茸を使った「椎茸のバター焼き」、生産小豆を使った「白玉ぜんざい」、生産そば粉を使って「そば打たん会」が打った「そば」など、『友朋の丘、地産地消、宣言!』にふさわしく、盛りだくさんでした。
そうそう、地元町内会出店の「綿あめ」も大盛りで大満足でした。


町内の色々なお祭りに参加してみて感じることですが、どのお祭りにも沢山の人達が関わり、ある時は催す側として、ある時はお客として参加していて感心します。みんなが裏も表も知っているからこそ、マナーを守り、心配りをしながらお祭りを充分に楽しんでいるのでしょう。子供達もそんな大人の行動を見、そしてお手伝いしながら育っています。

これこそ地域力! 小さい町のいいところです。

2007年09月27日

月形小学校 研究授業

今日の2校時に自校教員のみの研究授業が行われ、私も見学させていただきました。

研究授業は4年生の国語の授業で行われ、説明文の要約が課題です。
音読をした後、段落ごとにキーワードを抽出し、100字を目標に要約文を書いていきます。最後に数人が発表し45分の授業が終了しました。
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字数制限のある要約文の作製は大人でも難しく、高度な授業に驚きました。
午後の研究協議で教職員同士の議論や指導主事からの助言があるそうで、どんなやり取りがあるのか(私は参加できないのですが)興味深いです。

先週は複式校、今日は単式の授業、様々な形態の授業を見る機会がありました。教室は子供と教師の密室で、ともすれば担任教師の独りよがりになってしまう可能性がある授業を、このような研究授業を通して高め合っている学校や教育行政に好感を持ちました。
また、教職員だけでなく保護者や地域の教育力や地域力向上のために、同じ町内に形態の違う学校があることを最大限活用していけたらと思います。そのためにも教育委員会や議会、保護者の役割は重要だと感じました。

私はこの教育環境をより良く発展させるため、関係者や一般の人達が、地域(学校区)の枠にとらわれることなく各学校を気軽に行き来できるような仕掛けを考え、実践していきたいと思います。まずは子供達の交流がポイントになるでしょう。

2007年09月26日

2007年度地方自治土曜講座 9月22日第5回講座

テーマ『格差を超える』

■ 第一講 「『格差社会』の現実と背景」 ジャーナリスト 平舘英明氏
・ 郵政民営化に見る格差社会 
  過疎地域の集配局集約で、身近な局が無集配の窓口局に
   → 配達距離が長くなることにより役場の支所的役割ができなくなる
      → 利用減 → 廃止 → 住めない
・ 交通(国鉄民営化での廃線)、教育(道立高校の統廃合)、医療(公立病院)も
  同じ構造(公益性より効率、収益)で進んでいる
・ 労働市場に広がる賃金破壊
 (スポット派遣、ワーキングプア、ダブルワーク、自営業者、農業者)
・ 「小さな政府」は社会保障制度の解体
 (生活保護、母子家庭加算、就学援助、障がい者自立支援法)
・ 社会保障を縮小させる「小さな政府」の一方で、増殖する「大きな政府」
  ——市場原理主義、国防強化、警察の増大

■ 第二講 「地域格差社会を超えるための自治体の役割」
              北海道大学大学院法学研究科 宮本太郎氏
・ 格差:今ここにある不公正 = 空間的不公正+歴史的不公正
・ 日本には福祉国家と違った、格差を生まない仕組み(日本型生活保障)があった。
  これが崩れ、保証が薄い若者に大きな影響が出た → 格差
・ 格差解決のイメージ)地域社会に架ける「4つの橋」:北欧との比較
  日本は危うい橋で一方通行。北欧はしっかりとした橋、行きつ戻りつできる。
・ 人と人との結びつきこそが問題解決の糸口
  信頼関係が強くなればコストがかからなくなる(例:警察)
・ 所得保障より、みんなが働ける環境を作ることが大事では

■ 第3講 パネル討論「北海道における脱『格差社会』への戦略」
  司会 :樽見弘紀氏(北海学園大学教授)
  討論者:平舘英明氏、宮本太郎氏、高原一隆氏(北海学園大学教授)
・ 地域を元気にする=社会関係を強化することがより良くなるポイント
  信頼関係の厚い、地方の方がポイント高いのではないか
・ 地域施策の主体は誰か?
  公が作った案にNPO等を乗せるのは上手くいかない
・ NPOの認識が薄い → NPOの幻想を取り除かなければならない
  特に自治体職員の意識改革(NPOは安上がりの行動隊ではない)
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今回の講義の中で「信頼関係が強くなればコストがかからなくなる」という発言がありました。田舎に住んでいる私としては、全ての生活コストが押さえられるのを実感します。治安コストは言うまでもなく、食糧コストは物々交換で、運搬コストは乗り合わせで、他にもたくさんあります。ですから、「地域格差」を感じる場面はあっても、実際は数字よりも少ないのではないかと考えられました。価値観の違いで解決できる場面もあるのではないかとも思います。
それに引き替え、同じ地域内での格差はより深刻さを増しているように感じます。同じ価値観で生活していれば価値の違いは歴然で、物質的格差+精神的格差が生じるためだと思います。
「格差」と一括りにせず、格差の原因を慎重に見極める必要性を感じました。よって格差是正の施策も場面によって異なり、オリジナリティーの必要性があると考えます。何事も中央集権的でなく、地方分権の時代になっていくのでしょう。

2007年09月25日

2007年度地方自治土曜講座 8月25日第4回講座

テーマ 『自治体財政破綻からの脱出』

■第一講 「財政危機からの脱出と地域の再生」  京都女子大学教授 橋本行史氏
・国が地方を助ける方法は、公共事業以外にもあるのではないか
・夕張市の財政破綻の原因は?
 (首長、職員、監査委員、議員、住民、マスコミ、学会、金融機関、道、国)
 全てのプレーヤーが地域振興を望み一体化(利害の一致)してしまった。
  → チェック機構が働いていない。ガバナンスの欠如。
    皆が関わっていると守りきれない。
・市民運動だけで地域を支えることはできない
 (ボランティア団体が活発化し、意識改革には良いが力不足 → 行政の役割が重要)
・今後の自治体経営とは、方向性(ビジョン)を示すこと。
 小さな資源のつなぎ合わせ、小規模成功の積み重ね、暮らし都市や生活都市の発想

■第二講 「政策選択と予算配分ー政策財務の視点から」 法政大学講師 加藤良重氏
・決算カード(決算状況のわかるもの。総務省HPから見ることができる)
・横並び主義(先送り体質)を脱却しないと経営改革はできない

■第三講 パネル討論      ※ 所用のため不参加

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今回の講義の中で最も印象に残ったのは、夕張市の財政破綻の要因分析で「そこに関わるオールプレーヤーの利害が一致してしまうとチェックできない、守れない」という点です。議会の一員として行政を監視する立場である私も、ともすると陥ってしまう危険があるのだと気付きました。常に様々な視点で物事を見つめ、素直に声に出していかなければと、再認識し、気が引き締まりました。

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