2007年度地方自治土曜講座 6月30日第2回講座

テーマ『市民の安心、安全をどう守る ーー自治体福祉政策の課題』

■第一講「医療・福祉制度改革と市町村の役割」 新潟大学法学部教授 加藤智章氏
・年金=規模の利益、できるだけ大きい方が良い
・医療や介護=小さなレベルできめ細かく。組織体としては小さい方が良い

・日本は世界の中で比較的早い段階で健康保険の制度を取り入れた。
 その後、制度改正を進めるうちに複雑になっていった。
・制度構造の急速な変化(1.総人口減少と少子高齢化、2.非正社員化)により
 他の国では経験していない問題が発生 → 新しい制度等の必要性

■第二講 「北海道における医療と介護問題ー自治体の課題をめぐって」
                北星学園大学社会福祉学部教授 杉本直人氏 
・北海道の医療、介護などの現状報告
・小規模多機能型居宅介護のモデル紹介

■第三講 事例発表「行政と社協が連携した地域福祉ー権利擁護事業」
                南富良野町保健福祉課課長補佐 東 啓二氏
・町の現状(過疎化、高齢化)から、地域福祉を担う社協への支援が不可欠
・行政が地域福祉計画を、社協が地域福祉実践計画を策定し、役割を明確化
  → 地域福祉のソフト面の充実を計る
・成果事例として権利擁護事業(南富良野町生活サポートセンター)

■第四講 パネルディスカッション「地域に根ざした医療・福祉とは」
 司会)   杉本直人氏
 パネリスト)加藤智章氏、東啓二氏、白戸一秀氏(北海道社会福祉協議会事務局次長)

・これからの社協の方向性は、個人のニーズを中心に社会的な援助を組織化すること
・「公私分担」から「地域協働」へ、住民視点の地域福祉で
・東京(中央)の論理と、過疎地、地方、中山間地の現状とは違いがある。
 ニーズをしっかりつかめ。地域の中での協議が大切だ。
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医療・福祉・介護は地方の小さな自治体にとってはとても重要な事項ですが、制度が複雑なので何ができるのか、どこをどのようにすればニーズに合った施策ができるのか、戸惑うことが多々ありました。そんな中、今回の講義の中で南富良野町の実践例が報告されたり、後期高齢者医療制度の話題が出たり、私にとってタイムリーで(今年から国民健康保険運営協議会委員になったので)興味深い講座でした。

2007年度地方自治土曜講座 5月19日第1回講座

テーマ「地方分権改革」 

全体の講義内容は こちら
西尾勝氏の講義内容と感想は こちら
討論の内容と感想は こちら

地方自治土曜講座の公式HPは こちら

2007年09月24日

2007年度 地方自治土曜講座 終了

9月22日(土)で今年度の地方自治土曜講座が終了しました。
今年は5月19日に始まり全5回の開催で、通常は北海学園大の大教室で行われました(サマーセミナーのみ白老町)。

私はサマーセミナー(第3回)には参加できなかったのですが、毎回新たな視点と問題意識、まちづくりや議員活動への活力をもらって帰ってきました。また、議員となって制度や仕組みを学び、知識も増えたので、今まで以上により深く理解できるようになりました。
ただ残念なのは、一般人の新鮮な感覚(疑問)を失ってしまったことです。初参加の頃(4年前)は講義の内容が十分に理解できなかったにもかかわらず、討論の時間に手を挙げて素朴な質問をしてみたり、意見を言ってみたり。今思えばかなり突拍子もないパワフルな人間だったと思います。そんな大胆な行動をとらせたのも「地方自治」への疑問と、どうすればより良くなるのかの方法が解らなかったからです。
それが今、議員となり疑問が少しずつ解消し、自分の行動(活動)で直接的に変革することができる立場になりました。土曜講座で学んだこと、感じたことを実践に繋げなければ。今まで外向きにあふれていたパワーを今度は内に貯めて、要所要所で発揮していきたいと思います。

初参加から4年目にもなると顔見知りや友達も増え、会場で会うのが楽しみです。また、知らない方から声をかけられることもあって、道内各地に人脈が広がってきました。土曜講座は私にとってかけがえのない大事な場になっています。

最終講義の後には急遽懇親会の席が設けられ、講演の先生方やスタッフの方々と様々な話題でお話しさせていただきました。同じ時間を共有したからこそ言葉のキャッチボールが成立し、楽しく有意義な時間を過ごすことができたのだと思います。スタッフの皆さん、ありがとうございました。

なお、土曜講座各回の内容と感想等は次項にまとめてお知らせします。

2007年09月21日

第56回 全道へき地複式教育研究大会 空知大会

本日、上記の大会(略して、へき複大会)の第2日目、第6分科会が月形町札比内小学校で行われ、午前中の公開授業と研究発表に参加させていただきました。私は複式の授業を見るのは今回が初めてで、新鮮さと驚きがいっぱいで、興味深く有意義な時間を過ごすことができました。
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【1時限目】 5・6年の算数の授業では一般的な複式の授業スタイルである「わたり・ずらし授業」でした。正面と廊下側の壁に黒板が設置され、子供達は学年ごとにそれぞれの黒板に向かって(90°違う方向で)着席しています。先生はその中間に位置し、教えるときはそれぞれの学年の正面の黒板の位置まで移動して授業を進めていました。
5年生を教えている時は6年生は練習問題をしています。その時に時間を無駄にしないよう、黒板に解答を裏返しにして貼り付け、終わったら自分で答え合わせができるようになっていました。その後余力のある子のために次のプリントが封筒に入れられ、これも黒板に貼り付けてありました。

先生は時間配分をしながらあっちに行ったりこっちに来たり、目配りしながら45分間フルに動き続けていて驚きました。それに課題が宝探しのように次から次と用意され、どんどん問題を解きたくなるような工夫がされていて感心しました(私もやりたくなった)。
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【2時限目】 3・4年生の算数は「同時展開を基本とした授業」でした。こちらの教室では、どちらの学年も教室正面の黒板に対して座っているので、一見すると単式のクラスに見えます。
先生は各学年に対して同時に問題を出します。それを各学年のリーダーが中心になって問題を解き、発表できるようにまとめます。その間、先生は各学年をくまなく周り教えていきます。最後に子供達が自分達の考えを発表します。この時は正面と廊下側の壁の黒板を使って、リーダーを中心に自主的にやっていました。

同時展開なので先生が無理なくこまめに子供達の間を廻っているように見えました。ユーモアを交え、工夫した教材を使いながらの授業に「なるほど!」と思いました。
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子供は生まれた地域や時代によって複式だったりマンモス校だったり、学ぶ環境は変わってしまいます。それでも同じように知的好奇心があり、同じに学ぶ権利があります。それを満足させるために「大人の工夫が大切」だというこを今日の授業を通して感じました。それは授業だけでなく家庭の中においてもで、私自身を振り返ってみると・・・反省しました。

そして札比内小学校の先生方が様々な工夫と努力をされていることもよくわかりました。こういう工夫を沢山の人に見てもらいたいです。

現在道内の複式校は全体の40%弱だそうです。これから少子化や過疎化で益々増えるか、統合で無くなるか、自治体の状況で変わってくるでしょう。月形町もこの先どうなるか解りませんが、複式校や複式授業にはこれからの学校教育、家庭教育、地域教育のヒントがあるのではないかと感じます。状況が許す限り、複式校を大事にしていきたいと思いました。

2007年09月17日

第15回 雪の聖母園祭

9月16日、町内にある「障がい者支援施設 雪の聖母園」でお祭りが開催されました。
私がこのお祭りに参加したのは、13年前と、4,5年前、そして今回の3度目です。

最初の時は、開設当初からの古い木造の建物が並ぶ旧敷地内で開催され、主に施設利用者の家族の集いという雰囲気でした。森の中の広場でそれぞれにテーブルを囲んで談笑している人の輪が印象的でした。
2度目は施設が新しくなってすぐの頃で、今と同じ場所で今と同じような形態でのお祭りでした。
そして今回。屋台の数も参加者も多くなり、規模が大きくなっているのを感じました。霧雨混じりの曇り空のため、晴天の去年に比べれば人数が少ないとのことでしたが、私の中では「大きなお祭りになったなあ」という感想です。施設の利用者とその家族はもちろんのこと地元の方々や町内の各種団体、そして一般の町民も集まり、食べ物屋台に舌鼓を打ったり、ステージでの様々な発表に耳を傾けたり(時には踊ったり)、野菜やキノコをお土産にしたり。和やかな雰囲気の良いお祭りでした。


月形町内にはこうした福祉施設がたくさんあり、それぞれにお祭りを開催しています。そこにはその施設を利用する人達の関係者が集まり、町内と町外を結ぶ「窓」になっています。ただ窓を窓として見るのではでなく、それが入り口となって共に出入りできるようになれば・・・。
雪の聖母園は、もう窓から入り口になりかけている、そんな感じを得ました。

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