2011年11月21日

新・農業人フェア2011

11月19日(土)の午前、北海学園大での公開研究会の前に、札幌コンベンションセンターで開催された「新・農業人フェア2011」をちょっと覗いてきました。

「新・農業人フェア」とは、農業を仕事にしたい人(新規参入もしくは農業法人等への就職)と現場(自治体や農業法人)などを繫ぐ催しで、全国8会場で順次開催されています。


札幌会場では約80のブースが、
・新規就農を受け入れている自治体や農業法人のPR・案内エリア
・農業関係の学校エリア
・制度や仕組みの解説エリアする
・相談エリア
に分かれて設置されていました。
各ブースとも説明員が待ちかまえ、そこを参加者が巡って話を聞くというスタイルです。

この他、実際に就農した人の体験談や行政支援の実態などを聞くステージイベント、農業高校や女性団体による農産加工品の販売コーナー、新規就農した先輩達が現状を語るDVD(実は私たち家族も出演!!)の上映コーナーなどもありました。


私はざっと一回り廻ったのですが、特に熱い雰囲気だったのは会場中央に設置されたPR・案内エリアの中にある様々な農業法人のブース。男性が一人で話を聞いている場面が多く、「就職先としての農業」が仕事の選択肢として既に定着している印象を受けました。

私たちも約20年前、東京で行われた全国規模の相談会に参加し就農に至ったのですが、当時は新規就農のハシリで行政からの支援も少なく、このような場に参加する自治体は極わずか。農業法人などは全国から集まっても片手程度だったと記憶しています。また夫婦で参加する人が多く、「家族揃って農業をする」というスタイルと覚悟があったように思います。時代は確実に変化していますね。


それから、月形町も参加しているんですよ!
写真の通り、役場産業課の職員がご案内しています。

月形町は「花」をメインにした就農を案内しています。様々な支援策を用意していますが、家族であることや年齢制限、一定の自己資金があることなどの条件もあります。「花の栽培」が北海道農業のイメージから外れていること、様々な条件が今の社会情勢からは厳しいことなどから、ブースを訪れる人は少ないようです。

しかし実際に新規就農した立場から言うと、家族の協力や自己資金がなければ農業を続けることは相当に難しいです。自営として就農することは「職業を得ること」の他に「暮らすこと」だからです。
(月形町では、既に12組が新規就農(実習も含む)しています。就農後に辞めて離農した人がいないのも大きな特徴です。本人達の覚悟もさることながら、地域のバックアップも充実しています。)

また「花」を栽培する農業は、集約的で初期投資が少なく新規就農者には有利ですし、政府の管掌もなく自由度が高いことも魅力です。不景気の現状で花を売ることは難しいですが、工夫次第で可能性も見えてきます。

もし月形町に興味を持たれたら、月形町産業課農政係までお問い合わせください。
(月形町の新規就農に関する情報、連絡先は → こちら

2011年11月19日

「市民参加手法の公開研究会」を終えて

本日午後、北海学園大学(札幌市)で「市民参加手法の公開研究会」が開催され、問題提起者の一人として参加してきました。

・・・と言ってもイメージしづらいと思うので、言い換えると・・・

『自治体における課題を市民参加によっていかに解決できるか』を目的にした、シンポジウム形式の公開討論会に、パネリストとして参加してきました。

討論された内容は、
(1)自治体財政における「交付金」を題材にして、
  ◆政権交代や地方分権がどの様に進んでいるのか
  ◆「交付金」を「生きたお金(効率的な運用)」にするための改善策
  ◆具体例・緊急雇用創出事業における制約(新規事業、短い設計期間)
      ・社会資本整備総合交付金(除雪)における膨大な事務量
      ・奈井江町における道道・町道の一元管理(町による道道管理委託)

(2)市民が行政に参加するとはどういうことか。
  ◆行政法による縛りと、それを打破した先にある「住民参加のまちづくり」
  ◆具体例・ニセコ町「あそぶっく」
      ・奈井江町「子ども権利条例」
  ◆住民参加の受け皿としての議会

普段なら事細かに報告するのですが、今回は議論の当事者として参加しているので、客観的に表現できません。感想のみ末尾に記載します。(正直に言うと、夢中で議論しているので冷静に全ての議論を追えてません。いつものことですが、あとになってハッとします。会場の写真がないのも残念。)

幸いにも今回の内容は「財界さっぽろ」に掲載されるとのことなので、そちらを参照してください。
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実に楽しい3時間でした。

課題解決に向けた議論や新たな発想を得ることが、いかに知的好奇心を満足させ新たな夢を描かせる原動力になるのか、こういう場に参加する度に感じることですが、今日は格別でした。
独自の考え方で地方自治を実践している各首長(奈井江町長:北良治氏、ニセコ町長:片山健也氏、室蘭市長:青山剛氏)と、研究者の視点で解説がてら議論に参加していた内田和浩先生(北海学園大学経済学部教授)との取り合わせが良かったからだと思います。
本当に有意義な時間でした。

そうは言っても、森先生から(公開研究会参加の)お話しをいただいた時、疑問と不安がよぎったのが正直なところです。ただ「おもしろそう」とOKの返事をしてから参加者リストを確認すると、地方自治分野では革新的で有名な首長さんがずらり。政策決定権のない議員の私が論じるべきことがあるのか、どういう観点で参加すればいいのか、皆目見当がつきませんでした。

「議員としての活動と同様、施策の問題点を指摘したり質問や提案で課題が何なのか参加者にわかりやすくしてください。」との森先生の助言で、今回の議論が普段の議員活動の延長線上であることを理解し、ホッと一息。
いつもの議員活動通りに調査を進めると、通常の審議の過程では見えてなかった、施策や制度の細かな点や事務の実態を把握でき多いに勉強になりました。また、担当職員と課題を話し合うことができて新たな発想がでてきました。顔を合わせ話し合うことは大事ですね。

公開研究会には北海学園大の学生さんが多数参加し、質問も寄せてくれました。教育の一場面に参加できたことも嬉しい成果です。【参加した学生さんに対してメッセージがあります。→ こちらへ

この公開討論会の企画運営の皆さん、月形町役場職員、そして登壇者と会場参加者の皆さん、
どうもありがとうございました。

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2011年11月18日

平成23年度 町政(まちづくり)懇談会

11月に入り、町内4ヶ所で毎年恒例の「町政(まちづくり)懇談会」が開催されました。

この「町政(まちづくり)懇談会」は1年に1度、町民の皆さんに町の施策(どんなことをしているのか)を説明する、町側(行政)主催の懇談会です。例年11月上旬に開催するのは、この時期が来年度の予算査定直前だからで、皆さんの要望を来年度の予算に反映することも可能だからです。

会場には町長をはじめ副町長や教育長、各課長も勢揃いしてどんな質問にも答えられる体制をとり、また簡単な問題ならその場で解決することもできる、町側にとっては重要な場になっています。

さて懇談会の内容ですが、町側から説明があったのは以下の2点です。

■ごみ広域処理について
・岩見沢市・美唄市・月形町で広域ごみ処理(焼却処理)
・処理施設(焼却炉、破砕機等)と最終処分場を岩見沢市に設置。岩見沢市に業務委託。
・月形町は生ごみ&一般ゴミの全てを焼却
  → 焼却灰、破砕後に出る燃やせないゴミは岩見沢市の最終処分場へ
・家庭で分別した不燃ゴミは月ヶ丘の衛生センターへ(現状通りそのまま埋立)
・広域処理のために、町内にストックヤードやパッカー車等の増車が必要になるかも
・費用(建設費、運営費)は今後精査。費用負担はゴミ量割。
・各首長が基本合意。今後検討を進め協定を結ぶ。

■介護保険料の見直しについて
・平成24年度は3年に1度の保険料改定時期。
・介護保険を利用する人や施設入所者も増えたことから、支払いが増大
・保険料を据え置いてきたことから、基金が極端に減少
  (前回の改訂時「まず基金を取り崩して対応するように」と道からの指導あり)
・来年度からの介護保険料(対象:65歳以上)は1.5〜2倍に
・急激な上昇を緩和するため、福祉関係の基金を取り崩し充当する意向あり

この他、各会場では質問や意見交換、情報提供などが行われました。私が出席した懇談会では、
●閉校後の札比内小学校について
●温泉施設(ゆりかご・温泉ホテル)の民間による指定管理について
●河川管理・魚道の設置
●公衆電話廃止後の対応
等、身近な話題もでてきました。
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町政(まちづくり)懇談会は、毎年参加者がとても少ないのが現状です。私が参加した懇談会(11月9日(水)午後6時〜 多目的研修センター)は、市南行政区、知来乙行政区、南耕地・昭栄行政区が対象でしたが(対象世帯:約430戸)、町民参加者は行政区の役員を中心に15名程度。役場側からは約20名(理事者、管理職、説明者、事務担当者、地域担当者)でした。

「どんな質問にも答えられる体制」「年に1度の重要な懇談会」を重視するあまり、参加者より主催者側の人数が多いのはどうでしょう? それに役場職員はほぼ黒系のスーツ姿。そして会場の前方ひな壇には町長を中心に理事者と管理職がテーブルを前に並び、後方には地域担当者と事務担当者がぐるっと取り囲んでいて、威圧感たっぷりです。中央に置かれたイスに座った私は居心地の悪さを強く感じました。

このような状況で発言するのは本当に勇気がいります。

それに行政区単位でしか町政懇談会を行わないことも、もう限界かもしれません。町民の意見を聞く場とするなら、もっと別の切り口で対象者を集めたり、時間帯を工夫したり・・・

目的を達成するための決断が求められています

2011年11月15日

「市民参加手法の公開研究会」と「道北地域地方自治土曜講座」のご案内

今朝窓を開けたら真っ白雪景色! 
いきなりの積雪10cmに面食らっています。
いよいよ冬ですね。

10月後半から続く視察や行事、勉強会、会合、調査で様々な立場の皆さんとお話しする機会が続いています。人との会話から得るものは大きいですね。たくさんの情報に触れて五感は総動員され、刺激的な毎日です。整理が付きしだい報告します。

さて、今日は皆さんに2つの勉強会のご案内です。
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1つ目は、北海学園大学開発研究所とNPO法人自治体政策研究所が主催する「市民参加手法の公開研究会」。私は問題提起者の一人として参加します。(詳しくは下に)

私以外の問題提起者は、地方自治において先駆的な取り組み実績のある首長ばかりなので少々気後れするところはありますが、課題を掘り起こすという議員目線で臨みたいと思います。

現在、この研究会に向け自治体の現状を把握するべく調査を進めていますが、課題を背負って話を聞いていると様々なことが見えてきます。「知っているのことと分かっていることは違う」と(今回司会をされる)森先生がよくおっしゃっていますが、まさしくその通り。準備段階からとても勉強になっています。

当日は会場との討論の時間も多く取っているとのこと。会場が一体となって議論できるということなので一層刺激を受けられそうで楽しみです。どうぞ皆さん、ご参加ください。


【市民参加手法の公開研究会】

●研究テーマ  1)自治体財政の確立方策 ・政権党の地域主権と自治体財政の自立
                    ・国庫交付金制度の改革策
       2)市民参政の方策    ・市民行政の具体策
                    ・自治体議会への市民参加

●開催要項  [主 催] 北海学園大学開発研究所・NPO法人自治体政策研究所
      [後 援] (株)財界さっぽろ
      [日 時] 平成23年11月19日(土) 13:30〜16:30
      [場 所] 北海学園大学・7号館D20番教室
      [主催者挨拶] 北倉 公彦(北海学園大学開発研究所所長)
      [開催 趣旨] 渡辺 克生(自治体政策研究所副理事長)
      [問題提起者] 北  良治(奈井江町長)
              片山 健也(ニセコ町長)
              青山  剛(室蘭市長)
              宮下裕美子(月形町議会議員)
              内田 和浩(北海学園大学経済学部教授)
      [司   会] 森   啓(北海学園大学開発研究所特別研究員)
      [参加費] 無 料
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2つ目は「道北地域地方自治土曜講座」。

地方自治土曜講座が昨年で終了し議論の場が減ったことが非常に残念でしたが、今回道北地域の皆さんが企画してくれました。地域が主体となって地域課題を解決しようと動き出すことは素晴らしいです。いつかこんな企画を道央圏(あるいは空知、あるいは月形町)から発信・開催できたらと思っています。
案内文書をそのまま添付しますので、お近くの皆さん、興味のある方、ぜひご参加ください。
(私は今回、所用があり参加できません。とても残念です。)


【道北地域地方自治土曜講座 ~ 持続可能な地域社会づくりに向けて ~】

 人口減少時代を迎えた今、これからも持続可能な地域社会づくりをいかに目指していくか、地域課題の解決を目指し、よりよいまちづくりをどう進めていくか、これからの地域の活力を生みだす政策や戦略についてどうするか、など地域ではさまざまな問題を抱えています。これらについて地域で考えるため、道北地域地方自治土曜講座を9年ぶりに開催します。自治体職員・議員、市民の皆様など多くの皆様のご参加をお願いします。

主催  道北地域地方自治研究会(代表幹事:中川町・松井健)
後援  上川町村会、上川町村議会議長会ほか
【日 時】 平成23年11月26日(土) 13:00〜16:30 (受付12:30~)
【会 場】 旭川大学 (旭川市永山3条23丁目) 
【参加費】 500円
【内 容】 ■講演①「公有財産管理の課題」 (13:10~14:40)
       講師 北海道大学公共政策大学院教授 石井吉春氏
      ■講演②「東日本大震災が映したこの国のかたち~地方自治を考える完成の回復~」
       講師 旭川大学・旭川大学短期大学部学長 山内亮史氏   (15:00~16:30)

<参加申込>(1)お名前 (2)所属 (3)住所 (4)電話 (5)E-mail をご記入のうえ、
       下記申込先まで、ホームページ、メール、FAX、郵送でお申し込みください。
       締切は11月22日(火)です。多数のご参加をお待ちしています。
<申込先>
  (1)申込フォーム http://ws.formzu.net/fgen/S7800145/ ※直接申し込みできます
  (2)E-mail:dohoku_jichi@yahoo.co.jp 
  (3)FAX:0166-83-3583 山本 宛
   ※お問い合わせ 東神楽町役場まちづくり推進課・山本 TEL:0166-83-2111(役場代表)

なお、現在道北地域地方自治研究会では会員の募集も行っております。会の内容は、道北地域地方自治土曜講座の運営、研究活動などです。ご希望の方は山本までご連絡ください。

2011年10月17日

札比内小学校・閉校記念『学習発表会』

10月15日(土)は札比内小学校の学習発表会。今年は閉校記念と銘打ち、『最後まで 90年のかがやきを!』をテーマとして、開校からの歴史と伝統を心に刻みながらの発表会でした。

全校児童20名ですが、約3時間の発表会の中でジーンとさせられるシーンがいくつもありました。

20111015a.jpgまずは、3・4年生の劇「11ぴきのねこ 宝島」。

馬場のぼる作の絵本を題材にしたオリジナルの劇。3・4年生がちょうど11人だったから(!?)この劇ができたのだと思います。子ども達の動きがまるでホンモノの子猫のようで、あっという間に引き込まれました。


20111015b.jpg次の写真は1・2年生の劇「あかずきんちゃん」。

1・2年生は3人なので、保健の先生がお母さん役、校長先生がおばあさん役で登場。子ども達の可愛い仕草と先生の存在感ある演技の対比がおもしろく、会場もにぎわっていました。


20111015c.jpgそして5・6年生の劇「バンナナと殿様」。

衣装も背景も本格的。時代劇の難しい言葉回しもスラスラ。言葉に感情を乗せて表現するのは流石5・6年生!! 小道具に用意されたたくさんのバナナ、私も1本食べたくなりました!


20111015d.jpg最後は、PTAによる合唱。

今年が最後の学習発表会ということで保護者と先生方が一緒になって歌を披露、何度か集まって練習したそうです。お母さんもお父さんも先生も真剣になって歌っている姿はいいですね〜♪ 練習風景を想像すると・・・楽しそうで、私も仲間に入りたいくらい。「輪」を感じる素敵な演目でした。

この他会場には地域の皆さんもたくさん集まっていて、地域全体で発表会を楽しんでいるのがわかりました。「地域全戸がPTA会員」という方針と、それを形にする日々の努力の成果ですね。

学校・家庭・地域から見守られ愛情をたっぷり注がれて育った子ども達は、一人一人がそれぞれの役割を認識し精一杯表現していて、全員キラキラ輝いていました。とっても素敵でした〜♪
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ちょっと話はそれますが・・・

札比内小学校に足を運ぶ度に学校の雰囲気の良さを感じます。地域力があることも一つの要因ですが、それ以上に末吉校長先生の人柄と教育力がそうさせるのだと確信しました。
末吉校長先生は事あるごとに明確な教育目標(ビジョン)を提示してくれます。それは子ども達にだけではなく、保護者や地域の人々そして私たち周辺の人に対してもです。

「ありがとう」の心。「あきらめない」心。

その言葉が書かれたプラカードを手に、身振り手振りでお話しされる末吉校長先生の姿がすぐに浮かんできます。明確なメッセージはじんわりと、そして確実に私たちの心に染み渡ってきています。
トップリーダーの役割はこういう明確なビジョンを示すことではないでしょうか。そしてそれが染み渡るまで何度も何度も繰り返し伝える行動力、それが重要だと思います。

話の途中にプラカードを取り出し身振り手振りで伝えようとする末吉校長先生の行動は、ちょっと奇抜にみえるかもしれません。でもその真摯な態度が人を動かす原動力になるとしたら・・・それこそがトップリーダーの取るべき真の姿なのではないでしょうか。

私はすっかり心動かされています。
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学習発表会を観覧して・・・
小規模校だからできることもあれば、人数が少なくてできないこともあるでしょう。良い所は伸ばし不足するところは工夫をして、自分の学校や地域に誇りを持てる教育は素晴らしいと思いました。

こんな素晴らしい教育が実践されている札比内小学校が閉校するのは寂しいですが、時代の流れや状況も受け入れなければなりません。ここで行われている教育が良い形で引き継がれ、月形町全体の子ども達・学校・保護者・地域にも波及していくことを願っています。

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