2010年05月13日

[円山・里山づくり行動隊]春の手入れ作業

月形町には色々なボランティア団体があります。そのうちの1つ[円山・里山づくり行動隊]は、円山スキー場跡地に桜を植え、里山づくりをしようと3年前に立ち上がった環境保全団体です。

3年前、[円山・里山づくり行動隊]は北海道新聞社の「北海道千本桜運動」から桜(エゾヤマザクラ)の苗木を30本いただき、スキー場が閉鎖され荒れ地になりかけた円山に植樹をしました。いつかここで桜の花見をしようと集った人達(会員=桜の木のオーナー)が春・夏・秋に手入れをしながら大事に育てています。
実は私の関係する[まちづくりNPOふきのとう]も[地球を愛する会@月形]もそれぞれ1本の桜のオーナーになっていて、共に活動しています。


植樹から3年、スキー場の斜面に植えられた桜は場所によっては雪の重みに耐えきれず折れ、枯れているものもあります(添え木はしてあるものの、斜面の上部にある木は過大な荷重がかかるようで多くは折れていました)。また至る所ネズミやウサギの食害もありました(ネズミ避けの巻物をしていますが、野生生物はその上をいきます)。立派にスクスク育っているのはほんの一握り・・・かな。

それから桜の他にナナカマドやドングリの木(樹種は不明)なども1,2年前に植えられました。こちらも悪戦苦闘が続いています。

それに引き替え、白樺やカラマツ(落葉松:左の写真)の自然樹はのびのびと力強く育っています。スキー場が閉鎖されてから7,8年が経ち、3〜4mにもなるものから去年発芽したようなものまで、根元付近は雪の重みで曲げられているもののしなやかに、ゲレンデ跡も駐車場跡もところかまわず育っています。

自然の適応力と力強さ、植樹の難しさと人間の力の儚さを感じます。

さて今日の作業は・・・
例年この時期は下草刈りを行うのですが、今年は雪融けが遅かったために未だ一面枯れ草の状態。雪で傷ついた桜のお手入れ(テーピングと支柱の補強)を行って作業は終了しました。

植樹した3年目の桜は今年も葉芽だけで、桜の下でのお花見宴会はお預けです。
楽しみは先にとっておきましょう♪

2010年04月25日

平成22年度 田園空間博物館「樺戸地区」運営協議会

4月16日午後、本年度の「樺戸地区」月形支部総会(月形町役場にて)と運営協議会総会(浦臼役場にて)が開かれました。各総会では、平成21年度の事業及び決算報告、平成22年度の事業案と予算案が審議・了承されました。

運営協議会事業報告では、協議会全体で実施したフォトコンテストの応募が極わずかしかなかったとのこと。また月形支部事業報告では、昨年10月に実施予定だった「サテライト施設見学会」が最小実施人数に満たなかったために中止になったことなどが報告されました。
(いずれも周知方法や開催時期などに問題があったのではとの反省)

今年度の予算では各町からの補助金が減額されましたが、事業は昨年とほぼ同様の内容で組まれました(各町内のお祭りでの啓発活動、広報誌「田空つうしん」の発行など)。ただし、フォトコンテストは再考し展開を検討することになり、また月形支部におけるサテライト施設見学会も開催時期を変更して(10月 → 6月下旬〜7月上旬)の実施となりました。
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田園空間博物館事業は、農村景観や文化の再発見・再評価を目的に、農水省が中心になって全国で進められてきました。事業当初に進められたハード整備は充実し、魅力的なものになっていると思いますし、その発想も大変おもしろいと思います。
しかし、田園空間博物館の認知度は低く、その枠だけで展示物(対象となる建物や景観)を捉えるとその魅力が活かしきれません。観光協会や商工会などと連携し、「地域資源」として幅広く活用できたら・・・これからの課題だと考えます。

今年度、各町からの補助金が減額されましたが、本体の農水省でも事業縮小の動きがあるようです。もともと事業そのものはハード面の整備だけで、その後各地域でその資源を活かし発展させようというのがねらいでした。しかし現実にソフト(運用)に力を入れている地域は全国でもほんの一握り。その中で樺戸地区(月形町・浦臼町)は積極的な活動を展開し、問い合わせもあるほどとのこと。

今まで積み上げたものを活かすためにも、他団体との連携を本格的に考える時期なのかもしれません。

※ 月形町は今年、開町130周年の記念の年で記念行事も組まれています。また浦臼町では郷土資料館に「坂本龍馬縁の人々に関する資料展示」が拡充されました(浦臼町は坂本龍馬の甥、坂本直寛が入植した土地で、坂本家と縁のある町です)。
いずれも田園空間博物館とは直接関係ありませんが、たくさんのお客様が両町に集ってくれる機会です。連携して、それぞれの町の良さを伝えられたら・・・ステキですね。

2010年04月14日

第3回 さけ稚魚放流会(紙芝居と月形健康体操)

放流会のつづきです。

放流が終わったあと場所を「ちらいおつ遊び塾」内に移して、ちょっとした催しが行われました。

まずは、石狩川振興財団から「サケの一生」の説明。
『さっき(午前10時頃)放流したさけは午後3時頃には石狩川の本流(放流地点から約5km下流)に入り、石狩湾へ。そこでしばらく留まり、海水に体を慣らしてから海岸線を伝ってオホーツク海に行くよ。その後、アリューシャン列島から北西太平洋で過ごして3〜4年後にまた戻ってくるよ。戻ってこられるのは2〜3%、1000匹放流すれば20〜30匹程度かな。』

続いて紙芝居。「川はみんなのもの、みんなの生活に関係しているもの。だからみんなできれいにして、大切にしようね。」というメッセージでした。


そのあとは、月形町保健センターの保健師さんによる「月形健康体操〜つきがた・まんまる・ハナメロ体操〜」の初お披露目があり、スクリーンに映し出されたDVDの映像を見ながら参加者全員所狭しと体を動かしました。(写真がないのが残念。体操をするのに夢中で取り忘れてしまいました。)

この体操は、昨年度、道の助成を受けて作った「地域特性を活かした健康体操」で、冬場雪に阻まれ体を動かす機会が減る町民が、継続的にできる手軽な体操を目指したとのことです。月形音頭をベースに、花やメロン作りの動作を取り入れた物語性のある体操で、イスに座りながらもできるように工夫されていました。

DVDには、見本の動きをする顔なじみの保健師さんや月形のキャラクター「ベルデ君」の姿があって親しみやすく、また動きを解説をする大きな文字も入って解りやすくなっています。興味をそそられ楽しく動いているうちに体がポカポカと温まり、いい運動になりました。

この月形健康体操は、ふれあい大学(高齢者大学)や老人クラブ、婦人会等で順次お披露目、活用されるとのことです。今回お披露目された「万人向け」の他「シェイプアップ編」もあるそうで、今後の展開が楽しみです。
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放流会は老若男女、色々な人が関係し参加する催しですが、それをPRの場に活かすのはとても良いことだと思いました。

「川をきれいにする活動」も「健康維持のための活動」も、まずは知ること・参加することから始まります。様々な機会を捉えて啓発活動に取り組めば、きっとその輪が広がっていくと感じました。

「これは大事なことだからみんなに知ってほしい」「ひろめたい」そう強く願う気持ちで、人は動かされるような気がします。

2010年04月13日

第3回 さけ稚魚放流会(放流)

4月12日、今年で3度目となる「さけ稚魚放流会」が例年通り、ちらいおつ遊び塾裏手の須部都川で行われました。今年も町内5カ所(月形小、札比内小、花の里保育園、友朋の丘そして役場)で計1000個の発眼卵から育てたそうですが、上手く育ったところもあればそうでなかったところもあって・・・。3回目とは言えまだまだ難しいようです。

今年の参加者は今までで最も多く140名ほど。主役はもちろん稚魚を育てた関係者。月形小からは3年生25人名、札比内小からは3・4年生7名、花の里保育園からは年長児9名、福祉施設の友朋の丘からは4名。他に、この放流会をお手伝いするボランティア団体「花の里つきがた水と緑の会」の方々や、行政関係者(国や道の河川関係、森林関係、建設関係、町役場)や一般町民など。

「たかがサケ、されどサケ」実に多くの人が関わり、協力し、すそ野を広げているのを感じました。

放流は実にスムースに進みました。
3回目で手慣れたせいかもしれませんが、放流会場が一面雪で覆われていて(今年は本当に雪解けが遅いです)、足元も汚れることなく(いつもはぬかるみでグチャグチャ)、また放流地点も広々(湿地が雪に覆われていたので、どこで見学してもOK)だったからです。
加えて、お手製の放流台(流しそうめん用の竹筒を応用したもの)設置や雪道の整備など、黒子に徹した「花の里つきがた水と緑の会」メンバーの力にもよると感じました(いつもありがとうございます)。
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この放流会、いつもながら印象的なのは、参加者がまるで母親のように「元気でね」「大きくなって戻ってくるんだよ」と稚魚を放流している姿です。

参加者の多くは、サケを育てていたり、育つ過程を観察していたり、放流会の準備をしたり、この地域で暮らしていたり、(サケが育つ)環境を整える仕事をしていたり、工事をしたり・・・と、なにがしかの形で実際にこの「さけ稚魚放流事業」に関わっています。
だから「さけ稚魚=我が子」。身近な存在になっているのでしょう。

「物事に関わることの大切さ」=連携のヒント ですね。
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そうそうGood newsがあります。
この冬、須部都川に架かる堰(落差工)に魚道が造られました!

サケが海からこの放流地点に戻るまでに、5つの障害物(海側から、石狩川頭首工1、須部都川の落差工4)があるのですが、そのうち石狩川頭首工は問題ありません(現行の設備は落差20cmでさけの遡上は○。現在工事中の頭首工には3種類の魚道がつけられ◎)。
須部都川の落差工4カ所はいずれも落差2mほどで、さけ遡上の大きな障害でしたが、1番河口寄りとその次の落差工に魚道がつけられました。(右の写真は2月下旬に撮影した河口側から2番目の落差工。現在はこの脇に魚道が完成しています)。残りの2カ所も今年度の(道)予算で工事がされる見通しがあるとか。

2年前に放流したサケが戻るまでに「魚道」が完全整備されそうです。

2010年03月29日

第2回 アライグマ捕獲講習会

3月26日午後、役場大会議室にて「第2回 アライグマ捕獲講習会」が開催されました。

参加者は農作物を荒らされている人がほとんどで、既に捕獲オリを仕掛けた経験のある人も多く、より実効的な捕獲方法や新たな情報を求めて真剣そのものでした。参加総数は約20名です。

講習会の内容は、第1回と同様(詳しくはこちら)でしたが、新たに「夏〜秋(作物が豊富にある時期)のオリの仕掛け方=T字撒き」が加わりました。これは講師の今井さんが実践を通して編み出したもので、実績も上がっているとのことです。(今井さんが昨年1年間で捕獲したアライグマの数は約60頭!)

野生動物が相手なので必ず捕獲できるとは言えませんが、生態を知り、より確率の高い方法で仕掛けることで被害を防げるかもしれません。実際、昨年の講習会を受けた方が捕獲頭数を伸ばしたということ、あわせて町内の被害総額も減っているということからも推察できます。

それから、アライグマを捕獲しようと仕掛けたオリにタヌキがかかることも多いそう(アライグマとタヌキは生息域や生態が似ている部分もあるため)で、今井さんの場合でもアライグマと同数以上のタヌキが捕獲されているとのことです(タヌキは野生生物保護により逃がしている)。
他に、餌にドッグフードでなくキャットフードを使った場合はネコがかかってしまうことなど、現場に携わっている人ならではの情報が盛りだくさんでした。

講習会最後、参加者との意見交換・質疑では、

◆シカの数が増え、被害も増している。猟友会によるシカ撃ちだけでなく、被害が出ないように農家等各戸が対応できる対策を検討、情報提供して欲しい。

◆アライグマだけでなく、タヌキやキツネ、カラスの食害やイタズラもある。アライグマだけを捕獲しても被害は無くならない。何とかならないのか。

◆有害鳥獣による被害や捕獲状況の統計情報が欲しい。出没や捕獲の場所や時期など、きめ細かな情報を行政と町民が共有することで総合的な対策ができるのではないか。
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参加者の発言から「(猟友会や行政の取り組みは理解しているが、それだけでは限界があるので)自分も何かしたい! させて欲しい!」という切羽詰まった状況が見て取れます。今以上に「協働」を意識した展開を町民が求めていると感じました。

また、野生生物保護により被害が出ても何もできない現実に疲弊しているのも感じました。保護の重要性も認識していますが、制限を設けるなどして規制緩和できないものなのか・・・

いずれにせよ現場は常に変化し人知の先を行くため、対策や講習会も常に工夫が求められています。

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