2009年02月14日

月形町職員研修・講演会「世界恐慌、その原因と帰結」

昨日夕方、役場大会議室にて上記の研修会が開催されました。
今年は北海道大学公共政策大学院院長の佐々木隆生氏をお招きしての講演会のため、職員だけでなく議員や町内の経営者の方々にも声がかかり、会場は満員でした。

演題は『世界恐慌、その原因と帰結』

マスコミが「不景気の引き金はサブプライムローンだった」とか「アメリカの消費が世界の景気を牽引していた」と伝えていますが、全体を「流れ」としてとらえた解説はあまり聞く機会がなく、私はおぼろげにしか理解していませんでした。その世界的な不況の原因がどこにあって、どの様な流れで現在に至ったのか、専門的なデータをもとにした解説がありました。

アメリカの金融機関のしくみや住宅建設戸数、金利の変動、貯蓄率の推移などから「流れ」を紐解き、インフレで発生した余剰金が資源(穀物・原油)市場に流れたこと、住宅ローンの証券化と福袋的証券のしくみがもたらした好況、その後のバブル崩壊まで、一気にお話しくださいました。それは「経済」という多面的で時間的な要素を持つものを、まるで映画のようなストーリー展開で情熱的に講義されるので、私のような素人でもすっかりその世界にはまりこみ、おおむね理解できました。

その後、経済と社会構造の関係に話は移りました。
【繰り返される景気の波】+【不可逆の歴史の歩み】=【その中で確実に変わっていく社会のしくみ】を【構造】と呼びます。「所得に見る労働者の構造の変化(2層化と、その架け橋がなくなったこと)」は現在の日本にも共通する課題で、その事象と歴史的な変化としては理解できましたが、その引き金になったポイントと(最初に解説のあった)「流れ」との関係性については・・・消化不良でした。
また、今の世界で流通する為替のうち実体経済分(物の取引等に関わる部分)は全体の2%に過ぎず、残りの98%は金融分(投資的なもの)であるというお話しには驚き、自分が学校で学んだ経済の基本と現状はかなりかけ離れていることも感じました。

最後に「脱出への道」として、税制改革(総合課税)の話題や、「財政収支の均衡」でなく「財政支出の優先順位(選択と投資)」の必要性、高齢化対策と教育の充実、サステナビリティ(継続可能)社会の構築などが示され、「経済および政治が新しい構造を作れるかが勝負、そのためには自分で考え創造することが大切。みんなで知恵を出し合う時代だ。」と言う〆の言葉で約1時間半の講演は終了しました。

私はこの講演を通し、世界的な経済社会と身近な生活が直結している現在の日本の実態を感じるとともに、私たち小さな自治体であっても関与できる(取り組むべき)課題が提示されたこと、足もと(=身近な生活・社会)から世の中を変えていけるのではないかという希望も感じました。
経済学を専門に学んだことがなく、近寄りがたい(難しい)学問という先入観を抱いていた私にとって、今回の講演は興味の扉を開く、大きな鍵になったような気がします。

2009年02月13日

地産地消料理コンテスト「第2回うんまいべ!」

今日は待ちに待った料理コンテスト当日です。

この地産地消料理コンテストは町長率いる「月形町地産地消計画推進協議会」が主催となり始められたもので、第1回の昨年は『月形産の食材を使った料理』がテーマで、第2回の今回は『かぼちゃシロップを使ったアイデア料理』コンテストとなりました。

「かぼちゃシロップ」は、東京農業大学小泉武夫教授の製法(特許取得)を用いて北海道と月形町が共同で研究開発している「かぼちゃ味の甘味料」で、カボチャを原料に米麹を使ってでんぷんを分解(発酵・糖化)したもので、独特の甘み(風味)と高い栄養価(ビタミン、カロテン)が特徴です。ただ、糖度が60%なので材料に混ぜると甘みが薄くなり特徴が出にくくなったり、水分が多いので形にするのが難しかったり、なかなか難しいテーマでした。

それでも20点(お菓子11、漬け物2、料理7)の出品があり、かぼちゃシロップの使い方にしても一つとして同じものがなく、バラエティーに富んだアイデア料理が会場に並びました。

審査の結果は
【グランプリ】  パンプキンWチーズケーキ(金澤絵美さん)・・・左の写真
【準グランプリ】 サクットかりんとう   (春木佐栄子さん)
【特別賞】   ・かぼちゃの寒天よせ   (パンプキンばぁばさん)
        ・大根のかぼちゃ漬け   (みのり工房さん)
        ・パンプキンアイス    (吉田喜久子さん)・・右の写真
 

昨年のコンテストの際、審査員長の坂井美恵子先生(北ガスクッキングスクール統括主任講師・今回も審査員長)から「味だけでなく見た目も重要。おいしさを伝える工夫を!」という指導がありました。それを受けてか、今回は展示を工夫した人も多く、グランプリ、準グランプリとも料理本に出てきそうな素敵な盛りつけでした。

グランプリの『パンプキンWチーズケーキ』は(競争が激しくて)試食できず残念でしたが、準グランプリの『サクットかりんとう』は、ほんのり甘く香ばしい味で次々つまんでしまう懐かしい味でした。
『かぼちゃの寒天よせ』は黄色と茶色の2層がとても綺麗で(写真がないのが残念)、2層を一緒に口に含むと「かぼちゃシロップ」の風味が口に広がって、味が活きていると感じました。
『大根のかぼちゃ漬け』は、かぼちゃシロップを作るときに出た「絞りかす」に大根を漬けこんだもので、その後かぼちゃシロップに漬けなおしたという手のかかったもの。「なかなかかぼちゃの味が出なくて」と様々な工夫を凝らして完成した漬け物でした。
『パンプキンアイス』は私たち出品者の中では一番好評で、口に入れてすぐに甘い豆乳アイスの味がして、その後とけていくうちに「かぼちゃシロップ」の味が口いっぱいに広がる時間差のおいしさがあり、かぼちゃシロップの味がとっても良く、おいしかったです。

テーマとなった「かぼちゃシロップ」は現在試作段階とのこと。コストや製法などまだまだ改良の余地があると言うことで、これからも研究を重ね完成させていきたいとのことです。
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このコンテストに実は私も出品したのですが、出品者の楽しみはバックヤード(準備室)にあります。

審査作品持ち込み〆切の1〜2時間前から準備が始まります。家で完成させてから持ち込む人も多いのですが、調理室での調理や仕上げも可なので、煮たり焼いたり、揚げたり、切ったり。その途中、崩れたところを味見させてもらったり、作り方や苦労話を聞いたり。みんな自分で実際にアイデアを出して料理をしてきた者同士だから、初対面でも会話は弾みます(昨年、このコンテストをきっかけに知り合った方とはもうお友達のよう)。

私も出品量より多く下ごしらえをして調理室に持ち込み、仕上がった物を少し取り分けては「これ食べてみてください。その分、それ貰ってもいいですか?」なんて言いながら次々と試食させていただきました。苦労話や工夫した点を聞きながらいただくお料理は、お行儀良く並んでいる完成品より味わい深いものです。こんな事ができるのも出品者ならでは。とても楽しい時間でした。

来年はどんなテーマになるのか? もちろんあるんですよね、このコンテスト?
お題が難しかろうと、色々考える創造的な時間は宝物です。そしてそこからつながる関係もまた宝物です。月形に住んでいるからこそ集えるこんな機会を、ぜひ継続していっていただきたいと思います。そして沢山の人が「出品者」として参加してくれたら、これまた宝です。
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ちなみに、私が出品したお料理は『2色のニョッキ・マスタードクリームソース』です。

ジャガイモをベースにした『白ニョッキ(いも餅のようなもの)』と、そこに「かぼちゃシロップ」とカレー粉を入れた『黄ニョッキ』。それにブロッコリーの緑を添え、マスタードを効かせた生クリーム仕立てのソースをかけたものです。色(黄+白+緑)と味(プレーンなジャガイモ味+スパイシーな味わい深いカレー味+あっさり野菜味)の対比がねらいでした。

最初は、ジャガイモのニョッキに「かぼちゃシロップ」を混ぜるだけで、かぼちゃ風味の甘めの黄ニョッキができると考えました。でも作ってみたら、かぼちゃの味も甘みも薄くて・・・、かといってシロップを大量に入れるとベチャベチャでニョッキと言うより「すいとん」に。
味と色味の対比は譲れないポイントなので、かぼちゃシロップは奥深い甘みを加える甘味料としてとらえ、カレー粉や醬油も加えて『黄ニョッキ』が完成しました。

味のポイントになる「マスタード・クリームソース」は我が家自慢の定番ソースで、焼いた鶏肉にからめたり、パスタにかけたり。家族にも大好評の味です。

詳しいレシピは、(公開してもいいか)主催者に確認してからお知らせしますね。

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2009年02月11日

新規就農のお手伝い(ビデオ取材)

今日は議員活動からちょっと外れた話題。

私たち家族は新規就農者で、15年前に月形町に移り住んできました。月形町は様々な支援体制(制度および施設)を整えて新規就農者の受け入れを積極的に行っていて、私たちはその条例制定後第1号の新規就農者です。現在まで10組が就農し、1組が実習農場で研修中です。

今回(社)北海道農業担い手育成センターからの依頼で、就農希望者向けのビデオ(先輩就農者の実生活紹介。道内3地区の3家族が対象)撮影に協力することになり、去年の夏から様々な場面で取材を受けています。今日はその取材の4回目で「冬の様子と家族」がテーマでした。
今年は例年にない暖冬少雪(積雪は例年の1/3程度)の影響で、いつもの月形らしい風景をお見せできなかったのが残念でしたが、家の中でのブログ更新の様子や家族団らん(昼食風景)を取材されました。


 
これまでの取材は、1回目:夏「菊の花切りと撰花」、2回目:秋「洋花の出荷」、3回目「議会での私」で、いずれも3人1組(デレクター、カメラマン、アシスタント)で撮影に来られます。短い時間を有効に活用し、狭い場所でも協力し合って撮影したりインタビューする姿にいつも感心させられ、気が付くと取材が終わっていました。なので、このブログで紹介しようと思いつつも写真すら撮れずに今日まで来てしまったわけです。

我が家の農業や議会活動、家族の様子などを皆さんに映像で紹介するなど恥ずかしいと思うこともありますが、ビデオを見た人の人生の選択の参考になったり、新たなつながりへと発展してくれたら、とても嬉しいです。

私が感じる農業の魅力の一つは、小さな種(生命)が様々な影響を受けて大きく育つ創造的なところです。子育ても、料理も、まちづくりも、議会活動も、私にとってはみんな創造的な行為で、共通する魅力を持っています。そしてこの取材や撮影もとても創造的で興味をそそられました。
春にもう1度撮影が入って終了とのこと、完成が楽しみです。

私の周りには魅力的な「創造の種」がたくさん転がっています。そんな環境で暮らせることが、とっても幸せです。

2009年02月08日

産業建設常任委員会(2009.2.5)

2月5日の午後、産業建設常任委員会が開催されました。
今回の調査事項は
1. 建設工事等の進捗状況について
2. 除排雪の実施状況について
3. その他(国の第2次補正予算にともなう、月形町一般会計補正予算案の概略説明)
の3点で、まず最初に現場調査として月形町交流センターと月形町除雪センターを視察、続いて委員会室で質疑と討論を行いました。以下要点。
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1. 建設工事の進捗状況について

◆土木工事(9件実施、全て完了)
◆建設工事(5件のうち3件完了)
・残り2件は交流センター関連で進捗率85%、3月15日完成予定
◆農業集落排水工事(2件実施、全て完了)
◆委託業務(6件実施、うち2件完了)
・残りのうち1件は交流センター関連で進捗率85%、3月15日完了予定
・残りのうち2件は除雪関連(以下、2.項で詳しく)、3月31日完了予定
・残りのうち1件は役場庁舎耐震改修設計で進捗率80%、2月20日完了予定

◆月形町交流センター(工事、監理とも進捗率85%)
・全体の進捗状況は2月3日の総務民教常任委員会を参照
・RC工法の一部(器具庫部分)2階建て
・交流センターの総面積は多目的研修センターより若干小さく、
 講堂は「はな工房の大ホール」とほぼ同じ広さ
・主暖房はペレットボイラー(15万Kcal)。
 補助暖房として「ふれあい広場(集会施設部分の無料スペース)」に電気不要のペレットストーブ


2. 除排雪の実施状況について 
◆H21年2月5日現在の降雪、積雪状況
・降雪 4.5m (H20年の同日:7.66m)
・積雪 46cm (H20年の同日:130cm)
 ※平成15年と降雪量はほぼ同じであるが、積雪量は少ない(高温傾向)

◆除雪内容
・早朝:降雪深15cmで稼働、午前7時30分までに最低一車線を確保
 日中:降雪深10〜15㎝  夜間:20㎝、午後5時〜午後8時30分で作業終了
・雁里地区:町道2路線
 全地区(雁里以外):町道123路線、歩道22路線、公共施設39カ所、町道雪割20路線

◆1月30日現在の進捗状況(契約金額に対する支払額)
・雁里地区・・20%    ・全地区(雁里地区を除く)・・40%
◆委託費は人件費(固定)+稼働分(変動)。降雪が少ない分、稼働距離・時間が少ない
◆除雪機械について(雁里地区以外。雁里地区は別に業務委託)
・除雪関連機械は計12台+借り上げ(タイヤショベル)2台。人員は16名。
・平成3年車を筆頭に古い機会が多いが、手入れをして使っている。
・稼働率は近隣自治体の3倍


3. その他
【平成20年度第2次補正予算にともなう、月形町一般会計補正予算案 概略説明】
国会で上記の補正予算が通ったことを受け、月形町にも総額2億円ものお金が下りてくる(この表現を使うのは不本意ですが)ことになった。各項目別の国からの配分は以下の通り。これに一般財源からの負担分を加え、各種事業に取り組んでいく。細かな内容は今後の本会議に提出される補正予算で。

◆家計緊急支援対策費・定額給付金 : 6,220万円
◆生活安全保障対策費・介護報酬改定による介護従事者の処遇改善:180万円
          ・子育て応援特別手当の支給       :199万6,000円
          ・安心・安全な出産の確保        : 6万4,000円
◆地域活性化対策  ・農業の将来を担う経営の育成と雇用創出 :555万円
◆地方公共団体支援対策費・地域活性化、生活対策交付金 :1億4,654万8,000円
総額 2億1,815万8,000円
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交流センターは2日前の総務民教常任委員会の現地調査時に比べ内装工事が進んでいて、講堂も天井が貼られていました。完成まで後1ヶ月、急ピッチで進んでいます。

国の第2次補正予算にともなう町の補正予算の概略説明がありましたが、これと同じものは、総務民教常任委員会でも行われました。ある日突然2億円が下りてくる・・・現実のことではありますが、にわかに信じがたいです。2億円と言えば、月形町の年間予算の16分の1。大きい額です。こんな使い方で本当にいいのか、考えてしまうのは私だけではないでしょう。
景気対策、生活支援とはいえ、将来につながる事業に使えればいいのですが、あまりにも急すぎて難しい。こういうときに慌てないために、人も自治体も日頃の準備が重要だと思いました。

2009年02月06日

我が家にもインフルエンザの波

近隣都市部ではインフルエンザが例年より早く流行していたようですが、月形町ではここまでほとんど聞きませんでした。が、今週初めくらいから町内でもポツポツと患者が出始めたという話を聞いていたら、昨日、我が家にも流行の波が押し寄せてきました。
小学6年の息子がインフルエンザA型になったのです。体質のせいもありますが、かなりの高熱で辛そう。次は我が身・・・覚悟しています。また同じ学年の子が何人も罹患したと言うことで、これからの広がりが心配です。

どうぞ皆さん、手洗い、うがい、加湿、栄養、休息など、万全の策で予防してくださいね。

ちなみに、左の写真は小児科で処方されたインフルエンザの薬「リレンザ」です。飲み薬ではなく、粉末の薬を専用の道具で吸入して使います。初めて見る形状と方法に最初は戸惑いましたが、玩具のようでかえって興味をひかれたのも事実です。
これが効いて早く良くなってくれればと思います。

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