2015年09月17日

議員の議決権行使の重み【月形町議会平成27年第3回定例会・国会】

平成27年9月17日(木)早朝、まだ国会は動き出していない。安全保障関連法案は参議院特別委員会での攻防が続いている。

一方、月形町議会は、9月15日(火)に平成27年第3回定例会(平成26年度決算特別委員会を含む)を閉会した。新聞報道を見ると、いつも通り何事もなく終了したように見えるだろう。確かに結果はそうだった。けれど、これほど審議が白熱し、休憩が何度も挟まれ、決算不認定もあり得る状況になったのは初めて。この定例会中、討論と起立採決が行われたのは3回。そのどれもが僅差であった。

■平成26年度決算特別委員会における月形町一般会計決算認定 → 認定
・討論:賛成討論(なし)
    反対討論(宮下
・採決:賛成 4(我妻、松田、出村、金子)
    反対 3(宮下、笹木、平田)
 ※ 議長(堀)、監査(大釜)、決算特別委員長(楠)は採決に参加しない。

■本会議における月形町一般会計決算認定 → 認定
・討論:賛成討論(金子)
    反対討論(宮下、笹木)
・採決:賛成 6(我妻、松田、大釜、楠、金子、平田)
    反対 3(出村、宮下、笹木)
 ※ 議長(堀)のみ採決に参加しない。

■「塵芥収集及び衛生センター管理業務」に関する調査特別委員会
  設置の発議(提出者:宮下、賛成者:笹木)
 → 否決
・討論:賛成討論(笹木、我妻)
    反対討論(大釜、松田)
・採決:設置に賛成 4(我妻、出村、宮下、笹木)
    設置に反対 5(松田、大釜、楠、金子、平田)
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これほど白熱したのは、決算特別委員会でいくつもの疑念が見つかったからである。その疑念を「確かめたい」と思うか、「疑念はあるも、よしとする」か、その判断が分かれた。

私が反対討論で指摘したのは
◆塵芥収集及び衛生センター管理業務における4tトラックの問題
 ・4tトラックの購入経緯・所有権・処分への疑念。
 ・あるべき財産・収入が平成26年度会計に繰り入れられなかったこと。

◆上記事業において同一業者との約30年にわたる随意契約(4tトラックと関連)
 ・委託料約3,000万円の事業が、特段の理由もなく一者特命随意契約であったこと。
  (なお、平成27年度からは広域処理によるシステム変更。入札実施。)
 ・随意契約を続けてきたことを「しかたなかった」とした町長(行政)の不作為。
  (制度改変や毎年業務委託時の検討や、監査委員からの指摘を無視)

◆認定こども園開設準備事業の設計と執行
 ・業務委託にもかかわらず、指定管理者制度と混同した曖昧な設計と執行
 ・予定業務が執行されなかったにもかかわらず精算していないこと。
 ・開設準備のために必要な事業とその経費は適切だったか。
※審議に先立ち、私は情報公開条例によってこの事業の資料を請求。入手した委託料の事業設計は全て黒塗り、精算資料は非公開。明解な説明なし。(詳しくは一般質問で)


指摘した問題は個別具体的であるが、単なる「間違い」ではなく、体質的な要素を含んでいる。一つを見過ごせば月形町全体に波及しかねない(あるいは既にそうなっていることの一端かもしれない)。

そこで、最も疑念が大きかった「塵芥収集及び衛生センター管理業務」について、地方自治法第98条に基づく調査特別委員会を設置し、過去からの実態をしっかり調査し見極めたいと考え、動議を提出した。

賛成討論をした議員は
「決算審議での説明はどうしても納得できない。解明されていない。」
「決算を承認したが疑念は残った。自分の判断をよりハッキリさせるため調査したい。」

反対討論をした議員は
「多くの課題は残ったが、既に議会は承認した。今後は行政がしっかり検証し、適正に遂行していく。議会も求めていく。なので、調査特別委員会は必要ない。」
「多少の疑念はあったが、当時の政治状況等があったと思う。過去のことであり既に決算で認められたこと。平成27年度からは新たな体制でスタートしている。前に進んでもらいたい。地方創生を考えなければならない時に、この件に時間を割く必要性があるのか。」

これほどの意見対立があったが、結果は “いつも通り” である。
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《議決は重い》。一人一人の議員が何を考え、何を重視して議決権を行使したのかはわからない。しかし、その結果は全てその議員が背負う。町議会議員とて同じ。
町民のみなさんには、今回の各議員の判断を覚えていてほしい。

さて、国会もまもなく動き出す。
これからそれぞれの議員は、議決権を行使する。どう投票するか、その行為と結果は各議員に帰結する。私たち国民はそれらを覚えておかなければならない。

2015年08月15日

【戦後70年】私の48年間を振り返って、私にできること。

今日、平成27年(2015年)8月15日は、太平洋戦争から70年目の終戦の日です。

戦後生まれの私は、毎年夏の始まりとともに年中行事を迎えるように「戦争・平和」に想いを寄せるのが日常でしたが、今年はまるで違いました。70年目という節目が一つの要因ですが、何より影響があったのは国会審議中の「安全保障関連法案」の存在でしょう。

昭和42年(1967年)生まれの私がふと自分の人生と戦争との関係を考えると、私は戦後22年目に生まれ、それから約50年間生きてきたことになります。今思えば私の子ども時代は今よりももっと戦争が身近な時代だったはずなのです。(今の私にとって20年前は新規就農した頃。昨日のことのように思い出されます。)
それなのに、私の育った記憶に「戦争に対する不安」はありませんでした。日本はもう二度と戦争をしない国であることを誰もが口に出さなくとも肝に銘じていたからなのでしょう。
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そんな私にも中学と高校時代の夏休みに「戦争体験者の話を聞くこと」という社会の宿題が出されました。先生は「戦争を体験した人は年々歳をとり亡くなっていく。お元気なうちにその時の辛いお話を聞くことが、みんなの将来、これからの日本にとって大事になる。身近に戦争を体験した人がいる人は話を聞いて、発表してください。」と。昭和55年〜60年、戦後35年〜40年頃だったでしょう。

私は一緒に暮らしている祖父に話を聴くことにしました。祖父は大正2年生まれ、南方(フィリピン方面)に出兵し帰還していました。
中学生の時(昭和55年頃、祖父65歳頃)、宿題の話しをしても祖父は何も話してくれませんでした。「まあ、色々あったけれど、話したくない。」そんな答えだったと思います。
それから3年後、私が高校生の時に祖父は「裕美子(孫)に何度も聞かれて答えないんじゃダメだな。少しだけ話すよ。」と言ってぽつりぽつりと話し始めました。

「戦争は敵との戦いだと思っているかもしれないけれど、仲間との戦いでもあるんだ。兵隊には国から軍服やら鞄やら色々支給されるんだけれど、それはみんな国から与えられたモノだから大切にしなくちゃならない。無くすなんてとんでもない、大事なモノだ。でも、靴下とか下着とかはすり切れボロボロになって履けなくなる。というより靴下そのものが無いに等しくなる。それでも「与えられたモノ」だから、そこになくちゃならない。

時々隊長が検査をするんだ。その時にもし手元に無かったら、それはもう半殺しになるくらい殴られたり蹴られたり。だから兵隊はみんな、自分のが履けなくなりそうになったり、無くしたら、他の兵隊のを盗むんだ。死んだ人のを取ることもある。寝ている間にそ〜っと。で、盗まれたのに気がついたら、また誰かのを盗むしかない。そうやって、みんながみんな盗んで間に合わせる。とろいのはいつも殴られるんだぞ。だから誰も信用できないし、いつも気を張ってなくちゃならない。そうしないと自分がやられちゃうからな。」

と、静かに話してくれました。その時、私は反射的に「ヨシおじちゃん(祖父)も、そんなことしたの?」と、聞いてしまって・・・。祖父は苦笑いをして、もうそれ以上何も話しませんでした。

祖父は平成11年 86歳で亡くなりましたが、それまでの間に私が聞いた戦争の話しは、そういくつもありません。今なら、戦争の背景を理解した上で祖父の立場に立って話も聴けたでしょうし、人として共感できる、理解できることもたくさんあったと思います。あの時はただ、大好きな祖父である一方で、「戦争に行って悪いことをしてきた人」という感覚が頭の片隅にあったのも事実です。聴けば聴くほどその想いが増すような気がして、積極的に聴くことができなかった・・・本当に申し訳なく、残念な気持ちでいっぱいです。

戦争の現場で傷つき傷つけられる人がたくさんいるのと同時に、戦地から離れても、時間がどれほど経っても、戦争の傷跡が残っているのを今も感じます。戦争がもたらすものの中に、何か良いものがあるのでしょうか? 
私には想像すらできません。私の記憶では、何も良いものなどないのです。
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戦争から70年が経って、戦争を知らない世代が人口の8割を超えたと聞きました。戦争を体験していなくても、もう二度と御免だという気持ちだけは持ち続けたい。

そのために、私にできることと言えば、少ないながらも聴かせてもらった「戦争の悲惨さ」「戦争のもたらす残忍さ」を伝えること。そして、戦争に繫がりかねない行動や思想、思考に「イヤだ!!」「ダメだ!!」とハッキリと意思表示をすることだと考えます。

写真は、今年の7月18日(土)午後1時、「アベ政治を許さない」全国一斉運動に参加したときのもの。同じ書式のポスターを全国同時刻に一斉に掲げることで意思を示す運動です。私の家の前ではこの日から3日間掲げました。

私が今の安倍政権の「アベ政治を許さない」のは、民主主義も立憲主義も無視していることと、戦争の実態を語らないところです。

「安全保障関連法案」そのもの(=憲法違反、非核三原則との非整合性)と、それを衆議院で「強行採決」したこと(=反民主主義)に対して、多くの国民が様々な形で「反対」の意思を伝えています。これほど大規模で長期間の反対運動はこれまでになかったのに、そんな国民の意思を意思とも思わず無視し続け、法案を再考することもなく進めるやり方。積極的平和主義の名のもとに、平和を脅かす存在となるものに依存するやり方。どちらも言葉と行動が矛盾していて認めるわけにはいきません。

与党議員も同じ。政府の意向=党の意向=議員個人の意思として「国を取り巻く状況が厳しい現在、いつでも対応できる形にすべきだ」と各地で状況説明をしていますが、このこと(世界や日本を取り巻く状況が変化していること)が、法案の合憲性や強行採決したことの正当性を示す事にはなりません。状況変化への理解はあっても、安全保障関連法案の説明には直結しません。

もし全ての状況が政府や与党が主張するとおりだとしても、立憲主義を大事にするなら憲法改正に動くべきだし、民意を大事に考えているなら、(多くの学者が違憲とし、今までにないデモが起きている)この段階で強行採決などせず、一旦取り下げた上で時間をかけて国民を説得すればいいのです。たった数ヶ月(次の臨時国会)、長くて半年(次の通常国会)待てば次の機会は訪れます。それまでの間に全力で国民を説得する。そんなこともできないほど今の「日本を取り巻く状況」が切羽詰まっているとは、私には思えません。
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私がこうして「アベ政治を許さない」と意思表示をしたことに対して、心配をしてくれる人がいます。当初、私も多少の気後れがありました。
けれど、私たちは戦後70年、政治的な問題に意思表示をしなかったがために、民主主義も立憲主義も否定する今の政権を結果的に作り上げてしまったのではないか、そんな反省が行動に繫がりました。もし今まで通り何も言わず、何も行動しなかったら、安倍政権は「私たちは認められた」と勝手に解釈して押し通すでしょう。あなたはそれでいいですか?

高校生や大学生までもがデモをし、たとえネット上で叩かれても屈しないで意思を示しているのに、戦後20年から50年間を生きてきた私たち世代が、何もしなくて耐えられますか?


私は、日本が戦争被爆国であること、戦争を二度と繰り返さないと宣言した平和憲法をもっていること、戦後70年間戦争をしなかったという事実を大事にしたいと考えています。他の国と同じでなくて良い、今の日本だからできること、今の日本にしかできないことを追求すべきだと考えます。

2015年07月16日

今日問われる! 国民に寄り添う衆議院議員は誰か。【安保法案/衆議院採決】

昨日(平成27年7月15日)、衆議院平和安全法制特別委員会で安全保障関連法案が強行可決された。

世論調査では「説明不足」が指摘され、「内閣不支持率」がみるみる上昇、全国各地で「反対デモ」が行われている最中にである。

48歳の私でも、これほど大々的な国民の動きは記憶にない。そんな事態が起きているのにである。

今日、衆議院本会議で、この法案の採決が行われる。
自民党・公明党からなる与党の「数の力」から言えば、間違いなく通過する。


与党議員、
あなたは本当にこの法案に賛成なの?
あなたは政党側につくの? それとも国民側につくの?
あなたは、そもそも何がしたくて議員になったの?


与党議員の[議員の本分][議員としての良心][人生をかけた勇気]に期待したい。


私はこの安保法案に反対です。

2015年04月25日

選挙を候補者以外の目線で捉えるチャンス【選挙運動期間最終日から見えてきたもの】

本日、選挙運動期間最終日。もしも選挙になっていたら私も大忙しな一日だったはず。でも無投票当選で何もない。
ところが、そんな私に思いがけないチャンス到来。そう、自分に何もないからこそ「他の自治体の候補者がどんな選挙をしているのか?」「市民の目線で、各候補者の選挙運動はどう見えているのか?」を、この目で確かめられるチャンス! 

早速、統一地方選挙後半で議会議員選挙が行われている《岩見沢》《南幌町》《当別町》に行って見てきた。
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【事前調査/インターネットによる情報】
まずはインターネットで各選挙管理委員会から発表されている候補者情報をチェック。自治体によって公表している情報に差があり、候補者の「名前」「性別」「所属」しか掲載されていないところも。

これでは候補者の背景が全く解らず想像もできないし興味も薄れる。せめて「別紙 平成27年4月26日執行月形町議会議員選挙立候補届出者」くらいの資料は掲載して欲しいし、選挙公報が公開されていればなお良し。(しかしながら月形町を始め、特に町村では選挙公報そのものを発行していない自治体が結構ある。残念。)

候補者のウェブサイトを確認。上記届出書に記載されたアドレスをチェック。内容は様々。候補者の考え方や方針、実績が載っているものもあれば、遠い過去にページをつくっただけ(更新なし)のもの、できない理由(言い訳みたいなもの)が書かれてるだけのブログ、キャッチーな言葉だけ(一般論と流行の言葉が中心で、本人の考えや言葉が見えないもの)が並んだページなどもあった。

その中で目にとまったのは、街頭演説の日程が掲載されたもの。この時間にここに行けば、確実にこの候補者の声を聴くことが出来る! そう、これをめざして行ってみよう!


【実際目にした選挙運動】
選挙戦最終日。私も候補者だったからわかる。終了時間が見えて、気持ちが上がり踏ん張りもきく。演説は回数を重ねてよくまとまり、自信もついてくる。候補者の本質が最も現れる日。

■街頭演説を聴きたくて、予定時刻に予定の場所へ。4人乗りの軽自動車選挙カーが時間通りに現れ、4人(候補者、司会者、補助者、運転者)がシステマチックに動いて、すぐに候補者が街頭演説を始める(約2分間)。演説中に証拠写真(「現在、街頭演説○○回目のプレートと一緒に撮影。たぶんネット掲示用)。そのあと司会が投票の呼びかけ等を行っている間に、候補者は聴衆と握手し、予定の所作が終わるとあっという間に立ち去った。その間5分以内。街頭演説というより「ゲリラ演説」という印象。新鮮! スゴイ! なるほど!
既に500回を超えた街頭演説は一般論が中心だが短くよくまとまっているし、何より自信を持って話しているのが良かった。それに4人のチームワークが抜群で、組織がしっかりしているのも感じる。たくさんのチャレンジが含まれていて、とても参考になったし、興味もそそられた。

■候補者が自転車による選挙運動をしているところにも遭遇。ネットでもたくさん紹介されているが実際に目にしたのは初めて。色々なやり方があると思うが、私が見たのは・・・ 
候補者が自転車に乗り先頭を走る。その後ろをゆっくりと選挙カーが追従し、ウグイス嬢が名前を連呼。住民の姿が見えると候補者は自転車で向かい、自転車を降りて握手。素早い! なるほど、こういう仕掛けになっていたのか!
自転車遊説のネット写真を見て、私は勝手に候補者が一人で頑張っていると思っていたが、現実は違うこともあると気づいた。ウグイス嬢が連呼してい前方で自転車に乗っているのは、どんな意味があるのだろう? 私にはパフォーマンスにしか映らなかった。でも「有権者とふれ合う」という意味では、選挙カーから手を振るよりは目標達成できるだろう。1つの選挙スタイル。

■政党による組織選挙も見た(月形町では政党所属候補者がいないので新鮮)。
演説の声が遠くから聞こえたので現場に直行してみると・・・ (現場に行き着くまでに時間を要したので既に演説は終わっていたが、)かなり長い時間やっていたもよう。選挙カーと遊説隊を乗せた車が何台も沿道に止められ、おそろいのジャンバーを着た運動員が実にたくさん群がっていた。その近くにもたくさんの聴衆。組織の力はすごい!
個人的に候補者のことを知っているが、普段とは違った雰囲気だった。

■「○時○○分(5分後)より、△商店前で街頭演説を行います。」という選挙カーの呼び込みに誘われて現地に。候補者と数名の運動員が配置につき、いよいよ街頭演説が始まった。
第一声を聞いた時、あまり慣れていない話し方に「選挙期間中、あまり演説してないんだなあ」と期待が半分薄れていく。しかし、約10分間の演説は、立候補の理由、現状の課題提起、町の未来像、議員としての取り組み方など、候補者自身の考えを候補者自身の言葉で綴っていて次第に引き込まれた。演説が終わったとき、私は惜しみない拍手で「頑張って!」の気持ちを表していた。

■一番多く目にしたのは、選挙カーの助手席に候補者が乗り、後部座席におそろいのジャンバーを着た運動員とウグイス嬢がいて、大きく手を降りながら候補者の名前と選挙特有のフレーズを繰り返すスタイル。 
確かに、名前の連呼は「あっ、○○候補が近くにいるんだ!」ということを伝えるのにはいい。私もそれぞれの自治体に知り合いの現職議員がいるので、その人の名前を聞けば「会いたい」とも思う。けれど、全く知らない候補者の場合、名前を聞いてもどんな人なのかは想像できない。選挙公報やウェブサイトがあれば調べられるが、往々にしてそういう候補には情報がない。結果、何の印象も残らなかった。
また、今回出会った選挙カーのほとんど全てが「ウグイス嬢=女性の声」を使っていて、街中に女性の声があふれていた。道内の市町村議会には女性議員は1割もいない。なのに選挙の時は女性の声が響くから、女性が政治に参画しているような間違った印象を与えているのではないかと感じた。もし候補者だけの声しか許されないなら、中高年男性の声がほとんどになる。選挙運動そのものの印象も変わり、多様な候補者の必要性を実感できると思う。
それから、ビルが建つ都市部での連呼はスピーカーの音が反響して、とても聞きづらかった。何を言っているのかも解らない。辛うじて名前の一部を判別できる程度。市議会の候補者ほど立派なスピーカーを搭載していたが、実際に使える場面はそう多くないようにも思った。
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選挙をする側(=候補者側)にとって、選挙期間はあっという間に感じるし、とても濃厚な時間。しかし、一般市民の感覚で見ると、選挙カーに遭遇する機会は案外少なく、非日常の一コマくらいなものなのだとわかった。実際、私はたくさんの候補者の様子が知りたくて、あちらこちらを走り回ったけれど、出会えた選挙カーは数えるほど。事前調査でお目当ての候補者が数人いたが、最後まで出会えなかった。

「選挙」に対する感覚は関係者と一般市民とでは、相当に違っているのがよく解った。この温度差を縮めなければ、投票率の向上も、無投票選挙の回避も進まないと思う。そのためには、市民が欲しがる情報をきっちり提供することが必要で、特に選挙管理委員会には情報提供システム(最低でも、詳細な情報の載った届出者一覧や選挙公報の作成とウェブでの公開、それらがリンクなどを貼り合って一元的になっているシステム)を構築してほしい。

一方、候補者は、どこに行けば会えるのかの情報(街頭演説等の日程や遊説ルートの公開等)を積極的に行うべきだと思う。選挙運動の目的を「有権者とふれ合う」ことにする場合でも、行き当たりばったりより事前に予定として解っていた方がいい。インターネットや携帯・スマホ等の発達で、情報環境は一昔前と全く違っている。普段誰かに会いに行くときも、まずメールなどでアポを取ってというのが一般的になっているから。


今回私は選挙運動期間が1日しかなかった。そのため、街頭演説しかしない方法に限界も感じていたが、今回の調査で悩む必要などないことがよく解った。やり方の工夫は必要だが、路線としては間違っていないと確信した。そして活用できるアイデアもたくさんいただいた。やはり『百聞は一見にしかず』なのだ。


さて、いよいよ投票日。私に投票権はないが、入れるとすれば《○○○○○》候補かな。

有権者のみなさん、みなさんの1票は、あなたのまちの未来をつくります。
どうぞ、想いの丈を1票に表して、投票しましょう。

2015年01月19日

何だか一方通行。欲しい情報と提供される情報の差。【子ども・子育て新制度説明会と認定こども園講演会】

1月17日(土)午前、「子ども・子育て新制度の説明会(月形町保健福祉課から)」と「講演会 〜認定こども園 0歳から6歳までの連続性のある豊かな育ちを〜(主催:月形町認定こども園開設準備委員会)」があり、参加してきました。

会場の交流センターには約40人。託児もあったことから、小さなお子さんのお父さん・お母さんが連れ立って参加されている姿もあり、関心の高さがうかがえます。
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【子ども・子育て新制度説明会】

子ども・子育て新制度は今年の4月からスタートする制度で、自治体が運営する施設は新制度に移行することが求められているため、認可保育所花の里保育園は新制度の適用施設になります。私立の施設は選択が可能で、大谷幼稚園は平成27年度で閉園することもあって新制度に移行せず、従来通りの中身や保育料となります。平成28年度から始まる認定こども園はもちろん新制度です。

新制度になると何が変わるか・・・ 最も違ってくるのは、保育園に子どもを入れたいと思ったら、入園手続きの前に「支給認定」を受けなければならないことでしょう。親の働き方と子どもの年齢によって、1号認定〜3号認定、保育標準時間(11時間までの保育)か保育短時間(8時間までの保育)に区分されます。

これら、子ども・子育て新制度についての基本的なことを、手続きの担当部署である保健福祉課の職員が資料を基に説明しました。もっとも、対象となる家庭には既に資料が配付されているとのことで、特段新しい情報が提供されたのかは疑問です。

特に保護者の関心の高い「新たに設定される保育料」については、「月形町では保育料を引き下げる(国の基準の30%減という)方針は決定しているものの、基準となる国の保育料(が大幅に変わることはない見込みだが)確定していないので、今の段階でハッキリした金額は示せない。今日それを期待して参加された人には申し訳ない(個別の相談には応じる)。確定するのは3月頃になるだろう。」とのことでした。

「保育料」・・・ 家計にとってはシビアな問題です。この金額によって、幼稚園にするか保育園にするのか(働き方も変えるか)迷っている人がいるのも事実。年が明けたこの段階でも保育料が確定していないなんて、ビックリです。国が基準を示していないのが一番の問題としても、保育料の決定権は自治体にあるのだから、町が決めてしまえば良いのではないかと私は思っています。
(現在、30%減にすることを理解している議会ですが、きっかり30%にこだわっているわけではないと感じます。事情と筋の通った説明があれば納得するでしょう。)

今回の説明会では、全体での質問時間が設定されていませんでした(講演会終了後か後日に、担当者まで個別に質問する形式)。また、対象となる家庭には既に新制度の概要(詳しい資料)は配付されていた上、今回の説明会で新たな情報提供がないのであれば、何のための説明会だったのか、私には疑問が残りました。
もし質問時間を設けて疑問点や意見を参加者と行政、あるいは参加者同士が共有できたら、新制度に対する理解がもっと深まったのに、もしくは行政との距離を縮められたのにと感じます。「呼びかけても質問は出ないだろう」と思って質問時間を設けなかったのなら、それも残念。認定こども園に関係するこれまでの流れを見れば、毎回必ず質問や意見が出ていましたから。

どうも一方通行のような雰囲気を感じているのは、私だけなのでしょうか?
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【月形町認定こども園開設準備委員会主催 講演会】

演題「認定こども園 0歳から6歳までの連続性のある豊かな育ちを」
講師   飯沼 美智子氏
(学校法人北海道浅井学園 認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園 園長・施設長)

江別市にある、認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園の園長(施設長)である飯沼美智子さんが、日頃の子どもたちの様子を中心にお話しくださいました。

認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園は、大麻幼稚園が母体となった幼保連携型の認定こども園で、定員は幼稚園部分が200名、保育園部分が21名(0〜2歳は各6人、3〜5歳は各1人)。
0歳〜2歳児は保育所として、3歳〜5歳児は(保育園籍の子どもも合わせて)幼稚園に入園する感覚で保育を行っているとのこと。幼稚園児が帰宅する午後1時半以降は、幼稚園籍の預かり保育と保育園籍の保育を、保育所的に行っているそうです。

認定こども園の良いところは、親の就労体系に関係なく分け隔てなく生活できることで、保育園と幼稚園は「園内での生活時間の違いでしかない」とも。

ただ、平成27年度から始まる子ども・子育て新制度には移行しないとのこと。現状で保育料が確定できず保護者に説明できないことが問題と考えたからだそうで、平成27年度は一旦認定こども園を返上し大麻幼稚園とまんまる保育園という形態にした上で、平成28年度から新制度の認定こども園になるとのことでした。
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今回の講演会、チラシには「講演では、認定こども園について、わかりやすくご説明いたします。」となっていました。確かに、認定こども園大麻幼稚園まんまる保育園については理解できたのですが、月形町がめざしている花の里保育園を母体にした認定こども園の姿は全く理解・想像できませんでした。そもそも、定員が220人以上いる都市部の私立幼稚園が母体となった認定こども園と、少子化で他に選択肢がない地域にある定員80人の保育所を母体とした認定こども園とでは、園の雰囲気も、地域での役割も、子どもたちの時間の使い方も相当違うのではないかと思うのです。

月形町は学校法人北海道浅井学園の北翔大学と包括的連携協定を結んでいることから、その延長線上で認定こども園に関して連携していこうということなのかもしれませんが、それは施設や運営側の研修の中で積極的に活用されればいいのではと思います。現段階で私たちが知りたいのは、花の里保育園がどのような姿の認定こども園になるのかということで、同じような立地で同じような背景の自治体が運営する認定こども園の実態こそ、知りたいのです。

そして、もっとも知りたい情報は「認定こども園開設準備の全体像」です。

そもそも、今回の講演会の主催者である「月形町認定こども園開設準備委員会」は誰が構成員で、どんなことを行う組織なのか、一般向けに説明したことがあるのでしょうか? 
チラシには事務局として教育委員会学務係と書かれていますが、昨年までこの関連の説明会は住民課が主になり、総務課と教育委員会が関わっていました。今年は保健福祉課と教育委員会です。保護者に混乱はないのでしょうか?

それから、認定こども園に関する説明会は昨年2月16日、17日に行われた「月形町の幼児教育についての説明会」が最後。その後の取り進め方や進捗状況など、町側がまとまった形で説明しなくていいのか? (合同保育については、保育園だよりで知らされているが・・・)

これから始まる増改築工事などについても、昨年の説明会の時点とは大きく変更されていることから、説明の時期や状況などの情報を提示しなくてもいいのか?

本来、認定こども園開設において最も重要であるべき主権者(乳幼児、保護者、町民)が置き去りにされている感じがして、どうも解せません。情報開示と、共に作り上げる姿勢がなければ、未来に向かった「まちづくり」はできないと私は考えるのですが、どうでしょうか・・・

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