2018年03月27日

職員住宅を商工会が建設【月形町H30年度予算詳細 /その3】

厳しいことだけじゃなく、私が好感を持った話題も報告しましょう。

この件は大釜議員の一般質問で知りました。関連予算は小さいのですが、これが課題解決の先駆けになると感じたので。

月形町の職員数は67人(一般行政職64人+医療職3人/平成30年4月1日予定数)。職員には専用住宅があるものの不足していて町営住宅に住んでいる人も多いです(もちろん持ち家の人もいる)。町営住宅はほぼ満室のため町外から町内事業所に通わなければならない人もいて、町民が町営住宅に住めるよう町は職員住宅を準備すべきという意見が以前から一部に出ていました。

■今回提案されたのは、
・月形商工会が町有地に、1棟6戸(独身向け)の役場職員住宅を建てる。
・町は20年間全室を借り上げ、管理は商工会が行う。
 (町は職員から規定の住居費を別途徴収。差額は職員福利厚生として町が支出)
・20年後に商工会は建物を町に移管する。
というもの。
※一般質問や予算審議では詳細がわからなかったので、独自に調査して事業の中身を記載しています。

■月形商工会にとってのメリットは、
1)商工会員の町内業者に仕事を作れる。
2)住宅建設のための土地を用意しなくてもいい。
3)町の「民間賃貸住宅建設補助」から1戸あたり60万円×6=360万円の補助を受けられる。
4)賃貸料1戸45,000円/月×6戸が20年間にわたって保障されるので、安定した収入源になり建設費も捻出できる。

■町にとってのメリットは、
1)直接建物を建てると過剰仕様で高額になりがちだが、民間が建設した建物を借り上げることで相対的にコストを抑えられる。
2)管理は商工会が行うので、管理経費がかからない。
3)町内産業を活性化できる。

似たような手法はすでにあちこちの自治体で展開されているものの月形町では初めての事例です。この手法が上手くいけば町内各種事業所の社宅建設のモデルにもなるので、経過を見守りたいと思います。

なお、一般質問で町長は「詳細は予算可決後に決めていく」と答弁していて「何も決まってないのに予算計上しているの?」と驚いたのですが、実際はほぼ固まっているようでした。
本会議は事業のPRの場でもあるのだから、もっと情報を公開して欲しいと思います。

2018年03月23日

月形町立病院の経営【月形町H30年度予算詳細/その2】

月形町予算の話題に戻ってきました。今日は町立病院の話し。
※写真は2012年7月に撮影

月形町立病院の経営が厳しい話しは何度となくしてきました。

1年程前に整形外科の常勤医であった副院長が退職し、常勤医は内科の院長だけに。診療科目と救急診療はそのままに、派遣医をやりくりしながらしのいでいたものの「患者の数がめっきり減ったね」と心配する声が大きくなり・・・。町長は経営形態の見直しを昨年秋までに行うとしたものの遅れに遅れて、結局、何も手をつけないで「現状を維持する」と言ったような言わないような雰囲気に。

そうこうしているうちに、もう何十年も院長を務めてきた唯一の常勤医師がこの3月末で退職することに(定年を2年延長して働いていただいた)。しかし、その後任医師がなかなか決まらず、常勤医師がいなくなる事態も想定されたのが、この3月定例会が始まる頃の状況です。

町長の平成30年度執行方針で何か方向性が打ちだされるのかと思っていたら、「現体制の維持と円滑な運営に努めてまいります。また、引き続き経営体制の見直しを進め、さらなる経営の効率化や医療提供体制の確保について検討してまいります。」と、例年と同じトーンの文言が並んでいるだけ。

はて? 
結局、病院はどうなるんだろう?
医師の確保はできたのだろうか?

予算審査で明らかにされるだろうと聴き耳を立てていたら・・・

信じられないことに、私が最も聴きたかった病院経営に対する赤字補填の部分が読み飛ばされ、それに対して議員の誰一人も指摘することなく進み、さらに驚いたのは、何1つの質疑もなく町立病院の予算審査が終了したのです!!! そして、最後の総括質疑でも(笹木議員が若干触れた程度で)真正面から問い質す議員はいませんでした。

新しい医師は? 病院の赤字は? これからの病院経営は?

議会でのやり取りは、議員が納得することだけが目的ではありません。公の場で議論することで課題や問題点を町民と共有することができ、ともに考え答えを導き出す「合意形成」の一助になるのです。たとえ事前に全員協議会で説明したり、説明を受けていたとしても、広く広報される本会議や予算特別委員会の場で情報をオープンにすることは必要です。それが全くなかったことに(町長にも議員にも)心底ガッカリしました。
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そんな状況だったので、私が独自に調べました。

■町立病院の経営
平成30年度国民健康保険月形町立病院事業予算の事業収支は総額6億1128万9千円。そのうち一般会計からの繰出総額は2億6570万円。ここには特別交付金や約束で繰出すもの(←これらをまとめて「ルール分」と呼ぶ)を含みますが、赤字補填も入っています。
・一般会計からの赤字補填額 1億4123万3千円

ちなみに、予算段階での赤字補填額は
 平成29年度 1億1460万円(これに年度末に3818万円追加)
 平成28年度   7667万円(これに年度末に2737万円追加)

毎年度、患者数が見込みより少ないことから追加補填が必要になっています。
平成30年度予算の基礎数値をチェックしたところ、患者数の見込みが今年度予算時とほぼ同じで甘い見積であることから、「(病院体勢の)現状維持」では、更なる赤字補填が必要になると予想されます。

病院全体の予算が6億円の中で、1億5千万円が赤字補填とは!
一般会計35億円の中で、病院の赤字補填に1億5千万円を出すなんて!

こんなにも赤字になっていることを町民は全く知りません。キチンとした数字を知らせていないからです。でも、その負担を負っているのは町民です。現状維持でで本当に良いのか、問う必要があります。

現状の病院体制を維持するために、
・どこまでも青天井で赤字補填をするのか? 
・何か歯止めとなる基準を設けないのか? 
・経営改善のために、取捨選択することはないのか? ・・・

議員に質して欲しいことがいっぱいありましたし、町長に答えて欲しいこともいっぱいありました。それなのに、何1つの質疑がないなんて!!! この予算を提出したのは町長で、承認したのは議会議員なのですよ。その重大性を認識して欲しいです。

■常勤医師の確保
定例会では何も語られませんでしたが、3月16日発表(17日朝刊に掲載)された人事異動で、4月1日付けで医師が赴任するとの記載がありました。常勤医師の不在は防げたようです。
ですが、それなら、もっとキチンと、堂々と、正式な場で発表があればいいのにと思いました。町民の想いが届いていない印象です。

2018年03月21日

傍聴で解ること【一般質問の傍聴/浦臼町議会】

今回は隣町の議会の話し。

昨日(3月20日)、お隣の浦臼町(車で北に20分)議会の一般質問があったので傍聴してきた。
浦臼町は人口1,900人ほどで、明治32年に月形から分村してできた町だが、北海道の地域割りでは別(月形は南空知、浦臼は中空知)になるので交流は少ない。ただ、最近はJR札沼線沿線として一緒に協議しているので以前よりは身近かな。

浦臼町議会は議員9(うち女性1)。唯一の女性議員、折坂議員とはほぼ同じ時期に議員になったこともあり、ともに高めあう仲。折坂議員は町内で仲間との勉強会を続け、様々なことに問題意識を持って一般質問をしているので、ずっと傍聴したいと思っていた。

当日は6人の議員が一般質問に立ち、午前10時〜午後3時半まで、昼休憩(約1時間)と短いトイレ休憩が少し入る程度で一気に進められた(一般質問のあとに本会議が予定され、最終議決をして閉会する流れだからビチビチになるのは当然)。ここの議会も圧縮感があって効率的に運営されていた。そして傍聴者の数も多い。1日通しで聴く人もいれば、都合の良い時間だけちょこっと聞きに来る人もいたりして・・・総勢10人。そのうち半数は女性。なかなか。

【浦臼町議会の一般質問】
・最初は一括方式、再質問からは1項目ずつ。1項目再々質問まで。
・対面(質問席が議席の中央に設置される)
・質問時間は、(答弁も含め)1人最大1時間。
・資料は、定例会で使う全てが一綴りになった資料が全体に1部(閲覧のみ)+質問者と項目を記載したA3両面チラシ(事前に町内に新聞折り込みで配布してあり、当日配布はナシ)
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【傍聴】で気づいたこと

■傍聴者は皆、新聞折り込みされた一般質問のチラシを手に集まってくる。というのも、傍聴者への資料は、定例会の全てが一綴りになった閲覧用が1部あるのみで他にはない。一般質問の順番や要旨を知るにはチラシが無くてはならない状況だから。(私は事前にもらっていたので手元にあったが、もし町外の人や新聞をとっていない人がふらっと来たら訳がわからないだろうな〜。ここは改善の余地ありと思う。)

■閲覧用の資料には議案や通告書、予算書や追加資料等も全てあるので、ベテラン傍聴者は順番に読み込んでいる。こんなに読まれてるなら、何部かあってもいいようにも感じた。

■傍聴者の中には、議員の仲間だけでなく、傍聴が趣味で20年来通っている人など、関心が高い上に議員と親しい人も多い。気軽に会話を交わしている様子が「身近」な印象を与える。

■傍聴席用に前方天井にスピーカーが設置され、とても音響が良かった。耳の遠い高齢者の方も聴き取れているよう。また、傍聴席が議席より数メートル高い位置にあるので、議場全体を見渡せて臨場感があった。傍聴に来たくなる要素だと思う。
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さて、今朝の北海道新聞(空知版)に、昨日の浦臼町議会で激しく議論された「ジビエの解体処理施設」について掲載されていたが、昨日の議論の様子とは全く違った印象の記事になっている。

一般質問で2人の議員が、現場の実態をもとに事業の詳細を問い質したのに対して、町側の答弁は曖昧な部分が多く、外野の私でさえも「この程度しか中身が決まっていない事業を承認させるのか?」と町側の強引な進め方に疑問を持った。
一般質問後の新年度予算の議決では、この施設の部分で反対討論2本(賛成討論2本)があった上で原案可決になったとのこと。

そんな雰囲気を微塵も感じさせない、この記事! 

傍聴席に記者はいなかったので、町側からの事前情報で全てを書いた記事のように見える。でもその違いが解るのは私が傍聴していたから。実際には、全くこれからのスタートで、指摘された様々な課題を解決していく必要がある。これじゃあ議会で課題をあぶり出し、まちのために努力している議員が可愛そうだ。

2018年03月17日

傍聴しての感想【月形町議会 予算特別委員会&第1回定例会/終了】

昨日(3月16日/金)午前中に予算特別委員会の最終審議「総括質疑」が行われ、委員長と議長を除く全議員から一通りの質疑があって(総括質疑をすると議会だよりに掲載)、その後の討論はナシで平成30年度予算(一般会計を含む計6会計)は原案可決(←ここまで傍聴)。
午後から本会議があり、議会として予算を認めて閉会しました。

今回、月形町議会の一般質問と予算審査全日程の計4日間を傍聴したので、全体的に感じたことを記します。

※ 写真は役場正面の樹木。メタセコイヤも、きたこぶしも、松も、下枝をスッキリ整えてもらってサッパリ。今年は雪が多いので、高い位置まで選定できています。雪が融けたら雰囲気が変わっていることでしょう。(3月15日撮影)

■ぼやけてぬるく、薄い緊張感
・・・ この1年の方向を決める3月定例会だというのに全く緊張感を感じられなかった。特に今年はJR札沼線や町立病院がどうなるのか町民が関心を寄せている(もしかしたら、町民はもう諦めたり呆れていて関心を寄せていないかもしれないけれど、少なくとも話題にはなっていて多数の記者が傍聴に来る状況)なのに、その雰囲気を全く感じさせない議会だった。
総括質疑は全員が行ったが必ずしも総括的でない問いも多かった。そもそも、一つ一つの事業を精査する段階で質疑を行ったのは4人の議員だけ。3人は石仏状態で一言も発しなかった。これらも緊張感が薄くなる要因だと思う。

■氷の上を滑るような質問と答弁。傍聴者の無力
・・・ 議員の質問や質疑は最初だけは勢いがあるが、答弁に疑問が残っても、真意が伝わっていなくても食い下がることなく収めていた。一方、答弁する町長は「議員と同感」を多用し、職員は狭い範ちゅうだけを答える場面が目立っていた(どこかで見たような光景)。
結局、深みのない、表面を滑るようなやりとり。私にはいくつもの疑問が残ったが、議員が納得したらそれ以上を聴くことは出来ない。傍聴者は無力だとしみじみ思う。

■町民の関心ある話題はスルー?!
2月の「議会と町民の懇談会」で町民の関心が高かったのは、町立病院の医師確保と経営の問題。町政執行方針には例年通りの当たり障りのない言葉が少しあるだけ。一般質問もなく、町立病院事業会計の予算審査での質疑はゼロ(総括質疑で笹木議員がそれとなく触れてはいたが・・・)。一般会計からの赤字補填が年々増えて今年は1億4千万円(去年より3千万円増)にもなっているのに!大丈夫なの?

■達成可能な数字だけが独り歩き
事業には目的がある。それを達成するための予算(のはず)。だけど目についたのは「実績をもとに、実現可能な範囲で予算化した」事業。テクニックとしては理解するが、それじゃあ予算を消化するだけで事業が先に繫がっていかない。
月形町をどうしていきたいのか、明確な意思とそれを具体化する策が欲しい。

■町長の想いは解った。具体的に何をやるのか?
いつものことだが、町長の「想い」を聴く場面はたくさんあった。だけど、それをどうやって実現するのかは一度も聴けなかった。予算を見てもわからなかった(明確な政策を打ちだした事業はなく、これまでの延長線上や上乗せした事業がほとんど)。
数名の議員から「計画性や検証性が不足している」との厳しい指摘に、「私もそう感じる」と答えちゃダメ。町長がやりたい「まちづくり」を実現するために予算を組むのだから。町長が提出した予算なのよ!

この辺で止めておこう。個別の事業については別立てて。

私、町長は批判されてナンボだと思ってます。そこが議論の始まりであり、相互理解の糸口になるから。
多様な社会で、批判を避けたり、批判されないことが良いことだと考えているなら、結局、何もできないでしょう。

2018年01月11日

2018年(平成30年)今年もよろしくお願いします。


みなさん、平成30年もどうぞよろしくお願いします。

昨年来、ブログの更新が滞っていて大変申し訳ありません。最近はfacebookでの発信が中心になり、ブログへの投稿がめっきり減ってご心配をおかけしました。新年のご挨拶をした際に、ブログをご覧になっている方から「どうした?」とのお声をいただき、ブログが大事な情報発信と交流の場であることを改めて感じた次第です。

私はいたって元気で、今までと相も変わらない活動を続けています。記事は書き溜めているのですがブログで公開していなかっただけですので、過去に遡って随時公開していきます。よろしければご覧ください。また今年に関してはブログでの発信にも注力していきます。

さて、
平成も30年となりました。時代も変わろうとしています。

月形町は、JR・病院・温泉施設という喫緊の大きな課題を抱えながら、少子高齢化や人口減少という現実をどう受け入れ、未来に向けた希望をどう生み出すかが求められています。目の前の課題解決に全力投球するあまり近視眼的になり、未来への投資不足や時代の潮流を見失ってしまっては、まちの活力は急速に失速します。
今、町民一人一人がそれぞれの立場で力を蓄え、未来へ繫がる準備を進めましょう。「いざ」というと瞬間に力を発揮できるように。

そこで私は、今年のテーマを「作る」「生み出す」にしました。

これまでの50年の人生で貯えた経験や技術や知識や知恵や人脈をフルに使って、何かを「生み出したい」と思っています。まずは具体的に「作る」ことから。

昨年12月の連日の大雪とうって変わって穏やかだった年末年始。ゆっくりと過ごせた時間から生み出したものは、この「手帳カバー」です。毎年手作りするのですが、今回は刺し子に初挑戦。ヒヤシンスの刺繍も添えて、豊かな時間を閉じ込めた手帳カバーができあがりました。これを携えて、私の1年の仕事も人生もスタートしています。

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