2019年03月17日

一般質問とは・・・【平成31年第1回定例会/その5】一般質問の報告(1)全般

先日の一般質問、上坂町長と私が初めて対峙した一般質問(6項目)は、2時間半(+10分休憩2回)とほぼ予定どおりに終わりました。
この間、お互い真剣に発言していたので一見充実した一般質問と思った人もいるかもしれませんが、中身は惨たんたるもの。全く議論になっていませんでした。
 
町長の答弁は、私の質問事項を否定するところから入り(←執行側とそれをチェックする側という立場の違いがあるので、対立するところから始まるのは当然。それは理解できるが・・・)、そのあとの質問意図の解説も指摘事項も提案も全く聴く耳がなく、ただひたすらに現状の説明と正当性を主張するのみ。何一つ受け付けず、最後は感情的な部分が見え隠れし、質問前より悪い状態で終わりました。
 
この要因は、「議論に不慣れ」な町長が「一般質問の目的を理解していない」ままに議論に参加したことにあると思います。これまでの2年半一般質問を傍聴してきましたが、町長と議員との間にお友達感覚があって「急所は責めずに寸止めで終わる」という(町民にとっては)モヤモヤ状態の一般質問しかなかったので、それが一般質問だと思っていたのでしょう。上坂町長にとっては初の真剣による勝負だったと思います。なので、通告初段階で「一切聞き入れない」と決めたのかもしれません。
 
私が一般質問するときに心がけているのは「議論によって問題の現実的解決策を見つけ、早急に町行政に反映させる」ということ。だから、
●常日頃から現在進行形の町政の課題を見つけるようアンテナを張り
●関係する町民の声を聴きに行き
●個人的事例から公的な課題をみつけだし
●その課題の背景や根拠などを徹底的に調べ
●今の月形町で取り組めることを提案する。

という流れで準備を進めます。
 
一般質問に取り組むことで法令や事業背景なども調べるので、ともすれば難しく専門的になりすぎます。なので、質問の際は「この件を初めて聴く町民=傍聴者が理解できるように」「平易な言葉」で「順序立てて」「論理的」にするよう心がけています。
 
今回の一般質問が終わってから傍聴者や記者とも話しをしましたが、みなさん私の質問意図も町の課題も理解していました。なので、私の質問がトンチンカンだったとは考えにくいです。
 
にもかかわらず、同僚議員からは質問中に「長すぎる」「同じ質問を繰り返してる」「何を聴いているのか解らない」などの小さな声のヤジが繰り返されていましたし、休憩中には「質問と全く関係ない演説を延々としている」「何で最初に具体的事例を出さないんだか。それだけ聴けば済むことなのに」などの大声の独り言も。
私の発言をちゃんと聴いていないだけでなく、「一般質問は単なる質疑でない」という原則を解っていないのだと思いました。残念です。
 
ただ一つ救いだったのは、堀議長が公平な采配をしてくれたこと。
過去には、質問途中で遮られ議長室に呼ばれた上で質疑終了のようなこともありましたから。今回は、答弁漏れの指摘など標準的な対応をしてくれて信頼感が増しました。

2019年03月16日

部屋の片付けは心の洗濯【定例会の合間に】

昨日で予算特別委員会の各会計の事業別審査が終わり、あとは月曜日の予算特別委員会/総括質疑と、本会議での最終議決だけ。(と言っても総括質疑は重要で重たいのですが・・・)
 
怒濤の1週間を乗り切って、昨夜は久しぶりに布団で寝ることができました。布団ってこんなに気持ちよかったんだ〜〜〜と思ったとたんに朝でしたけどね(笑)
 
毎年そうですが、一般質問と予算審議の時は「完全のめり込み体制」なので家事は最小限。家中がとっちらかってしまったり、食事が貧相になるのは仕方ないと、家族全員受け入れています。が、今年は・・・
 
例年3月は毎日のように降雪があるのに、今年は2月16日から一度も除雪しなくてもよい、豪雪地帯にとって天国のような年。なので、夫は24時間自由を手に入れ、私の経理システムを作り、アプリ開発の勉強をしているのですが、さらに家事全般も!
 
私たち夫婦は「労働時間は等しく」「家事は得意な分野を優先に、できる方がする」という基本があって、ここしばらくの家事は、時間的余裕がある夫が大部分を担ってくれました。
本当に有り難いことです。私が議員の仕事に集中できるのは夫のおかげが過分にあります。だからこそ、それに報いるのは議員の仕事を目一杯頑張ること。何があってもめげないよ。諦めないよ。ますます集中するよ! 
 
今日は土曜日。夫は札幌へプログラミングの勉強に出かけました。
ならば、部屋を片付け掃除をしよう! 
気になっていた雪崩を起こした新聞の山がスッキリし、ホコリだらけの部屋がサッパリし、トイレはピカピカになって・・・ 心の洗濯もできました。
 
おっ! 夫が帰ってきたので夕飯にしましょう。
では、また明日。

2019年03月06日

〆切間際に通告書提出完了。6番目ですって‼️【平成31年第1回定例会/その2・一般質問の通告〆切】

今日の正午、〆切間際に通告書を提出できました〜〜〜。
ようやくホッとできたのと蓄積した睡眠不足により午後は久々の昼寝。英気を養って次の課題に取り組めます!
 
私の一般質問は以下の6問。あと1つ教育分野の質問を予定していたのですが、中途半端になりそうだったので諦めました。発言時間(質問と答弁を合わせた予定時間。質問者が内容を加味して設定)は全部で3時間にしました。これから質問原稿を作成していきます。
 
さて、月形町議会では明日の議会運営委員会を経て一般質問の日程が確定するのですが、通常「通告順」に質問していきます。私は最後なので3月13日(水)になります。
 
それにしても嬉しい驚きは(議員10人中)6人も質問するということ。うちの議会は毎回2〜3人しか質問しなかったですし、改選期前の最後の議会(4年毎の3月議会)は特に少なかったんです。それが6人とは‼️
補欠選挙で当選した私と新人議員が質問に立つことも影響していると思いますが、4月の選挙は定数削減(10→8)で選挙になりそうな雰囲気もあるようなないような。やっぱり選挙って大事ですね。
 
 
余談ですが・・・ 昨日の朝の1発目のバトルの件。
 
本会議前の全員協議会で議事日程の打ち合わせをする際「行政報告で質疑を行いたい」と申し出ました。月形町議会では行政報告は書面報告(印刷物を事前に配布し、議場では「お手元の通り」で終了)にしています。内容に疑義がある場合は議場で「議長!」と動議をかけるのですが、いきなり動議を掛けるよりも予告したほうが手順としても良いかと思って(過去にそういう場面を目撃しているので、次善の策のつもりだった)。
 
ところが議長から「行政報告への質疑は認めない」「どんな内容なのかに関わらず、いきなりの質疑は町側が答弁を考える時間が必要だから」とのことで「行政報告に対する質疑があるなら一般質問で行うように」とのことになりました。
 
私としては会議規則を準用したかったのですが、副議長と議会運営委員長からも「これは議長の裁量案件。これ以上の議論は無用」とのことで撃沈。議長経験のある議員からは「文言の間違いや内容を確認したい場合もあるだろうに、質疑を全て受け付けないのも乱暴だ」という話もありましたが・・・
 
3月の定例会は日程の関係で、会期の途中に一般質問の通告〆切日が設けられているので質問することが可能なのですが、他の定例会では行政報告が手元に届いていない開会10日前に〆切です。つまり何か質疑をしたくても翌定例会まで持ち越さなくちゃならない! ヘンなの!!
 
ということで、質疑したかったものを一般質問に盛り込みました(6番目の質問)。一般質問にするからにはそれなりに仕立てる必要があり(質疑と質問は本質的に違うので)、何だか大仰ことに。まあ、それも仕方ないですね。
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1.全ての町民高校生を対象にした教育環境支援について (答弁者:教育長・町長)
 言うまでもなく、子どもたちは社会・地域の宝である。その子どもたち1人1人が尊重される教育とそれを支える支援が必要である。
月形高校存続が至上命題の月形町では、月形高校生だけを優遇した教育支援を行っている。本来、月形高校存続は行政課題であって、教育支援とは分けて考えるべきものではないのか。
様々な状況から町外への進学が1つの選択肢になっている現状を見たとき、進路に関係なく全ての町民高校生に教育環境支援を行うことが重要ではないのか。月形町として子どもたちを等しく支援することで郷土愛も育まれると考える。
教育長、町長の見解を伺いたい。
 
 
2.求められている「町民の移動手段」とは−月形町地域公共交通網形成計画について(答弁者:町長)
高齢化率41%の月形町民にとって移動手段の確保は最重要課題である。そのため現在策定中の「月形町地域公共交通網形成計画」には期待を寄せているが、そこで議論されているのは一般が利用できる「公共交通」であって、会員制の「福祉タクシー」は対象外である。
月形町内において現在もこれからも「公共の移動手段」を最も必要とするのは高齢者であるが、この計画はその高齢者の実態とニーズを充分に捉えているのだろうか。このままの計画では需要と供給のバランスを欠き、町民の期待に応えられないのではないか。
 月形町として地域交通を考えるなら、福祉タクシーも含めた総合的な「町民の移動手段」を構築する必要があると考える。
町長の見解を伺いたい。
 
 
3.月形町における町立病院の在り方について (答弁者:町長)
 町長は町政執行方針の中で、町立病院を「公設民営化のへき地診療所」にする方針を打ちだしたが、唐突感が否めない。まずは、この決定までの経緯を伺いたい。
 町はこれまで「町立病院の経営」面から町立病院の在り方を論じてきたが、本来は、町民や利用者のニーズ、町内全体の医療・福祉・介護の状況、広域体制を鑑み、町立病院の在り方や方向性を打ちだす必要があったと考える。
 町立病院が新たな体制に向かう前に、月形町としての病院(診療所)の在り方を町民と対話し、共有する必要があると考えるが、いかがか。
 
 
4.町民が求める情報共有と参画の場について (答弁者:町長)
 町長は「各団体や町民のみなさまに積極的に情報提供を行い」「町民皆さまのご意見をしっかりと伺った上で」と明言しているが、現実には「団体」に重きを置き、広く町民には対応していないと感じる。
 行政手法としての広報広聴の手続き(アンケート・説明会・パブリックコメント)は行っているものの、町民が広く理解するまでに情報が行き渡るのは決定間際か決定段階である。町民が参画できる段階でのきめ細やかな広報広聴と、町民側の視点に立った情報提供・情報共有が必要と考える。
 町長の見解を伺いたい。
 
 
5.役場が機能するための事業仕分けについて (答弁者:町長)
 近年、地方創生を旗頭に様々な計画が策定され、規定された年次毎に新たな施策が盛り込まれている。一方で、古くからの施策も十分な評価がないままに温存されている。現在の月形町行政は施策の海に溺れているのではないか。
 昨今の行政は分野横断的であり、高い専門性も求められている。また、働き方改革のもと効率性が求められている。的確で有効な行政を行うためには、大胆な事業仕分けによって事業の絞り込みが必要と考えるが、いかがか。
 
 
6.行政報告への葬儀の掲載について (答弁者:町長)
 毎定例会に提出される行政報告は、過去3ヶ月に行政が何を行ったかを報告・公開するものである。月形町では慣例で日程表的書式の書面報告となっている。
 その行政報告に、上坂町長就任時から
○月○日  葬儀(△△家)  □□場所
という書式で葬儀が掲載されるようになった。このことに対して以下の疑問があるので、お答えいただきたい。
1)葬儀出席は公的な行政の仕事なのか?
2)葬儀は「家」を単位とするものなのか?
3)個人情報やプライバシーの問題から町報への掲載にも確認が必要になっている状況で、公文書となる「行政報告」に掲載することに問題はないのか?
4)町のホームページ>ようこそ町長室へ>主な動き には葬儀以外が掲載されている。なぜ変えているのか?

2019年03月04日

熱い市民と冷たい議員?【美唄市立病院建て替えを考える市民会議・傍聴】

3月3日(日)午前に、お隣の美唄市で市民団体が主催する「市民会議」が開催されると北海道新聞(3月2日朝刊)に出ていたので、これはぜひ現場の空気を感じたいと(市民じゃないけれど)行ってきました。

近隣で、市民が行政問題をテーマに大規模な集会が開かれるのは久しぶり(合併問題以来?)。テーマである市立美唄病院は以前のかかりつけ病院(小児科)で、厳しい運営状況や施設の状態は知っていましたし、今回の新聞記事で議員の関わり方に問題がありそうな雰囲気も。
でも参加した1番の理由は、この建て替えに関連して開催されていた「市民委員会(市が要綱で設置した市民からの提言を求める委員会)」に公募で参加していた友人が、噛み合わない議論に消耗していたのを知っていたから。実態を知りたかったんです。

当日は会場に50人近くが集まる大盛況。これまで3回(市内で小さく)集会を開いてきたそうですが、4回目にして初めて多くの人が集まったとか。道新記事の効果もあったと思いますが、市民が本気で「市立病院の建て替え」を考え出したのだと感じました。

■ 問題の経緯 ■
当初は35億円だった建て替え費用が、計画が進むにしたがって40億円(保健福祉センターも併設)になり、労務単価や資材費上昇をふまえて50億円(基本設計・平成30年1月)になった。その後の市民説明会で懸念の声が上がったことから、市は実施設計の延期を決定(平成30年3月)。
平成30年7月、50億円の基本設計はそのままに、市は市民向け説明会を再開(多数実施)。それと前後して「市民委員会」が設置された。

市民委員会は「市立美唄病院の建替え等について、市民からの意見等 を参考に検討し、市長に提言を行うこと」を目的に、公募の市民(2)+医療・介護関係者(4)+商工農業関係者(5)+学識者(1)の計12人で構成、委員会を6回開催。平成30年11月に提言書を市長に提出して終了。

提言書には
「市立美唄病院の建替え等の必要性は理解したところでありますが、将来負担 やその他の事業への影響の懸念から、依然として反対意見も根強くあります。
持続可能な自治体経営に向け、無理のない財政計画の設計に基づいて、事業費の 抑制や有効な財源確保に引き続き取り組んでいかれることを強く要望いたします。」
と明記。

しかし、市は平成30年12月の定例会で
「市民の皆様の意見や、市民委員会の提言、さらには市議会における議論などを通じて市立美唄病院の建替えおよび保健福祉総合施設の整備の必要性につきましては、ご理解をいただけたものと考えており、今年1月にまとめた基本設計を基本として、中断しておりました実施設計を改めて進めていくこととしたところであります。」

■ 市民会議 ■
市民委員会の委員有志が中心となって、委員会での情報を市民に伝える勉強会として「市民会議」を開催。現状をより深く知るために講師を呼んで学んだり、全議員(14人)に説明を求めるアンケートを実施した。(←2度のアンケート実施も有効な回答がない状態。1人回答を寄せてくれた森川議員は急逝。)

■ 第4回市民会議(今回)の開催目的と状況 ■
3月4日〜定例会が始まることを念頭に、市議会議員全員に出席を求め、定例会に計上される「実施設計の予算」に対する考えや説明を各議員からもらう予定にしていた。
これに対して2人の議員から欠席の連絡があったものの、他11人からは連絡なし。当日の会場に用意された議員席は空のまま。現役議員の参加は0だった。

多くの参加者を集めたものの議員の参加がなく、予定していた内容を変更して開催。市立美唄病院がどうあるべきか(立て替え反対の意見だけでなく、あるべき病院の姿や市域全体の医療体制など)について参加者で意見交換が行われた。また、現状進んでいる50億円規模の建て替え計画に対しては多くの人が反対の意向を示し、どのようにすれば設計変更などが可能なのかも話し合われた。
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市民が自分たちのこととして病院を語った本当に良い機会だったのに(間際の開催案内だったとは言え)そこに現職議員が誰一人いなかったのは非常に残念でした。
議員は採決にあたって市民以上の情報を持っているわけで、真剣に説明を求める市民への説明を放棄してしまった(今回に限らず、アンケートへの回答も不誠実だった)のは返す返すも残念でした。

ひるがえって、うちの議会は、町は、どうなのか・・・

JR問題にしても、現在進行中の町立病院のことにしても、議会や行政という機関としては不十分だと感じています(実施したというアリバイ作り程度で、町民の理解は得られないままに進んでいる印象)。本当に不十分です。
だから、せめて議員個人としては誠実に対応したいと考えています。
 
美唄市は市議会議員と市長選挙が今年6月に行われます。
月形町は町議会議員選挙がこの4月、町長選挙は来年9月です。
 
選挙だけが民意をはかる場でなく、日々の活動が市民(町民)に寄り添うものであって欲しいですよね。

2019年01月30日

町立病院・林院長の退職に対して【1月29日道新+1月25日全員協議会&まちづくり常任委員会】

1月29日(火)の道新で報道された通り、町立病院の林院長が3月末での退職の意思を示しました。このことを私たち議会は1月25日(金)に急遽開催された全員協議会で報告を受けていましたので、補足説明と私の考えも含めて記します。
 
《1月25日(金)全員協議会での町長からの説明要旨》
●林院長から「在宅訪問診療や短期入院などの取り組みを頑張ってきた。町長から度々訓示などもいただいたが、医療スタッフからの理解と協力を得ることができなかった。院長として医師として(この状態は)耐えられない。退職したい」「3月末で退職したいが、後任を探すのは大変なので1〜2ヶ月伸ばすことは可能」との申し入れがあった。これに対し上坂町長は「スタッフの指導と管理で至らなかったことを申し訳なく思っている」
●今後の対応として
・後任確保に向け、全力で取り組んでいる(既に医師募集をかけた)
・スタッフの配置を含め対応したい
・町民に迷惑をかけないよう、これまで以上の病院運営をしていきたい
 ↓
●大変申し訳ない。(解決に向けて努力しているので)時間をください。
 
町長からの説明のあと議員からいくつかの質問がありましたが、最終的に議会は「今は見守るしかない。後任確保に向けて全力で取り組んで欲しい」ということで終了しました。
 
この日は本来、まちづくり常任委員会の所管事務調査で「町立病院の運営」を調査することになっていたので予定どおりに行いましたが、院長が退職することの影響は大きく「院長が決まらないうちは今後の検討などできない」「医師確保が最優先」「医療スタッフとのミスマッチがある以上、医師だけでなく(病院経営全体を引き受けてくれる)組織を探すしかない」などの意見が主流を占め、こちらも「今は見守るしかない」ということで終了しました。
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ここからは私個人の考えです。
 
院長の退職が引き金になった報道と説明だったので医師側の退職理由のみが取り上げられ、ともすれば医療スタッフ側に問題があったように捉えられそうだが・・・ この前段には医療スタッフの大量退職(看護師の退職は年度当初だけでなくその後も続いている。さらに技師の退職も控えている)があった。個別の退職理由は明かされていないが事実が重要である。つまり、組織運営に問題があったと私は思う。
  
町立病院の運営や経営の話しをすると決まって「医療のことに事務方は口を出せない」と言う議員がいるが、私にはよく理解できない。医療行為そのものは医師に任せるにしても、病院運営や経営は事務方(役場)が主体的に進めるもので、スタッフ間の調整や町民への説明なども含めてやるべきことがたくさんあったのではないか。医療スタッフが退職する際に「退職理由は聴かなかった」「去る者は追わない」ということにも驚いた。問題解決のための第一歩さえ歩んでいないように見える。
 
林院長に替わって以降、町立病院が担っている終末期医療が大きく転換した。それまでの長期入院と胃瘻なども含めた手厚い対応から、自然な死を待つ看取り医療に方針転換したのだが、直接関係する町内の老人福祉施設側との連携・確認はしたものの、町民は蚊帳の外だった。看取り医療がどういうものか町民は当事者になるまで解らず、お見舞いに行った人から「酸素も着けないで音もしないで寝てるだけ」など不安や不満の声を聴く機会が増えていた。町民への説明や周知不足は否めない。ここを担うのは事務方ではなかったか。病院利用者=町民への配慮や視点が不足していたのではないか。
同様に、平成29年11月に「町立病院運営体制改革検討結果報告書」が作られたが、検討メンバーは役場職員のみ。専門家や利用者の視点は含まれていなかった。
 
今、林院長が退職することになって「後任の医師を確保するのが最優先」となった。確かに常勤医師がいなければ病院は成り立たないから最優先事項だし、医師不足の社会情勢から「誰でもいいから来てくれる医師を」という空気になっているのも理解できなくもない。
だが、次に院長になる医師が「積極的医療を行う医師」だったら、月形町の終末医療はまたも180度転換するのか? 医師が変わるたびに町立病院の在り方が変われば、振り回されるのは町民であり、老人福祉施設側。そんな不安定な状況で安心した暮らしができるのだろうか?
 
こんな状況だからこそ、町立病院の在り方を町民と話し合う場を設ける必要があると思う。どんな医療があれば月形に住み続けられるのか、提供する側だけが考えるのではなく利用者側も一緒に考えていくことで見えることもあるはず。
 
医師確保は最優先。だからといって他に何もしなくていいということではない。マルチタスクで進めなくては! 
そのための組織、そのための町立、そのための役場! 
だと思っている。

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