2013年05月05日

ゴールデンウィークの一コマ【経験と知恵が生きる職業】

ゴールデンウィークも終盤。こどもの日の今日、やっと一息つける暖かさになってきています(午前11時現在 8.4℃)。

4月に入っても続いていた寒さはゴールデンウィークといえども容赦なく、低く垂れ込める雲と時折降る冷たい雨。最高気温も5℃止まりの毎日でした。

今日は早朝には青空も見え、久しぶりに気持ちが晴れるひとときでした。時間を追うごとに雲が出てきていますが、午前中は風もなく刻々と気温が上昇。今日は何度まで上がるかな〜?
もっとも、夕方からは雨の予報で、明日の午前中までは続くそうです。

写真は今朝、うちの圃場で撮影したもの。
手前のツクシ(スギナ)、昨日までの数日間は地面ギリギリにちょこんと頭だけ出して、まるで玉砂利を敷いたような雰囲気だったんです。でも今日の暖かさに誘われて、一気に背丈を伸ばしたもよう。春に敏感ですね〜。

それから、奥の畑の一部にはまだ雪が残っています。ここは冬の間、越冬ハウスを除雪した雪を堆積していたところ。融雪剤も散布していますが、しぶといですね〜。

月形町の現在の様子ですが、田んぼや畑などは完全に雪が融けましたが、低地・北斜面・側溝・雪捨て場等にはまだ随分残っています。もちろん周辺の山々にも。例年よりかなり遅いです。

「卵が先か、鶏が先か」ではないですが、周辺に雪が残っていると空気が冷やされ気温が上がりません。気温が上がらないから雪も融けない・・・ 
ふ〜、卵が先でも鶏が先でも良いから、現状打開して欲しいものです。

こんな状況ですが、我が家の農作業はゴールデンウィーク中に着々と進んでいます。

こちらの写真は、お盆用輪菊の定食風景。挿し穂といいます。

親株から採ってきた菊の穂(先端に成長点を持つ菊の枝)を地面に直接差し、「ちちんぷいぷい」とおまじない・・・じゃなくて、発根剤や殺菌剤などの力を借り、温度と湿度を管理していくと、約2週間で根が出てきます。その後は菊の生長パターンに合わせ環境を整えることで、予定の日に花を咲かせることができます。技術と観察そして手間によって収入を得る「農業の基本」ですね。

菊作りを始めた20年程前は、教わったとおりにやっても失敗続き。反省と調査、新規技術の導入等チャレンジを続けていくうちに、いつの間にか、気を張らなくても予定した日に予定した花を咲かせられるようになりました。それに省力化も。
始めた頃は躰も頭も心もきつかった菊作りですが、今は楽しみになっています。

もちろん途中には「あれ、まずったかな?」と思うような事態が起きることはありますが、すぐにそれなりの対処ができ、結果には影響がないレベルに。まさしく経験ですね。

『経験や知恵が生きる職業』『経験や知恵を活かす社会』が理想です。

2013年03月29日

これは表面的なこと。問題の本質は・・・【特別職の退職手当組合負担金/誤認問題】

平成25年度予算特別委員会で明らかになった[特別職退職手当組合負担金]に関する問題について、現在分かっている範囲で説明します。

これを説明するには、3年前(平成22年6月)の渡部前教育長の辞職の時点までさかのぼります。
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当時、月形町は『高額切手紛失事件』の真っ直中。
平成22年3月の予算特別委員会で「寄贈された高額切手の存在」が指摘され、町長が「確認する」と答弁。その後、この件に関し何の説明もないまま6月の定例会を迎えました。が、この時既に渡部教育長(当時)は辞任していて、理由は、事件現場であった教育委員会の最高責任者であったから。

この辞任は非常に唐突で不可解な点がありました。定例会が6月15日に始まるにもかかわらず、6月7日に渡部教育長から辞表が提出され、9日に町長が受理。しかも、この辞任について町側の説明がないままに定例会が開会。議会側からの「緊急質問」によって初めて「教育長が辞任した事実」を理事者が説明したのです。辞任当時、渡部前教育長は事件への関与を否定していました(のちに認知していたことを認める)。

この後、全員協議会や臨時会で事件の全容がおおむね解明されたわけですが、その中で理事者から「教育長には退職金の受け取りを辞退してもらう」旨の発言がありました(平成22年第2回臨時会)。
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その後、平成23年度予算特別委員会(平成23年3月)、平成24年度予算特別委員会(平成24年3月)において、以下のような質問がありました。
「教育長が受け取らなかった退職金はどうなるのか?」
「いつ、月形町一般会計に入ってくるのか?」
「どの科目に入るのか?」

その時、土橋副町長(当時)からは
「退職手当組合から支払われなかった退職金は、負担金支払いと相殺される。」
「3年に1度の清算になっている。次の清算年は平成25年度。」
との答弁がありました。


そして今年。平成25年度予算特別委員会。

今までと変わらぬ負担金の額に質問が出ると、三浦副町長から
「渡部前教育長は退職金の受け取りを辞退したので、退職手当組合から(渡部前教育長に退職金は)支払われていない。また、受け取りを辞退した場合に退職手当組合から月形町への返金はない。負担金との精算行為は一般職の場合には行われるが、特別職にそういう制度はない。」
との答弁。あわせて桜庭町長からは
「今回、退職手当組合に確認して初めてわかった。間違った認識で申し訳ない。」

つまり、渡部教育長に支払われるべき645万9千円の退職金は、退職手当組合のものであり、月形町には一切返ってこないということ。なお、特別職の退職金は全額税金から在職期間中の給与額に合わせて(負担金という形で)積み立ててきたものです。
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予算委委員会で事実がわかり、その後に開かれた全員協議会で、退職手当組合や手続きについての詳しい説明がなされ、それに対して議員から意見が続出しました。内容を整理すると

[退職金そのものについて]
◆退職金600万円は、月形町にとって大切な税金を積み上げたお金である。
◆渡部前教育長は町へ寄付する意向があったのに、こんな形で600万からのお金が消えてしまったとは。事務に問題があったのでは?
◆退職金の受け取りそのものを突き詰めていくと切手事件の処理の問題まで遡らなければならない。(町内で物議を醸し時間をかけて出した結論であるので)もう戻りたくない。
◆前教育長の気持ちが実現しなかったのは残念だが、仕方ない。

[説明の間違い、手続きに関して]
◆3年間、負担金との相殺される=町に戻ってくると聞かされてきた。間違ったこと説明してきたとは!
◆制度を理解していない=職員のレベルが低い=責任問題
◆行政は法に則って仕事をしている。税制や税率が変わったのを知らずに徴収していたら「知らなかった」では済まされない。それと同じではないのか?
◆3年前に前教育長が退職金を受け取らない手続きをする際、「退職手当請求権放棄書」を書いて提出している(この書類を書かなければ手続きが完了しない)。土橋副町長は平成24年度予算特別委員会で「本人は(退職金を)請求していない。」と説明していたが、請求権放棄書を書いている以上、請求しないのではなく放棄したという解釈になるはず。戻ってこないのは当然。このような手続きをしておきながら「制度を理解していなかった」と言うことにはならない。
◆副町長の認識違いに対して[違う]と伝えられなかった、行政内部の問題は深刻。
◆処分や謝罪では済まない深刻な事態。内部改革が必要。

[理事者を擁護する意見]
◆制度の間違いは大きな問題であったが、実害はなく、許されないことではない。
◆誤った説明をしたことに問題はあったが、これ以上どうしろという話にはならない。
◆町長は「本会議でお詫びをする」と言って自らの責任にも触れている。
 
[今後について]
◆町民もこの問題に関心を持っている。町民に説明できるように、町長の考え方を示して欲しい。
◆今の意見を受け止め[業務改善委員会]などを立ち上げては?
◆改革の中身を具体的に、期限を明確にして示して欲しい。
◆もっと最高責任者の認識をしっかり持ち、深刻に受け止めて欲しい。
◆町長はトップとして謝罪だけで済ませるのか? 町民に対する誠意は?
◆責任の取り方、対処の仕方など、6月議会まで時間をかけて結論を出しては?


質疑応答によって明らかになった町長の考えは・・・

▼教育長が寄付する気持ちがあったとは一度も聞いていない。
▼事件の性格上、退職金を受け取らないのは当然。だからと言って(一度受け取らせて)寄付させることも問題だと思う。
▼退職金が戻らないことは広域退職手当組合の仕組みであり、理解して欲しい。
▼退職手当組合の仕組みを誤解していたのは土橋前副町長。職員は理解していた。
▼今回の件で自分も反省するが、職員にもしっかりやって欲しい。今後については、組織の見直し等しっかりやっていきたい。
▼今回の問題に対し、本会議でしっかりお詫びしたい。町民に対しては町報でしっかりわかるように説明する。
▼自らの処分については、本会議で謝罪することで対応したい。減俸だけが処分ではないと考えている。それに、3月定例会で(病院事務処理の責任をとって)10%1ヶ月の処分をしている。今回の件もそれと合わせて考えてもらえれば・・・

なお、町長は定例会の最終日、本会議の開会前に【謝罪文】を読み上げました。
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私は今回の件で、最も問題があると考えるのは『退職手当組合の仕組みを誤解していたのは土橋前副町長。職員は理解していた』というところ。

今まで3年間毎年予算委委員会では質問が出ていたのに、確認しようとしなかったことがまずは問題。くわえて、職員が制度を理解していたのであれば、その間違いを指摘できない組織とはどういうものなのか。行政は法や条例によって仕事をする組織。組織の上下以上に法の遵守が優先されなければならない。風通しが悪いことで違法な行為や間違いがあったとすれば、組織そのものに問題があると言える。その組織を管理する側の認識が相当低いと言えないか。

そして全て土橋前副町長に問題があるように言っている町長はトップとしてどうなのか。責任の取り方は減俸が全てとは思わない。しかし今回の場合、謝罪だけすれば全てOKでもない。組織の長として真っ先に取り組むべきことがあるはず。

今回の問題の本質は町立病院医療事故関連の処理とも共通すると考えます。つまり役場内部の統制と理事者の問題

それぞれの問題は、時期も発生現場も違っていて単発で起きているように感じられますが、実際は根っこで繫がっていること。だからこそ深刻で重大だと私は考えます。

2013年03月26日

つづき【平成25年度予算特別委員会/総括質疑】

引き続き、予算特別委員会の報告です。
今回は総括質疑。

平成25年度行われる事業とその展開に対して、理事者(町長)の考え方などを明らかにしていきます。全てを掲載したいところですが、ここでは私の総括質疑を報告します。

※左の写真は前回とは別の種類の「紅梅」。
下の写真は「福寿草」。育ちすぎて姿も変わっていますが、紛れもなく「福寿草」。何事もイメージ通りのものに出会うのは難しい。
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■町立病院会計について
Q 予算書における数字(入院・外来患者数、患者単価)は目標値とは言え、現状に比べ高すぎる設定なので、新たな取り組みをもってしても実現不可能と考える。
○どういう考え方で予算を組んだのか? 
○更なる赤字補填の認識があって立てた予算か?

A 病院スタッフのモチベーションを下げないでやっていきたいと考えた。
更なる赤字補填の認識を持っている。
接遇対応はまずしっかりやっていきたい。また、人口規模やベッド数を調べなおしながら積極的に取り組んでいきたい。


■平成25年度の重点施策
Q 執行方針には「少子高齢化、医療福祉、環境衛生などの課題に配慮した予算編成」と書かれているが、個別の予算審議が終了した現段階でも平成25年度の重点施策が見えない。「共生のまちづくり」には具体的な施策がないとのことであり、実際何を重点的に行うのか? 

A ゴミ焼却炉建設、農業施策、見守り。
身の丈にあった中でやらなければならない。


■一般会計における財政調整基金からの繰り入れ
Q 当初予算において既に、財政調整基金からの繰り入れが1億4千万円組み込まれている。これは例年より多い。国の方針転換で地方交付税が絞られる可能性が高い上、先の答弁で病院の更なる赤字補填も見込んでいるとのこと。このような状況で大丈夫か?

A 歳入の減少は最大限に見込んでいる。歳出は数千万円削減した上でこの予算になった。これくらいの規模は問題ない。危機感は持っている。
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私の勝手なイメージです。
町長や教育長が、それぞれの「執行方針」によって自分のやりたいことをぶち上げ、「私は○○をやりたいんです。今、月形町には○○が必要です。」と、熱を帯びたように熱く語って議会を説得する・・・みたいな、そんなイメージを持って毎年3月の定例会に臨みます。

でも現実はイメージとは全く違うもの。
それも致し方ないですね。所詮、私のイメージですから。

この定例会を通して聞きたいことのほとんどは聞くことが出来ましたし、意見や提案など、言いたいこともそれなりに言いました。一つ一つに納得できたわけではありませんが、今は理事者が「やる」と言ったことが確実に実行されるのかを見守るしかありません。

結果として「町民の暮らしがより良く」なれば良いんです。
「町民や職員が希望を持って、未来に向かった仕事が出来る」ようになれば良いんです。

2013年03月22日

理事者の考えは分かったけれど・・・【平成25年第1回定例会/一般質問】

昨日の吹雪と打って変わって、今朝は気持ちの良い青空が広がっています。思いのほか積もった新雪でまぶしい限り。積雪もまだ1.5m以上あるので、雪融けはまだまだ先ですね〜。春の訪れはいつもよりゆっくりです。

さて、今日は一般質問のご報告。

今回は3つのテーマで質問しました。
質問ごとに、質問主旨と答弁要旨、感想を掲載します。質問中に筆記したメモを使ってまとめたので、詳細な部分は多少違っているかもしれませんが、趣旨は合っていると思います。速報ということでご了承ください。
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平成25年第1回定例会/一般質問[宮下分]

1.「共生のまちづくり」の具体的な施策について

【質問】
「共生のまちづくり」という耳慣れない言葉に当初は戸惑ったが、昨年12月の一般質問答弁で示された概念(組織を越えた横の繋がりをもち、地域コミュニティを活かして育てる)は、古くて新しいスタイルの「まちづくり」の可能性があり、月形町の歴史や様々な取り組みとの合致し期待が持てた。
しかし、それを進めるための具体的な施策は平成25年度執行方針において示されていなかった。平成25年度あるいは任期の4年間を通じて、何をどのようにして「共生のまちづくり」を進めるのか、具体的施策あるいは構想を伺いたい。

【答弁:町長】
「共生のまちづくり」とは「町内にある5つの福祉施設と2つの矯正施設があることに感謝し、しっかり繫がっていくこと」であり、言葉で区切って進められるものではない。職員が意識し、認識を持って進めることが大事である。
町内では「共生のまちづくり」を意識した取り組みが展開されている。例えば新年交礼会(様々なジャンルの人が集う)、地産地消料理コンテスト(JAや商工会、雪の聖母園等が協力)、月形学園への町立病院からの医師派遣など。これらは職員が「共生のまちづくり」を意識した結果である。


【質問】
職員だけが認識していても「共生のまちづくり」はできない。町民にも解りやすく示し、協力を得て進めるものではないか。
そのためには明確なテーマ設定あるいは事業を示す必要がある。例えば「中心市街地」をテーマにすれば、中心市街地の設備や機能を様々な観点から結びつけることで地域コミュニティを活かした「共生のまちづくり」ができる。「地産地消」をテーマにしても良い。
町政の執行者として、目標やテーマを設定・提示して欲しい。

【答弁:町長】
中心市街地のように場所を限定するものではない。共生という想いがあるかどうか、職員の意識が重要。それに「共生のまちづくり」は4年間ではできない。将来にわたって積み上げていくもの。

《感想》
最後まで「共生のまちづくり」の具体策を聞くことは出来ませんでした。
私は「共生のまちづくり」を「組織を越えた横の繋がりをもち、地域コミュニティを活かして育てること=個人や組織が有機的に繋がり発展すること」だと考えていたのですが、町長は「町内にある5つの福祉施設と2つの矯正施設があることに感謝し、しっかり繫がっていく」と言い、「施設・行政・地域という枠組みを大事にしてまちづくりをしていく」という印象を受けました。
いずれにせよ「共生のまちづくり」という言葉は目新しく抽象的ですし、具体策がないので同じ目標に向かって進めるのかも疑問です。町長が事例として掲げたものは既に進められている実績がほとんど。将来的な構想や目標が何一つ示されなかったのが残念です。
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2.町立病院の経営改善について     

【質問】
月形町立病院は赤字補填(ルール分以外の一般会計からの繰り出し)が、5,000万円以上3年連続となり、入院・外来患者の継続的な減少も見られる。平成21年度から5カ年計画で「公立病院改革プラン」を作成したが、効果は見えない。
これらのことから町立病院は危機的状況と考えるが、町長は現状をどのように認識しているのか? また、なぜこのような事態になったと考えるか?

【答弁:町長】
危機的状況と認識している。
その要因の第1は医療法の改正であり、第2は最近の医療費高騰と言える。1次救急、1次医療にはお金がかかる。


【質問】
町長は「ほとんどの公立病院が赤字だ」と言っているが実態は違っている。医療法や医療費の問題はあるものの、全国の公立病院の経営はここ数年で改善されている。総務省のホームページによれば、全国で平成23年度に経常収支が黒字の病院は全体の53%(平成20年度は30.2%)。小規模病院でもほぼ同様の割合で黒字化になっている。(ただし、道内の公立病院の黒字化は全体で38%)

同ホームページには公立病院経営改善事例集が掲載され、黒字化の要因があげられている。
◆患者満足度の向上(病院理念・経営スローガンの浸透、接遇研修、投書箱の設置)
◆医師の確保(大学とのパイプ強化、奨学金・研修費の助成、魅力ある病院づくり)
◆地域医療福祉ケアの実践(地域医療福祉ケアシステムの導入、地域完結型の医療)

各地の公立病院は黒字化に向けて様々な取り組みがなされている。月形町立病院はどうか? 設置者として、今後どのような取り組みをしていくのか?

【答弁:町長】
どういうことで黒字化になっているのか分からない。道内で黒字化になっている病院は少ない。医師が足りないことが要因。医大が3つしかなく、定数を確保できない。

平成25年度から町立病院では、札幌医大からの派遣医を、隔週1日から毎週1日に増員していただく。また、理学療法などの医療スタッフが地域のサークルなどに出向き、保健と連携した取り組みを進めていく。

《感想》
今回の質問をするに当たって全国の公立病院の経営状況を調べたところ、多くの病院がここ数年で経営改善に成功していて、正直驚きました。これまで病院経営に対し町長からは「公立病院の赤字は仕方ない」「改善を国や道に要請している」という答弁しか得られず、甘んじて受け入れてきたことを反省しました。

黒字化している小規模病院の多くは、接遇改善や地域医療福祉ケアシステムの導入など、独自施策でできることをどんどん進めています。月形町も一歩踏み出せば出来るような環境は整っていると考えます。
答弁で赤字の要因を延々と聞かされるより、「黒字化した要因を解析し、検討します。」のひと言さえ聞ければどれほど期待が持てたことか。いつまで先送りしていても状況は悪くなるばかり。  
“いつやるか?” “今でしょ!”  流行語にあやかりたいものです。
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3.学校教育における「地域」との関わりについて

【質問】
「いじめ」や「体罰」など学校教育を取り巻く問題が社会問題化している中、その改善策として、昨年9月の一般質問で教育委員長から「学校・地域・家庭が一体となった三本柱の教育を」の答弁を得た。この言葉から、「学校現場に家庭や地域がもっと関わりながら子ども達を教育する=開かれた学校」が実践されると期待した。
しかし、平成25年度教育行政執行方針では、学校教育分野に地域との関わりや「開かれた学校」を感じさせるものはなかった。
今後、学校教育における「地域」との関わりをどう醸成していくのか?

【答弁:教育長】
学校支援ボランティアなど多種多様な形で地域の人々の関わっていただいている。また、学校に施錠はしているものの、いつでも授業を見せたり、茶話会の会場を提供したりして受け入れている。

《感想》
教育長との一般質問は、いつも一般論を展開されて終了です。答弁がきれいにまとまっていると見る向きもありますが、私は徒労感しか残りません。私は目の前で展開されている教育現場の話しがしたいのであって、一般論はネットで充分知り得るからです。

昨年、札比内小学校が統廃合され、地域に根ざした良質の教育現場が一つ消えました。小・中各1校体制になったことで、今まで以上に地域との関係を持たなければ(関係を持つ工夫をしなければ)、学校は地域から離れて行ってしまうでしょう。
加えて少子化が急速に進行している現状では、関係する保護者の数も減ってきています。以前はあった親子レクが無くなったり、学校を会場にした雪祭りは数年で終了しました。勤務している先生の多くが通勤であり、町内に居住している管理職(校長・教頭)を町内行事で見る機会は年々少なくなっています。

この現状で「学校現場と地域は繫がっている」とハッキリ言えるのでしょうか?
学校を核にした地域の繋がりは明らかに減ったと感じるのは私だけなのでしょうか? 
多少なりとも工夫の余地はあるのではないかと思うのですが、いかがでしょう?

2013年03月21日

特別職の処分案に反対するも、賛成多数で可決【町立病院医療事故関連】

定例会での審議内容の報告です。標題の【町立病院医療事故関連の議案・町長と副町長の処分(10%減給×1ヶ月)】は、3月5日(本会議1日目)に提出/審議/採決されたものです。

まずは、事の発端である医療事故とここに至るまでの経過を説明します。
(以下の内容は、町側から議会へ提出された「病院事務長の不適切事務処理経過」の文書を基に、議会との質疑応答や議案審議で明らかになった内容も含め、要約してまとめました。)
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■平成23年9月17日  医療事故発生
 :大腸内視鏡検査のために入院した患者が、検査後の経過観察中に死亡。
  異状死として警察に通報し、北大病院で司法解剖。
  解剖の結果、死因は心筋梗塞と判明。検査との因果関係はないと診断された。

■平成23年10月頃(事故発生から約1ヶ月後) 遺族からの問い合わせ
 :遺族から、事故発生時の対応について問い合わせ(クレーム)あり。
  病院事務長と看護師長で対応。

■平成23年3月第1回定例会/予算特別委員会 医療事故に関する質疑と答弁
 :金子議員から「町立病院で医療事故はあったか?」の質問に対し、
  病院事務長から「医療事故はこの1年間発生していない。」との答弁。

■平成24年3月頃か4月上旬  クレーム対応
 :遺族からクレームの電話が来ていることを、病院事務長が副町長に報告。
  事務長は副町長から「弁護士に相談したらどうだ」と言われる。
  副町長から町長への報告は無し。

■平成24年4月16日  弁護士との委任契約
 :契約書類は町長名で交わされているものの、病院事務長が単独で行った。
  弁護士との契約に際し、理事者への報告もなく決裁も受けていなかった。

■平成24年5月15日  土橋副町長 任期満了で退任
 :11月1日に三浦氏が就任するまで、副町長は空席

■平成24年9月第3回定例会/決算特別委員会  医療事故に関する質疑と答弁
 :医療事故についての金子議員からの質問に対し、病院事務長が経過を答弁する。
  町長はこの時初めて、事実内容を知った。

■平成24年11月27日第4回臨時会  和解・損害賠償金300万円を議会に上程、議決
 :町立病院の医療処置に瑕疵(欠点、欠陥)はないが、障がいを有している患者に
  対し検査後の経過観察に更なる慎重な配慮が必要であったのでは、という判断。
  和解・賠償金300万円と弁護士費用は全額、病院賠償責任保険で対応。

■平成24年12月7日  職員の懲戒処分等審査委員会開催(病院事務長の処分)
 :病院事務長が不適切な事務処理(理事者への報告、決裁、復命等を怠ったこと。
  独自の判断で弁護士を通じて事務処理を行ったこと。他)に対する処分の審査。
  事務長は10%減給×3ヶ月の処分が相当との決議。(12月10日 発令)

■平成24年12月第4回定例会  町長と副町長の減給処分を上程するも、取り下げ
 :病院事務長の不適切事務処理に関し、その管理責任をとるため、町長と副町長の
  減給処分(10%減給×1ヶ月)を上程したが、議会の理解を得られないために
  議案を取り下げた。
 (※全員協議会でこの問題の取り進め方を議論。議員から意見や要望あり。)

平成24年12月21日  法令遵守委員会開催(第1回)
 :病院事務長の不適切事務処理に関し、法令遵守委員会の意見を聞く。

■平成24年12月26日  保険金支払い
 :損害賠償金300万円が保険会社から遺族に支払われる。
  弁護士費用63万円は、12月21日に病院から支払われた。       

■平成25年1月28日  法令遵守委員会開催(第2回)
 :負託案件に対する意見書を作成し、町長へ提出。

■平成25年3月5日第1回定例会  町長と副町長の減給処分を上程、議決
 :処分内容は、取り下げた12月定例会と同様。
  宮下が反対討論を行う(理事者の認識、処分内容、改善策などの問題点を指摘)。
  採決の結果、賛成多数(反対は宮下のみ)で原案可決。
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私は当初から、病院事務長の不適切な事務処理より、役場内部の統制と理事者に問題があると考えていました。今回、ある時点まで土橋副町長(当時)は報告を受け指示を出していたわけで、その時点までは事務長の落ち度はなかったと考えます。

5月以降、副町長が空席になり伝達が充分でなかったことは事務長だけの責任でなく、むしろ副町長空席でも対処できると、空席を決定した町長の責任が大きいと考えます。それにもまして、土橋副町長在籍中から町長が状況を把握できていなかったことは、理事者間の情報共有不足であり、ガバナンス(統治)という面からも大問題です。

昨年12月定例会で理事者の処分案を取り下げた折、私は以下のことを要望しました。
◆事の顛末を文書で提示(これまでの口頭説明では、事実が二転三転している部分が
            あった。事実を正確に把握するため文書が必要。)
◆法令遵守委員会を開催し、意見を求めること。
◆理事者処分の考え方と根拠を示すこと。
◆具体的な改善策を示すこと。

法令遵守委員会はすぐに開催され、意見書は議会の審議前に配布されました。しかし、事実と経過を示した文書は提出されず、再度要望して議決後に配布される始末。また、議案説明の中で、理事者処分の考え方と根拠は明解でなく、特に「最高責任者としての責任」と「具体的な改善策」は言及されませんでした。

このような説明内容や対応、直接の担当者(病院事務長)よりも軽い処分に問題アリと考え、私は採決で反対しました。

一方、多くの議員が全員協議会や議場外で疑問を呈していたにもかかわらず、質問も討論もなしに賛成したことは残念です。結果的に、12月定例会と何ら変わらない内容の処分であるにもかかわらず、一度は取り下げまで迫り、次は何事もなく通す・・・議会の不透明さは、議会の不信を招くように感じます。とても残念でした。

これにて、この件に関する審議も処分も終了です。
これを契機に、より良い行政になっていくものと考えていたのですが・・・
今定例会で新たな問題が、またも明らかになりました。このことは別項目で。    

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