2008年09月07日

北海道自治体学会フォーラム in えにわ(感想)

今回のフォーラムでは、実践例を中心にその問題点と解決策や理論的裏付け等のお話を聞くことができ、普段の行動を一歩進める勇気をもらった気がします。迷いが晴れた分、思い切って、自信を持って、今までのやり方を推し進められます。

それから一つ気付いたことがあります。月形町の議会や行政はまんざらでもないということです。

今回、知事や市長や市議会議員のお話を聞いたわけですが、そこで問題になっていることの多くは月形町ではクリアされています。
人口が少ないため(4,000人)多くの人が何かしらの「役」を持って行政や地域に関わっているということ、地縁・血縁がしっかりと残っているために情報網や監視能力が発達しているということ、過疎・高齢率の高さ・低所得等から協力し合わなければ成り立たない厳しい場面があるということなどから、議員と町民と行政との間に「顔の見える関係」が成立しています。そのために慣習や直感で多くのことが良い方向に解決できていると考えます。

もちろん、月形にも問題点はあります。ただその質が都市部とは違うということを再認識しました。
地方自治であるならば、それぞれの問題をそれぞれの解決策を持って対処していかなければなりません。国や道に期待したり、都市部ばかりを見て参考にするのではなく、自分の町の良いところを充分に認識しながら、独自の取り組みで解決すべきと強く思いました。
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私は議員になって2年目ですが、議員になる前に議会や行政に抱いていた疑問や不満は随分薄れてきました。それは今まで見えていなかったものが見えてきたからだと思います。月形町議会は思いのほか自由(会派はなく、提案・議論・採決も個人に任される)で柔軟であり、問題解決能力を持っていました。行政もしかり。

しかし、これらは議員になってから見えてきたこと。つまり町民には知らされない場面で行われていたということです。活発な議論は非公開の議員協議会が中心、行政からの情報発信もニーズに合っているとは言えません。
知れば、知らせることができれば、議会も行政も信頼を得ることができると確信しました。

そのためには「透明性」です。何も隠すことはないし、今までやって来ていることは充分「透明」に耐えられます。

そこで私の役割は「自分の活動や考えを積極的に公開していくこと」。
私は常に「開拓者」なのです。

2008年08月24日

生産地は人手不足!

我が家は切り花を生産する農家ですが、今年は春から人手不足です。例年通りハローワーク等を通じてパートさんを募集しているのですが、応募してくる人は少なく、特にこの1ヶ月は皆無に近い状態でした。

条件等は今までと同じ、世の中は不景気。変化があるとすれば「石油の高騰」です。

最寄りのハローワークは岩見沢にあり、そこに足を運んでいるのは岩見沢市内や近郊の人がほとんどで、月形まで通うには距離(約23km)があります。交通費がかさむ今、あえて遠いところまで働きに来る人はいないのでしょう。

町内で人手を確保しようとチラシを出しても、これもまた厳しい状態です。仕事をしたい(できる)状態の人は既に仕事を持っていますし、働き盛りの人口は減少中。
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この人手不足は我が家だけの問題ではありません。

今まで町内で人手を確保していた農家(花、米、野菜など)では、パートさんの高齢化が徐々に確実に進んでいます。不足分を新たな人手で確保しようにも、それは我が家同様見つからないとか。
町外の人材派遣会社などを利用して当座をしのいでいるとのことですが、仕事の熟練度や単価など問題もあり、長い目で見れば問題解決には至っていません。
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生産地とは農産物を作り出すところ。
そして「物」だけでなく「労働」も「お金」も作り出すところ。

しかし今(あるいは、これから)、生産地では農産物を作り出せないほど人手不足に。
せっかく「モノ」を作り出す力があるのに・・・。
都会にはニートと呼ばれる若者が沢山いるのに・・・。

「最低賃金の改定」
「生産資材の高騰」
「単価の低迷と経費の向上=手取りの減少」
「農業の生産性(換金率)の低さ」
「地球温暖化(環境の変化 → 作型・栽培種の変化)」

農業を続けていくために考え、工夫しなければならない点がたくさんあります。

「ピンチこそチャンス」 視点を変えねば!

2008年07月15日

全国一斉休漁 と 空知農民緊急集会

今日は全国の漁業者(20万隻)による「一斉休漁」が行われ、マスコミが大きく取り上げている。燃油高騰により採算割れしていることのアピールで、現代漁業は石油がなければ成り立たないという現実を突きつけた。

「油は高い! 魚は安い! 私たちに死ねというのか!!」

と叫んでいる女性漁業者代表の鬼気迫る表情と迫力、そしてその言葉が印象に残っている。
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一方、昨日、岩見沢において空知農民連合主催の『生産資材高騰による経営危機を打開する! 農民緊急集会』と『デモ行進』が行われ、全空知から1,500人もの農業者が結集、月形からも約40人、私も参加してきた。
 
この集会では、原油や生産資材等の高騰(特に肥料は昨年比6割強の値上げ)による生産コスト上昇と採算割れをアピールし、以下の点の改善要求を決議した。
◆肥料高騰に対する対策
◆生産者支援策の実施
◆農産物の生産費を価格に転嫁できる販売システムの構築
これらは来る7月16日の『全道農民代表者緊急集会』に提起されるとのことだ。

デモ行進は会場の東山公園から市役所をとおり、駅前の繁華街を抜け空知支庁までの2.5km。時にシュプレヒコールをしながらのデモ行進に、街を歩く人達は「何事か?」と戸惑っている人や、手を振って応援してくれる人、迷惑そうな顔の人など反応は様々だった。
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今回の漁業者と農業者のアピールは、普段の消費社会で置き去りにされている一次産業の抵抗である。最近の物価上昇は日本全国同じように起きているにもかかわらず、農産物の価格(特に農家の売り上げ)には全く反映されていない。常にしわ寄せが来るのは弱い立場のところだ。

また『現代の一次産業は石油なしでは成り立たない』という現実を突きつけた。エネルギー自給率4%は食糧自給率39%以上に深刻な状況かもしれない。今回のアピールでは『支援・援助』を唱っているが、一時的な所得保障より「省エネ」や「脱石油」のための技術導入、あるいは持続可能な生産構造の構築に対する支援と援助であって欲しい。

昨今、食糧自給率を上げることに対して国民の合意形成ができつつあると思うが、現実のものにするためには「痛み」をともない「転換」も必要。国の政策の遅れは最大の問題点であるが、「何処で作られているか(産地)」より「いくらか(価格)」が優先する消費行動では自給率は上げられない。

例えばブロッコリー。国産200円、外国産150円。国産は3割強高い。しかし実質は50円高いだけ。
日本人のエンゲル係数は年々低下しているうえ、昭和の頃に比べ所得が伸び、外食や中食が増えた現代では食材の占める割合も低下している。つまり、純粋に農産物に対して払っているお金はそう多くはないのではないか?

服を1枚買い控えたり、何気なく使うティッシュをやめたり、エアコンをかけたままの車のアイドリングを止めたり・・・。ちょっとした生活の見直しで充分捻出できる金額ではないのか?

私が農業者であるから、こんな風に考えるのかもしれない。しかし、今のままの食糧生産構造が続いていったら消費者のために農産物を作る農業者はいなくなる。(どんな状況下でも自分の食べる分は自分で作ることができるから農業者自身は困らないが・・・)
自給率の向上どころではなく、食料安全保障の問題が出てくるだろう。


国は、消費者は、これでいいのか?

2008年05月02日

『一人一役』と『当て役』

私は以前から『一人一役』が理想だと思っている。

月形のような小さな町であっても、様々な分野の色々な役がある。役を受ける側とすれば、一役に集中することによってより深く濃く関わることができると思うし、役をお願いする組織としては、否応なしに沢山の人に参加してもらうようになり、活性化すると考えるから。

しかしながら現実はそうはいかない。『当て役』なるモノが存在する。下部組織の役に入ると自動的に別の組織のある役になっているというアレ。私自身も様々な当て役(もちろんそれ以外に自由意志に基づいて参加している役もあるが)を受けている。

議員になる前、私はこれらの当て役に非常に抵抗があり、できるだけ受けないようにしてきた。しかし最近この『当て役』が『組織の繋がり』にとって重要で、また自分自身の知識の広がりや深みに役立っていることを理解できるようになった。でも、でも、やっぱり、現実を見た場合に矛盾を感じる。

多くの組織で同じような顔ぶれが並んで会議をしていること、飛躍的なアイデアが少なくなっていること、緊張感が薄くなっていること・・・。各組織共通の悩みは、こんな『当て役』に起因するのではないか?。 一般公募はできないものなのか?
それに私自身(あるいは、役に携わる一部の人達のみ)の知識や見識を深くしたところで、果たして町全体の利益に繋がるのだろうか?沢山の人が少しずつでも知識や見識を増やした方が、見方や考えが広がって総合的には町の活性化の礎になるのではないか?

「公募したって応募する人がいない。」
「色々な事情で役を受けられる人が限られているんだ。」
「ほとんどの役は誰でもできるんだ。」

こんな声が聞こえてきそう。でも結局は民度の問題?それとも、組織運営の怠慢?

役の少なかった1年間に比べ、私の知識や見識は格段に広がっている。しかしアイデアはしぼんでいっている気もする。これを「良識的になった」「総合的に判断できるようになった」と捉えられては身も蓋もない。組織に活性化には新しい風がぜひとも必要だ!

2008年05月01日

議員2年目の抱負

今日は議員任期2年目の第1日。丸1年経ったのかと思うと感慨深いです。
せっかくなので、この1年を振り返ってみます。

自分では「その時その時を大切にベストを尽くそう」と努力してきたつもりです。ペース配分が悪く、身体を壊した(といってもじんま疹程度ですが)こともありましたが、馬力で攻めていくタイプの私としては、自分らしさを充分に表現できたので及第点はあげられる・・・と思います。
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議員としてのスローガン【まちの力 を まちづくりに】と、4つのポイント
1. 情報公開の推進
2. 多様な視点を活かす
3. 人と情報のネットワーク強化
4. 将来展望と行動の積み上げ
は、常に念頭に置き、議員活動を進めてきました。

1.の実績として、この【ブログ】と【ゆみこの議員活動報告書1・2・3】があります。ともに試行錯誤の段階で、内容的にまだまだ再考の余地があります。情報を公開するだけでなく、私の考えや方向性、学んだことを伝える場として、もっと活用していきたいと考えています。

2.については、定例会や常任委員会、議員協議会などで私の考えを積極的に発言してきました。議会での常識とは違っている部分も多く、問題提起や発想の転換になったこともありました。1年目は自分自身の今までの経験から出てくる発想で充分多様性を発揮できていましたが、2年目となり、私自身が議会の思考や常識を少なからず身につけたことで【多様性】【新規性】が失われていくと考えられます。自ら新たな発想を得るべく、様々な『場』に積極的に参加していきたいと考えています。

3.は今後の展開次第だと考えています。1年目は顔を繋ぐことだけで精一杯で、ネットワークの構築はあまりできませんでした。それでも議員となり行動範囲も格段に広がったため、様々な場面で多くの方々と顔を合わせ、共感を感じる場面が格段に増えました。これからも一つ一つの出会いを大切に、情熱と真摯な態度でネットワークを築いていきたいと思います。

4.については、政務調査費を全額使わせていただき、積極的に情報収集や勉強会に参加させていただいています。今すぐに役立つものだけではありませんが、世の中の流れや、発想の柔軟性、判断の軸など、地方議員として考えるべきことに取り組んでいます。今後もこの方向性でやっていきたいと思いますし、得たものを町民のみなさんに還元していきたいと考えています。
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これから2年目。
既にかくべき恥はかいていますし、度胸もついてきました。
自分で定めた『道』をこのまま突き進みたいと思います。

まだまだ発展途上の私ですので、みなさん、どうぞご指導くださいませ。
ご意見、ご感想などお気軽にお寄せいただければ幸いです。

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